見出し画像

ハードワーカーこそが観るべき美術展

「疲れたビジネスマンのために作品を作りたい」

フランスの画家アンリ・マティスの言葉。
睡蓮の連作、印象派画家として日本で大人気のクロード・モネも同じような言葉を残していたそう。
現在、「モネとマティスもうひとつの楽園」が箱根のポーラ美術館で開催中だ。

これは、ハードワークなビジネスマン必見なのでは…。


画像6


2人の作家それぞれが生み出した楽園、モネの庭とマティスの部屋を紹介しながらの企画展。


画像3

画像4


マティスはビビットな切り絵作品のイメージが強いけれど、私は油彩画もすごく好き。
布フェチで家具も好きで、自分で作った衣装(高品質!)をモデルに着せて描いていり、背景にお気に入りの布や家具配置したり、作品をタペストリーにしたいと依頼されれば「出来上がったの1枚くれるなら良いよん」って引き受けたり、フェチの可愛さ炸裂なところもたまらない。

それから、浮世絵をはじめとした日本のものにもインスパイアされた作家のモネ 。歌川広重の作品を元に描いた作品が残っていたり、自分の庭に太鼓橋かけたりしてる人だけど、庭が完全にコントロールされた空間(睡蓮の位置が変わらないように庭師は細心の注意を払って手入れしていたそう)で、日本の感性(割と無為性を重んじる)とその部分においては対照的なのがすごく興味深かった。

そこがマリアージュしてモネならではの世界が生まれているんだなぁと。文化が混じり合って作家の中で昇華されたもののオリジナリティを見た気がした。

ちなみに、会場となってる箱根のポーラ美術館は、コンクリートとガラス張りの建物と森のような庭が魅力の場所で好きなのですが、カフェやレストランもしゅてきです。

画像5

画像2

モネの睡蓮モチーフのティーカップでお茶が飲めて、企画展に合わせたデザートやランチコースをいただける(美味しい)ので、お腹を空かせて行くのも吉にゃり。

画像2


月に一度の恒例行事となった、家族で美術館遠征。
そんなわけで10月は箱根に行ってきたのでした。


_______

モネとマティスもうひとつの楽園
https://www.polamuseum.or.jp/sp/monet_matisse/
(11/3まで!!ギリギリの紹介で恐縮です…)

開催概要
19世紀から20世紀にかけて、急速な近代化や度重なる戦争などの混乱した社会状況のなか、「ここではないどこか」への憧れが、文学や美術のなかに表れます。なかでもクロード・モネ(1840-1926)とアンリ・マティス(1869-1954)は、庭や室内の空間を自らの思うままに構成し、現実世界のなかにいわば人工的な「楽園」を創り出した点において、深く通じ合う芸術家であると言えます。
モネは19世紀末、近代化するパリを離れ、ジヴェルニーに終の住処を構えます。邸宅の庭で植物を育て、池を造成し、理想の庭を造りあげたモネは、そこに日々暮らしながら、睡蓮を主題とした連作を制作しました。南仏に居を構えたマティスもまた、テキスタイルや調度品を自在に組み合わせ、室内を演劇の舞台さながらに飾り立てて描きました。こうしたモティーフは、南仏の光とともにマティスのアトリエと作品を彩ったのです。
モネの庭と、マティスの室内。彼らの「楽園」は、欠くことのできない主題であると同時に、制作の場であり、生きる環境でもありました。本展覧会では、ふたりの芸術家がいかにして「楽園」を創り上げ、作品へと昇華させていったのかを検証します。
________

みどころ01
印象派の画家モネとフォーヴィスムの画家マティス。ふたりの巨匠に焦点をあてた初の展覧会。

みどころ02
海外7カ所、国内21か所から、モネとマティスの名品が集結。その数、約80点。

みどころ03
2020年はモネの生誕180周年。この記念年に《睡蓮》の連作を展示!

みどころ04
世界で初めて《リュート》の油彩画、タペストリー、ドレスが揃う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?