向日葵みたいなピーチパイ
桃が旬である。
毎日ほんとうに暑く、へなへなと冷房のきいたスーパーへ入ると目に入る桃。
淡いまるまる達に思わず吸い寄せられる。白いフルーツキャップにくるまれ、表面のうぶ毛。真上からじーっと見下ろす。ああ。
なんだか粗末な扱いはできなあ。いい子、いい子とそーっとカゴへ入れる。果物は無条件に自分の中の優しさを救ってくれるな。
桃で思い出すのは、小学生の頃に読んだ漫画に出てくるおばあちゃんのピーチパイ。
このお料理漫画の2巻で登場する、おばあちゃんのピーチパイが特に印象に残っている。
主人公の友人が、幼少期におばあちゃんに作ってもらったピーチパイ。このピーチパイを再現するために試行錯誤するのだけれど、最終的にたどり着いたレシピは、パイシートと桃の缶詰を使った簡単レシピ。
それは、お腹のすいた孫に早く食べさせてあげたかったおばあちゃんの気持ちで、手の込んだものだけが美味しいのではない、というのと、思い出の味が私にも欲しいなと思ったのを覚えている。
当時はパイなんて難しいお菓子だと思っていたけれど、今だったら作れるかもしれないと思ったのであった。
小学生の私よ、今に見たまえ。私はここまで大きくなったのだ。
パイはムラヨシマサユキさんの練りパイを採用。パイシートは使ったことがあるので、新規開拓です。ふん!
レシピを見て、粉とバターを混ぜるならできそうだなあと思ったの、すごく成長。生地は休ませるので、休日の前日、生地をえっこら仕込む。
そして、休日当日。
漫画のレシピでは、パイと桃だけなのだけど、小学生の私から立派に成人へと成長した私バージョンのため、カスタードを炊いちゃう。えっへん!
パイの底にひいて、上にピーチをのせちゃうのだな~。くう。ピーチのみずみずしさとカスタードの甘み…絶対に美味しい…
カスタードレシピは、これまたムラヨシマサユキさんのシュークリームレシピから。
カスタードがダマダマというより、鍋の周りに固まった子がいて、それをぐるっと混ぜてしまうと、これ舌触りよくないよなあ、次回改善だなあと思っていた矢先、noteのみちさん…
炊く前にも濾すけれど、そうか、最後も裏漉しすればよいのね…!(たぶんそういうことですよね…?)いつもお勉強になります…!
冒頭に生桃の描写しといてなんなんですが、桃缶です。ピーチパイのレシピをいろいろ調べても、缶詰を使うレシピが多くて、これは生だとなんらかの弊害が…?と缶詰を選択。(生桃はそのまま食しました)
そして、生フルーツの取り扱いはまだまだぴよぴよなので、極めていきたい所存。粉と一緒でいろいろと触ってゆくと扱い方わかるものなのかしら。
桃缶はグラニュー糖・レモン汁と一緒に水気が飛ぶまで煮詰める。ぴかぴかが可愛いね。
急冷プッチンしたカスタードをぐるぐるして、いざ合体。
前日仕込んだパイ生地を二等分して、伸ばして、型に入れる。クッキー生地と一緒で、一度生地をこねこねしてから伸ばすのがよかった。
ちょっとぼろぼろな見栄え・・・でも焼いたら案外大丈夫だったので、そこまで神経質にならなくても良いのかも。
カスタードと桃、さらにパイを重ねて、切り込みを入れる。たまご塗り塗りもお忘れなく。200度で35分、残り5分はアルミをかぶせて。
わ~ピーチパイが焼けたよ〜
パイ生地がベタついていて、これ、型から外せなくなるやつ…?とどきどきしてた(最悪ホールケーキごと食べるように型をほじほじしながら食べようと思ってた)けど、パイ生地は思ったより縮むことが実証された。
上生地と下生地が離れてしまって、なんだかパイの帽子被せたみたいになってしもうた。
アツアツは、カスタードとろりで、あちち!しながら食す。落ち着いてくると、カスタードが固まってきて、パン切り包丁がパイをぼろぼろにせずいい感じでした。妹、絶賛。わーい!
パイ、サクサクにできて、"みみ"好きにはたまらん。桃とカスタードコンビも最高ね。これを機に、漫画を全巻電子で買い、読みふけるオトナ。お菓子作りなんだかんだずっと興味あったんだなぁ。
パイ生地極めたら、四季折々の果物で作れそう。そして、私の果物へのスキルも上がってゆく…夏の旬は、パイナップルに杏、イチジクや巨峰・・・ふふ、そう考えると、もう少し暑い夏が楽しめそうな予感がするな。
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