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「転住=キャンプ」地としてのローカル

 ほぼほぼメモとして、書いておきやす。

 たとえばだけど、地域おこし協力隊って、基本3年間という任期があり、よそ者が地域に入ってさまざまな事業に取り組める制度じゃないすか。

 で、「卒業しても地域にいてね」という妙なプレッシャーがあったりするわけで、正直あれめんどくさいし、関係性をややこしくしてね? と思うんですよね。

 過去データ(令和元年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果)をみてみると、任期終了後の定住率は6割で、つまり4割は転出していることになる。

 僕が考えたいのはその4割についてで、その人達について安易に「いいよね」「悪いよね」という2極のどちらかで議論したいわけでなく、「そういう選択肢もある」という事実を再考してみたいわけで。

 そもそも3年間という期間は長いのか短いのかというと、個人的見解としては、その地域で何か成し遂げたいことがあるとすれば短すぎるし、一つのローカルの形を学び、自身のスキルを高めるには十分すぎる時間だとも思う。

 言ってしまえば、その3年間を"それなりに"動いていれば、いくらでも環境は変えられるだろうし、地域に入る前と後では別人ってくらいに考えが変わっていてもおかしくはない。

 だし、ライフステージもだいぶ変わると思うのだ。3年間の地域活動を通じて、当初の想定よりもやれることが広がったり、その能力を買われて外からのヘッドハンティングがあったり、出会って落ちて結婚することになったり、それぞれあるだろう。

 地域の中で良好な関係性さえ築けれいれば、そのライフステージが変わるときに、「ポジティブな選択肢として、外に出る」という決断をしても、まわりも惜しみながらも応援してくれるだろう。

 地域でバンド活動をがんばってて、何かの拍子に「東京でメジャーデビューできるんだ!」という友人・隣人がいたら、良い気持ちで送り出すじゃないですか普通は。そんなイメージ。

 それは良い別れであるし、言っても、たまに遊びにきたりするときの「ただいま」と「おかえり」が言い合える間柄でもあるはずだ。

 とどのつまり、地域おこし協力隊の話で言えば、外に出ていく4割も「前向きな選択だったらしょうがないじゃないか」と思うのだ(まあ、実際にはケンカ別れ的な話も聞くから、内情はまちまちだろうけど...)

 で、こっからは、その4割みたいな「一定の期間はその地域にいるけど、そこが過ぎたら外に出ていく」人をより肯定してみようかと思うし、その仕組みについてメモっておきたい。

 まあ、そもそも地域おこし協力隊の制度を扱うのは自治体なわけで、税金を納める人を増やすみたいな数値を気にせざる得ないところはあるから、まず一旦そういった制度とかは抜きで考えたい。

 その前提で、たとえば「3年間うちに来てみないすか? で、3年間終わったら外に出るの問題ないんで(むしろ出ていってくれ、くらいの温度感でもいいかもしれない)」と言える仕組みがあるといいなと思いましてね。

 それは、ざっくりした言葉を使うと「転住」じゃないですか。住む場所を転々とする。そういうタイプの短い移住の連続みたいな。言ってしまえば、大学や専門学校でとある地域に一定期間いるのも転住なわけで、卒業後にその地域にいるかなんてわからない。

 でも、その期間の中での学びって大きいじゃないすか。僕は沖縄出身(しかも離島)だけど、学生から上京しての東京生活はやっぱり学びも多かったし、生活様式が違いすぎて価値観もだいぶ添削され移ろいでいった感覚もあるし、今は鳥取に住んではいるけど「ああ、東京がなかったら今の暮らしや価値観はないな」とすら思うわけです。

 だから、その地域に一定期間を暮らすという通過地としての価値ってのはあるんですよ。その価値が高まれば高まるほど、転住地としての選択肢も増えることになる(正直好きじゃないし、ハァ?っていう感じの言葉だけど「関係人口」増加には余裕でつながる)。

 それは、ある一人の人生のマラソンにおける休憩地かもしれないし、DBの精神と時の部屋のような修行地かもしれないし、まあ目的/役割もいろいろあるでしょうね。

 そして、僕自身が鳥取西部を拠点に場づくりをしてて思うのは、「転住地としてのローカルを耕していきたい」ということ。

 「移住(先は長い)」じゃなくて「転住(先はいうほど長くない)」でいいからおいでやす、と言えて、それがやりやすい暮らし(とその一部となる仕事)の環境を整えていくことだろうなぁ、と。

 うちはあくまで通過点として見てもら、それ以上でもそれ以下でもない、と。

 もちろんそれは転住してくる人たちだけが得るものがあってはいけない。むしろ元から住んでいる人たちの意識や彼らとの関係にプラスに影響するような活動のかたちを目指さなきゃね。

 「転住」ってのは、自分なりに置き換えると、ちょっと長めのキャンプっていう感じなんですよね。「キャンプ=野外で一時的な生活をすること」とあるように、必ずホームには戻る(あるいは、新たなホームに移る)という意味合いがあると思うんです。

 だから、誘い文句としては、「うちにキャンプしにこないすか?(まあ、そこそこ長いけど!笑)」という塩梅でしょうか。

 ということで、「ここに長いこと居てくれ」でなはく、「一応、期限はこれだから(逆算して動いてみてね。その次にどこにどう動くかの選択は任せるわ!!!)」というノリで、自分のうろつくローカルを耕していきたいっすね。

 とにかく、暫く忘れていたけど、もうちょい「転住」というワードを意識してみようか。なんかそういうことを整理したかったメモだったなぁこれ。そこそこ長くなっちゃった(笑)。

 あ、後は関連しそうな振り返りnoteを最後に。そんでは。

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