感情を出すこと。

私の夫は4分の1イタリアンなアメリカ人。

イタリアン出身の義母方には大家族の繋がりがあります。

イースター、サンクスギビング、クリスマスの様な機会には、あらかじめ担当の品が告げられ、その一品を持ち寄るパーティーがあります。

さらに夏休みは、8月の第3週末からの1週間を、湖畔のリゾートのキャビン(山小屋)で一族総勢40人ほどが一緒に過ごします。

毎年同じ時に同じ場所で。

各世帯が各キャビンで過ごし、一緒に持ち寄って食べる夕飯以外は、それぞれがてんでに過ごすのですが、湖のビーチでお喋りして過ごしたり、水遊びをしたり、バスケットボールをしたりと施設内で大人も子供も一緒に遊びます。

血縁のある伯父伯母、いとこ、はとこ。それ以外は嫁か婿。

私は日本人なので、夫以外は他人にしか見えないわけですが、私の英語力では会話が不甲斐なくても、半強制的に共有する時間が有るとなれば、お互いを知り合える素晴らしい機会でもあります。


それは子供達にも同じで、いくら親戚といっても、日常を共にしているわけではない大人と過ごすのです。


私の夫は、子供達にも大人気なキャラクターなのですが、さすがに遊びモードと大人モードがあります。

でも子供(小学校低学年)にはそんなモードは関係ありません。




ある日の事。

夕飯をみんなで食べた後に子供達(甥姪)と遊んでいた夫が、キャビンに戻ってきました。

その夫を子供達は追っかけてきます。

キャビンにいた私は、事情が分からずに扉を開けて子供達を中に入れました。

子供達は、今まで遊んでいた鬼ごっこモード全開です。

そして夫は子供達に静かにするように交渉を始めます。

「チョコレートをあげるから」って。

女の子(5歳)はチョコレートに興味がなく交渉失敗。

男の子(5歳)はチョコレートに興味があり、2人で相談を始めます。

そこで夫は興味のある男の子に女の子を説得するように更なる交渉に当たり、子供達が静かに自分たちのキャビンに戻る事になりました。

女の子が先に出て行き、男の子も出て行く所で、夫は約束のチョコレートを渡しました。


そして、翌日からその男の子の様子が変わりました。

自主的に夕飯の支度をするお手伝いを始めたり、男の子が夫の隣に座りたがるのです。

さらには就寝前のハグもして欲しいと来るのです。


前日に、夫が子供達と遊ぶのがウンザリして「嫌だ」と言う感情表現から、自分が望む落ち着きを手に入れるまでの子供達とのやりとりで、男の子が得た信頼を、目の当たりに見て取って感じました。

交渉に持ち出したチョコレートを貰えたこと。

相手の望むことを与えること。

人の気持ちを察すること。

実際に男の子が、こんな分析的に言語表現できる意識で認識しているわけではないでしょうけれど、子供だらからとか、大人だからとか、兄弟だからといった関係性で、どのようにあるべきという姿はないのです。


疲れたら疲れたという。

やめて欲しい時はやめて欲しいという。

美味しいと感じたら、美味しいという。

どんな風に感じたかを表現してみる。



夫と子供とのやりとりを見て教えられたこと。


私たちが忘れがちな事だと思う。

気持ちや感情はとっても大事にしようね。


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