見出し画像

コショウ入りクリームシチュー

先日、娘の誕生日に義母を招いた。
本当は義父も来てほしかったけど、義両親は不仲で義母はいつも義父に黙って来る。今回も義父に内緒で来たらしい。

アスペルガー症候群の特性が顕著な義母は、いつも大量の荷物をスーツケースに詰めてやってくる。だけど今回はカバン1つでやってきた。
私は内心すごい!!と感動していた。いつも賞味期限切れの食材などを大量に詰めたスーツケースを引っ張ってやってくるのだ(片道1時間)。

義母には「相手の気持ち・状況を想像する」ことや、「言って良いことと悪いこと」の判断ができない。それが原因で対人トラブルになることも多いし、私達も毎回振り回されてきた。私たちからすれば暴言を吐かれることもたくさんあったのだけど、本人的には暴言という自覚は全くなく「思ったことをパッと口に出してしまうだけ」なのだ。本来なら専門家に入ってもらわないと問題が山積みな人なのだけど、本人も70歳ということもあり介入は難しい。ちなみに私自身の主治医には「あなたとあなたの家族の健康が最優先。関わるな」と釘をさされている。

ただ、義母は今回も手作りのおかずを持ってきていた。やって来てかなり時間が経って油断していたところに「クリームシチュー」が投入された(夕飯は出前をとるとは事前に連絡済み)。
義母としては妊娠後期である私を気遣ってくれたのかもしれないと思い、お礼を言って受け取った(常温で持ってきたのが気になるところだったのだけど…)。義母の作る手料理は味が濃すぎるか辛すぎるかで私はいつも食べることができないのだけど、クリームシチューなのもあって今回は完全に油断していた。

結局翌日の夕飯にクリームシチューを温めて食べることになったのだけれど、ひとくち食べて…辛くて食べられない。クリームシチューなのに辛い、なぜ?!と軽くパニックになりながら味の原因を考えると…コショウがかなり入れられているのだと気がついた。

正直、クリームシチューにコショウを入れるのは考えたことも聞いたこともなかった。調べたらそういう嗜好の人もいるようだったけれど、香り付けに入れるレベルははるかに超えていた。たしかに何にでもコショウを入れる人ではあったけど、まさかクリームシチューにも…?発想がなかった。
私と娘は辛くて当然食べることができない。夫はひとくち食べて「なんだこれ!コショウ?!」と口を押さえていたものの、一応完食した。そのあとで「前もこんなことがあって食べられなかったことあったよね…」と言っていた。言われてみればそんなこともあったかもしれない。

そんな出来事があって、なんだか無性に悲しくなって涙が出てきた。関わってはいけないと分かっているのに、どうしても自分から関わろうとしてしまう。期待しないように気をつけているのに、心の底では義母になんらかの期待をしてしまっているのかもしれない。もしかしたら義母にというより、「いつかは、わかりあえることがあるかもしれない」という期待が私自身にあるのかもしれない。
だけどコショウが大量に入ったクリームシチューを前に、そんなことは起こらない夢物語なのだと現実を突きつけられた気持ちになって涙が出たのかもしれない。

分かり合えない義母、義実家のゴミ屋敷状態など問題が山積みすぎて正直途方に暮れてしまう。
だけど忘れてはいけないのは、私が最優先にすべきは我々家族と自分自身の生活と健康なのだ。

いただいたサポートは押し花くらぶの軍資金にさせていただきます(⋈◍>◡<◍)。✧♡