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国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? 国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」展遠藤麻衣+宇佐美なつ作品の感想。上野の地とストリップと日本近代のシンボリズム。そして「盆」。
近代とは、軍事による簒奪と労働搾取によって、ごく一部の人間が利益を上げる仕組みの洗練だ。科学技術にしろ文化芸術にしろ、そのための機能的目的で推奨と発展が為された。
富を蓄財する者たちは狭い身内の共通言語として、またマウント合戦ツールとして科学・芸術を用い、タニマチとなったりコレクションをかき集めた。
古代/中世から、学者や画家はパトロンの庇護に縋ってきたが、近代制度によって学校や研究機関が設けられ
「愛と勇気で踊りましょ5 -ENJOY!盆踊り-」カバーイラストのコンセプトについて。~90年代りぼんと90年代団地の盆踊り~
「愛と勇気で踊りましょ5 -ENJOY!盆踊り-」のカバーイラストは、愛知県蒲郡在住のロミ・ニシザワさん(@romi_nszw)に手掛けてもらいました。
ロミさんとは昨年11月の愛知県豊橋市での「プロジェクトFUKUSHIMA!」のイベントでお会いしました。Romiさんは運営チームのメンバーで参加されていて、ロミさんはイベントゲストの「このよのはる(@konoyonoharu_)」のライブを聴き
名古屋市千種区「gallery N」にて折原智江「生活のリハビリ」を見た。
名古屋市千種区「gallery N」にて折原智江「生活のリハビリ」を見た。
作者はご実家が煎餅屋さんだとのこと。煎餅を作る手仕事の日常風景から、手を動かすうちに何かができる、ふくよかな体験を生育と共に培った、との物語が想像つく。実際どうなのかはわからない。
作者は経歴として、大学で工芸を履修し、大学院では現代美術を専攻している。
私が鑑賞中はギャラリーの方から、制作の背景や内容についてを伺う
掛け合い歌を歌える人はなぜ歌を覚えて歌えるのか?
掛け合い歌を歌える人はなぜ歌を覚えて歌えるのか?
私は岐阜の拝殿踊りなどの掛け合い歌の行事や習俗の場に赴いたことがない。
先日に友人に誘っていただいた、岐阜揖斐地方の「灯籠まつり(ションガイナ)」が、比較的掛け合い歌行事と類似する民俗行事であると言えよう。
また家族的類似との解釈でみれば、奥三河の花祭りなどには私は複数回赴いた経験がある。
さて東京や岐阜、名古屋などでは愛好家同士でサークル活動
アートスペースProject Space haziでCharlie Donaldsonさんの展示を鑑賞
愛知県岩倉市のアートスペースProject Space haziでCharlie Donaldsonさんの展示を鑑賞した。
コラージュによる平面作品。ぱっと見では色味が様々に絵柄的な配置を調整された作品と見える。そこで用いられている素材にはところどころ、粗い写真を加工した図像が嵌め込まれている。
作者のステートメントによれば、作者自身が課した制作上の制約があり、それはコラージュで用いる画像選択
2023/12/10 踊月夜「踊り助平の忘年会 〜BONEN PARTY for CRAZY BON DANCERS〜」の感想
踊月夜さん(以下敬称略)は岐阜県美濃加茂市を拠点とする、郡上おどり/白鳥おどりを生演奏/生歌で演奏するお囃子サークルだ。愛知県や岐阜県には郡上おどりのお囃子サークルがいくつもあり、踊月夜はお囃子のクオリティに大変評判が高い。
コロナ禍が明けた今年、踊月夜はたくさんの演奏会を実施した。岐阜県内のみならず、岸野雄一さんがプロデュースした東京墨田区での民謡/盆踊りの複合イベント「すみゆめ踊行列」に
202311/24 愛知芸術劇場でAAF戯曲賞記念公演「鮭なら死んでるひよこたち」を観た直後の感想。
愛知芸術劇場でのAAF戯曲賞記念公演「鮭なら死んでるひよこたち」を観た。
殺処分を免れた雄ひよこであるカラーひよこと、産卵後に息絶える鮭がそのタイトルモチーフとなっている。
AAF戯曲賞は、戯曲を読んでから観劇するのが推奨される演劇公演で、今回の場合はもし戯曲を読まなかったとしても、タイトルを読んでその意味解説を知るだけで、どんな思考や心情を立ち上がらせた上で観劇すべきかが提示されていると思う
