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イマココ⑤ そして、夫になる

 人生にはふたつの選択肢がある。
その状況を受け入れるのか、
状況を変えるための責任を受け入れるのか。
デニス・ウエイトリー

育休中にほぼ100記事!自分できんのか?エピソード⑨


何のために育休を取ったの?

先日,妻から言われた一言である。

私の育休ライフ開始1か月と経たない内に

最初の一歩を大きく踏み外したのである。


妻とは出産を機にひとつ屋根の下での共同生活を始めた。

結婚4周年目にして。

大学からの付き合いになるので,交際を含めると8年目にして同棲に至るわけである。

これまでの生活では,結婚をしたという実感を得られる機会はほとんどなかった。

婚約指輪も

結婚指輪も買った。

妻の実家に挨拶にも伺った。

娘をくださいの決め台詞は墓まで持っていこう(笑)

婚姻届も一緒に出した。

結婚式も後楽園で行った。

新婚旅行 in NYも昨年行ったのに

結婚したという実感が無いに等しい。


きっと人生の基盤にある日常に変化がないからだ。

打ち上げ花火では,灯し続けられないのだ。


今思えば,私はこの環境に甘えていた。

結婚という契りを交わし,遠く離れて暮らしていた妻と固い絆で結ばれているような気になっていた。

週末は釣りだの

研修だの

自分がやりたいことを詰め込んだ。

会える日は2人で確認して,
その他の日は,私の独断で勝手に会えない日と設定していた。

そこに私から妻への相談はほとんどなかった。

私の主軸はあくまで私。


家族という概念がそこにはまだ僕には形成されるまでの2人の日常の積み重ねはなかった。

いや。

私が積み重ねられずにきたのだ。

そのせいで

育休中にやりたいことが溢れ過ぎてしまったときも(今も溢れてはいる笑)

ギターや本に映画,釣り

極め付けのzoom

によって

妻を不安にさせてしまう。

そしてその不安が募りあのセリフを頂戴する。

何のために育休を取ったの?

即答できなかった。


初めて我が家がひとつ屋根の下での生活がスタートしたというのに。


次の日の朝,私の気持ちを

整理し伝えた。


まずは自分の目や手が十分に届くところから,そして自分から変えていこう。

雑談していこう。相談していこう。


私は家庭の地続きが社会であることを忘れていた。

家庭の充実なくして,真の社会での充実はあり得ない。


やりたいことをやる。これからも

その中に

妻と子どももいる。

そう妻に感じてもらえる状態を目指していきたい。

そこに序列をつけるようなことはできない。

今後家庭か仕事かなどという葛藤に

しかし私には,相談することができる。

安心基地である家庭があるのだからきっと大丈夫だ。

きっと。

家族になろうよ。


最終電車やバスで名寄⇄札幌を往復していたっけなあ。

寒空の下 暗がりの街 君と僕と二人は ただ歩いた 
言いかけた言葉 夜空に消える ため息ばかりの君を映す窓ガラス 

冷えた君の白い手を僕のポケットにしまいこむ 
澄み切った冬の空から降りてくる微睡 

パノラマ街の中にすべりこみ ネオンライトが消えてく 

最終列車がプラットホームから遠ざかってゆく 
二人を残して 夜を沈める警笛が鳴り響いた 
手をつないで星空を見上げれば 君と二人きりの夜間飛行

初心忘れるべからず。

そして今,私は妻と向き合い初めて夫となった。

結婚4年目にして。

今回もお読みいただきありがとうございます。

ギブアンドギブへ。これからご一緒させてください。