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むきだしでない、優しさ

「やばい、ふくさがない...」

大切な友人の、結婚式当日の朝。夫は申し訳なさそうにこちらを見た。
「あれ、この間わたしてたよね」
「どっかやった...」
慌てて、引き出しから自分の袱紗を取り出したが、腕組みする私。
紫だし色は大丈夫なのだが、小さなリボンがついているのだ。これを持たせるのはなんだか忍びない。この時間だと、まだロフトとか空いてないしなぁ...

と。

朱色のふろしきを取り出した。
結婚式の引き出物を戴いたとき、それを包んでいた大きめふろしき。
ご祝儀の包みかたをネットで検索し、見よう見真似で包んで見る。それっぽくなったご祝儀をわたした。

ふと、この歳になるまで、ふろしきなるものを使った、いや使えたことがなかった。でもこの日気づいたのが、「ふろしき、実は超便利なんのでは...」ということ。そういえば、鎌倉などを歩いていたら、可愛らしいふろしきや手ぬぐい屋さんがあったなーと想起して、楽天などネット通販を覗いてみた。

なんとまぁ、でてくるでてくる!
可愛い、お洒落なふろしきたち。
ポーチもいいけれど、旅のカバンの中のお供に使いこなせたり、何かプレゼントするときにさっと包めたら粋だなぁと一人で唸っていた。

生地によっても、そして絵柄によっても様々な意味を持たせることができる奥ゆかしさ。

小粋に包めるようになれたらいいなぁ。
気持ちを込めて、何かを包んで渡す、包んで運ぶ。
その、包むという行為になんとなく、
優しさとあたたかさを感じた日。

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