2023/10/8、岐阜県山県市での「秋の踊り会&2023年下駄供養」で踊ってきた。
2023/10/8、岐阜県山県市での「秋の踊り会&2023年下駄供養」で踊ってきた。
この踊り会は、郡上おどり・白鳥おどりを歌とお囃子にあわせて踊り、また白鳥等の拝殿での踊りを、参加者同士が歌を掛け合いながら踊るのをメインとした踊り会だ。とは言えそれのみならず、合間合間では録音音源でも踊る。
岐阜や愛知の盆踊り愛好者界隈は、郡上おどり・白鳥おどり、拝殿踊り等が好きだという人と、録音の盆踊りが好
永平寺、加賀温泉、金沢、五箇山 白山麓を廻った旅日記
2023/10/14、コロナ禍で先延ばしとなっていた祖母の納骨のため、私と母、おば、おじの四人で福井県の曹洞宗大本山永平寺を参った。
コロナ禍の社会制限が緩やかムードとなってきたところで、長らく手付かずだった祖父母が暮らした豊川市の家屋の家財整理を、今年の春先から親族一同(主としておばとおじ)で進めた。その流れから親族間でのやりとりも増え、祖母の納骨のお参りも今年に実施しようとの運びとなった。
江州音頭、尾張万歳、ダウンタウン、ランジャタイ国崎についての雑感
コロナ渦以前の人数と熱狂で多くの踊り好きが踊り明かした2023年の錦糸町河内音頭1日目で、すずめのティアーズのポリフォニーハモリ歌唱と久下惠生のジャズドラムのセッションによる江州音頭を聴いて踊り、私の体がスパークした。
このセッションは他の音頭取りが歌う江州音頭に比べて私の体が圧倒的に呼応した。すずめのティアーズの極めてテクニカルなハモリ歌唱、久下惠生の熟達のドラミングが裏打たす気持ちよさで、音
ダンシングヒーロー盆踊りの「ヘイヘイヘイヘイ」の部分について。
名古屋市中川区の荒子観音・もちの木公園盆踊りでは、ひとりずば抜けてダンススキルの高い高校生(または大学生)くらいの少年が踊りの輪の最前にいて、その少年が仲間を引き連れて踊り、そのうねりが踊り全体を引っ張っていた。アップテンポな曲だらけのこの会場で少年はどの曲もすさまじいリズム感で踊り、特に白眉だったのが、ダンシングヒーローの「ヘイヘイヘイヘイ」のところ。
3回目のヘイのところで屈んで4回目のヘイ
盆踊り歌詞の意味をどのように感受しているかはどうでしょう
「盆オドラー」という呼称が、私個人のワードセンスでバッドセンスに感じられ苦手だ。けれど言葉はアレンジが加わり再生産されるもの。SNSを見ると「盆オドラー」→「オドラー」→「ラー」→ 「ラー様」と転じているのを見かける。私は「オドラー」「ラー」まで好きじゃないが、「ラー様」はけっこう好き。元がダサくともアレンジでセンスが高まる改良と工夫の醍醐味だ。
「盆オドラー」という呼称の好き嫌いを思案したとこ
2023/7/23 第11回高島おどり 雑感
滋賀県高島市、近江今津駅前で催された、第11回高島おどりへ行ってきた。
岐阜県の郡上・白鳥おどり、徳山・根尾の盆踊り等を愛する方々、また関西の江州・河内音頭等を愛する方々、それら双方の踊り好きが高島おどりに注目しているのを、私は体験者から直接話を伺ったり、SNS等で以前より拝見していた。いつか訪ねたいと内に潜めていたがこのたび念願叶い、パートナーと共に現地へ伺うことができた。
高島おどりのこと
コラム/エッセイZINE「愛と勇気で踊りましょ」シリーズ一覧
私、田中瑞穂が盆踊りを軸に、色んな文化を見聞した記録であるコラム/エッセイZINEシリーズ。
2017年~2022年にかけて4冊刊行しています。詳細は各リンク先の販売ページをご覧ください。
愛と勇気で踊りましょ -名古屋の盆踊り 源流と継承-
https://mizuhotanaca.booth.pm/items/2482729
愛と勇気で踊りましょ2 - 踊り、祭り、歴史 -
https
「ケルベロス・セオリー」の展示を反芻するほどに、私自身が家父長制的価値観に気持ちよく浸ってきた奥底の悪が引っ張り出された。
「ケルベロス・セオリー」の展示を反芻するほどに、私自身が家父長制的価値観に気持ちよく浸ってきた奥底の悪が引っ張り出された。
「ケルベロス・セオリー」というアーティストコレクティヴによる展示会&イベントが名古屋の「See Saw gallery + hibit」にて催された。彼女たちの展示&イベントはこれまで名古屋にて、「spazio rita」「Minatomachi Art Table」で開催