愛の教え：仏教が教えてくれる慈悲の心

【現代社会における愛の渇望と、その歪み】

「愛されたい」「誰かを愛したい」…私たちは、愛を求め、愛に傷つき、愛に生きる存在です。しかし、現代社会では、愛の形が複雑化し、「本当の愛とは何か」という問いが深まっています。

SNSでの繋がりは広がる一方で、孤独を感じる人が増え、愛を求めるあまりに依存や束縛に陥るケースも少なくありません。

仏教は、2500年以上前から「愛」の本質を見つめ、私たちに「慈悲」の心を通して、真の愛の在り方を教えてくれます。

【仏教における愛の概念：「慈悲」】

仏教では、愛を「慈悲」という言葉で表します。慈悲とは、

• 慈（じ）： 他の存在が楽であるように願う心。

• 悲（ひ）： 他の存在が苦しみから解放されるように願う心。

この二つが合わさったものが慈悲です。

慈悲は、見返りを求めない無償の愛であり、自分自身だけでなく、すべての生きとし生けるものへの愛を意味します。