かたまりさんが流した涙は、あの日とは違う涙。

深夜のラジオから聴こえてきた声で、出会った。
確かあれは、3年ほど前のこと。

いつも聴いている番組の、ひとつ前の時間を担当していたふたり。
たまたま、早めにradikoを起動した時にラジオをやっていることを知った。

今ほどはテレビでみることはあまりなく、わたしは彼らをまだよく知らなかった。

どんな人たちなのか、調べてみたところ
左の人が名前のイメージ通りの人だった。

それが、鈴木もぐらさん。

右の人は、かたまりさんと言うのね。
と思っていたら、彼女と別れた話で泣いて　いる。

空気階段、メモメモ…というのが
当初の印象だった。

その時、かたまりさんが彼女と別れた原因が、キングオブコントの準決勝で敗退してしまったことがきっかけとのこと。

悔し過ぎて記憶をなくすまでお酒を飲み、
同棲していた部屋をぐしゃぐしゃにしてしまい別れることになったというエピソードを話した後に

好きだったと言って嗚咽を漏らした。

その翌年から3年連続で決勝に進出し、昨年はあと一歩のところだった空気階段が昨日、ぶっちぎりで文句なしの優勝を掴んだ。

かたまりさんは、あの日と違う意味の涙を流して喜ぶ。

ファーストステージで出した486点は歴代最高得点とのこと。
生まれて来た意味がありますと言っていた。

こちらこそ、生まれてきてくれてありがとうと思ったし歴史的瞬間に出会えた気がした。

ラジオで泣いたあの日からきっと、優勝カップを手にする場面を想像しながら日々コントの腕を磨いてきたのだろう。

色々なシチュエーションのコントがあって、いつみても新鮮な気持ちで笑った。

最推しのジェラードンは、もちろんおもしろかった。
西本さんの、えりなちゃんキャラは好きなコントだったけど今年は空気階段しか勝たんの大会だった。

時代にあった優しい雰囲気をまとった芸人さんの方がほんの少し人気かもしれないこの時代に
もぐらさんは少々暑苦しめで、ものすごい寝坊をしたりギャンブルで作った借金の話とかもよくしていたけれど

それもこれも全てひっくるめて、泥臭くて人間らしくて、見た目もおじさんの妖精みたいでかわいくて。

かたまりさんは、クールと見せかけて実はアツくて。
女装姿は、女子のわたしよりきれいだし。
羨ましい美貌。すごいバランスのコンビ。

朝起きても昨日の余韻から抜け出せず、むしろ昨日よりも冷静に色々考えながら録画を見直して空気階段と一緒に泣くという素晴らしい日曜の昼下がりを送った。

ちなみに、今大会が盛り上がったのは蛙亭がトップバッターだったからなのは間違いない。

あの、中野さんが吐いたみどりのべとべとがあったからあの場の空気が出来上がった。

蛙亭も沢山のおもしろコントがあって、見始めるともっともっとおかわりがしたくなるふたりだ。

笑いを作れる方々に、心からのリスペクト。

しびれるほどにカッコいい。
日本中に笑顔を作った人たちは本当にヒーローだった。

不調と感じる日には、ひと笑いして寝るのが一番のお薬だと思っている。

あれ、違う。絶好調の日もわりと、お笑いは見ているから365日どんな時もわたしのサプリメントかもしれない。

見えないところでもきっと沢山のドラマが起こっていたキングオブコント。

今年は特に、感動をありがとうございました。

わたしもいつか、世界を変えたいと思うけど。
来世では必ず。

ね🥺