見出し画像

パンクしてぴえんだけど、入っていてよかったJAF。

青空が広がった。
ずっとほこりをしょっていた車を洗車したいと出かけた、まではよかったのだけど。

乗り出してすぐに、運転手である夫が突然腹痛を起こし、それなら買い物ついでにと大型量販店に寄った。

いつも通り、ここに来ると魅力的なものが沢山あるもんでつい余計なものを買ってしまうなと思う。

レシートを見たら6,000円弱。
相変わらずとんでもねー店だな!と褒めてんだか、けなしてんだかわからない言葉を吐き捨て

まぁトイレも借りれたし足りなかったものが買えた満足感でいざ、洗車場へ!
と思っていたのに、車から突然の異音。

どこどこ…どごっ…どごっ

わたしはすぐに察知した。

この車、パンクした。
だってわたし、この感覚を知っているから。自転車に乗っていた時の話しだけど。

それを夫に伝えたところ、

「いや、ここの駐車場、そういう地面だから。いつもそうやん」

「お前はバカか?」頭の中の出川哲朗が叫ぶ。

違うから一旦止め直そうかの言葉にしぶしぶバックして駐車場に入れ直し、確認したところ左前、わたし側のタイヤが見事にぺっしゃんこ。なんやねん、そういう地面て。

どこで、なにを踏んだのか心当たりはなかったけれど。何かしらを踏んでパンクしているのは事実であったので認めざるを得ない。

「うみちゃん側がパンクしたってことは、ダイエットせなあかん」

「お前はバカ…だ」何度も言わせるなって、頭の中の出川もうんざりだった。

正直な話、使ったことがないから入っている意味を見出せてなかったJAF。

高い年会費を払って、会報と一緒に届くクーポンを見てにやにやすることだけが楽しみだったJAF。

本日、記念すべき初めてお世話になる日がやってきたのだった。

大人になってしまうと「初めて」という経験が圧倒的に少なくなり日々にわくわくなんてあまりない。

とても不謹慎なことを言うと、わたしは初めてのJAFに少しわくわくしていた。

牽引される車に乗れる。
どうやって引っ張られるんだろう。

三車線の道路を逆向きに引っ張られたらジェットコースターみたいで楽しそう…

なんて、その後の展開を知らずにただ楽しみだった。

到着までには約1時間半かかるという。

幸いなことに、パンクに気付いた場所は大型量販店の駐車場。

食料も水も売っているし、トイレだってある。頻尿の悩みまで解決。
実はレジに行く直前に焼き芋を買っていたし、何にも怖くない無敵状態でJAFを待つ。

その間、半分に割った焼き芋から出る湯気と甘い匂いが不安を打ち消してくれた。
いも食ってぶー。って、小2みたいなこと言って非常事態を楽しんだ。
甘くてねっとりしていた焼き芋の味はしっかり覚えている。

怖いのは駐車料金だけ。
買い物したら2時間無料。
いつもなら余裕の2時間は、パンクしてJAFのお迎えを待つにはだいぶ足りなかった。

無料時間内から40分はみ出して、600円払った。

担当の方は到着するなり、丁寧でテキパキした対応。
ヒーローに胸をときめかせながらも、わたしはYouTubeで「JAF 牽引」で探した動画をまだ見ていた。

パンクの穴を応急処置してくれた担当の方。

後から追いかけますので、そのままディーラーまで走ってください。
途中またパンクするようであれば、処置しますとのこと。

牽引だけを楽しみにしていたわたしの夢は、音を立てて崩れてゆき、車は普通に走って行けた。

いい腕を持ったベテランの担当さんのおかげで、何ととても楽しみにしていた牽引がされなかったのだった。

結局、ディーラーでタイヤを交換することになった。車の知識のないわたしは思っていた7倍の値段を支払う。
予定外のこんなに大きな出費はどう考えても痛いけど。
またひとつ勉強なった。

待ち時間に飲んだカフェラテはちょっと苦かった。

JAFに入っててよかった理由はもうひとつある。

わたしの大好きなドムドムで会員証を見せると、バーガーのセットが100円引きになる。

やっぱり、入ってよかった!JAF。
(結局そこが一番大切)

電話対応してくれた方、担当の方、ディーラーの担当の方、不安とがっかりを打ち消す迅速で丁寧なプロのお仕事本当にありがとう。

これからもずっと、焼き芋の匂いを嗅ぐたび思い出すだろう、いも食ってぶー❌だった土曜日の午後。

全部終わって、外は真っ暗。

帰ってお風呂に浸かった時、なんだかいつもよりずっとしあわせだった。

お風呂上がりの一杯も、アルコールが気持ちよく全身を駆け抜けていった。

悲惨なことはあったけど「明日からはもやし生活だな」と言って笑えたのは、怪我もなく、タイヤが外れて転がったりして他の運転手さんに迷惑がかからなかった奇跡のおかげ。

今日も守られた気がする、運貯金の神様に。

どんな困難だって楽しんだもん勝ちなんだから。

優しくそっと背中を押していただけたら、歩んできた道がムダじゃなかったことを再確認できます。頂いたサポートは、文字にして大切にnoteの中に綴ってゆきたいと思っております。