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「書く習慣」一カ月チャレンジ【 十三日目 】好きな休日の過ごしかた

遠慮なしに、空気を読まず、毎朝毎朝、野球ボールで窓ガラスを割られた雷オヤジのように、がなりたてる目覚まし時計をセットしない。ケータイも切っておく。睡眠を妨げるものを一切合切、布団の回りから駆逐しておく。

すこし眼が覚めても、翌日の酒がまだ残っているはずなので、すこし眼をとじるだけで、20分か30分ほど一瞬でワープする。そのワープを何度か繰り返すことで、脳と眼、心臓が覚醒してくる。あくまで休日は自発的に、己の気分で起き上がりたい。だれかに起こされるなんて、まっぴら御免ダ。

そうはいかん、ツライご時世ではありますが。

覚醒したあとは、うつらうつらと今日は何をしようか、何をしたいかを考える。したいことだけをしてすごす休日。これが至高にして究極的に怠惰な好きな休日の過ごしかたダ、と小生は声を大にして、地球のハシッコで叫ぶ。

本を読もうか、朝シャワーをあびよか、歯磨きはしたいことじゃないな、しなければならないことだし、メンドくさいことはしたくないな。朝ごはんも二日酔だから食べなくていいか、昼ごはんは何を食べようか、うどんにしよか蕎麦にしよか、カップ焼そばにしよか、たこ焼きでビールを飲むのもいいな。たこ焼きを焼いてるあいだ、ヒマだから読む本はどれにしようか。昼から読むのであれば、軽いのがいいな『 木曜日にココアを 』『 和菓子のアン 』あたりがいいか、はたまたコッテリめの『  ロマネ・コンティ・一九三五年 』もいいな。昼食をビールで流しこんだあとは、キンキンに冷えた、アルコール度数が強めのカクテルを飲みたいな。ジンやウォッカは昼というよりも、夜な感じがするな。であるのであればラムやテキーラということになってくる。何を飲みたいのか、心の奥底の鎮座いたしますヴァッカス様に呼びかける。氷を粉々に砕き、ラムとライムのフローズンダイキリがいいな。よし、そうしよう。フローズンダイキリが好きだったヘミングウェイをデッキチェアーで読みながら、フローズンダイキリ飲もか。ボキボキとした文体で書かれた老人と海の戦いを読み、老人のように疲れてきたら、そのまま昼寝をしようか。黒い大きい鳥さんたちが一斉に住み家にかえりだしたら、湯船につかろか。カラスの行水でなく、ゆっくり長く湯船につかろうかい、塩なんてちょっぴりいれちゃって。湯舟からあがったら、なるべく生まれたままの姿で行動したいよね?ね?赤い鯛と竹竿をもってる瓶ビールの栓をぽんっとあける。瓶ビールと一緒に冷やしておいたグラスに琥珀色の液体を注ぎいれる。一気通貫に琥珀色の液体を口、ノド、胃に流しこむ。冷蔵庫にのこっている調理せずに食べることができるオツマミや料理を机にかたっぱしから並べ、ビールにはじまり、冷たくどすんと濃厚なアルコールをかたっぱしから飲み、なんか笑える映画かアニメでも見よか。飲んで、食べて、徐々に飲むアルコールが強くなり、あとは野となれ矢となれ、そのまま布団に倒れこめ。

よっし、起きるか。


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