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段ボール

 信号待ちをしていると隣にバイクが止まった。バイクの後ろの荷台に、ダンボールが2つほど乗せてあった。スナック菓子の商品名が書かれているケースがあって、買い物でもらってきたものを使っているのだなと思った。
 買い物に行くと、買い物カゴにそのまま移し替えて帰る人をよく見る。私はいまだエコバッグなので、時間はかかるが荷物台で商品を移し替えている。たくさん購入したものがあると、段ボールをもらって入れることもある。適当な大きさのものがあると、気分もいい。
 祖母は、自転車に乗って買い物に行き、大きい段ボールに買ったものを詰め込んできた。どれだけお得な買い物ができたか、と子供の頃よく聞いた。買い物をしたあと、物を詰めるのは簡単なようで難しい。ただ、物を入れる時間は必要ないと思う人もいるだろうが、私にとっては必要な時間だ。大体買い物をするのは仕事帰り、いつもの店に寄って買い物をし、帰ったら夜ご飯を早く作らないといけない。少しの空白の時間。今日あったこと、これからやらなければいけないこと、この先の予定など。祖母も、買い物の時間はたくさんの事を考えていたのだろうと思う。
 段ボールの話になるが、最初はある商品を入れる目的で作られるが、その後はどういう形で利用されるか、どこでどうやって使われるか、予測できない。使い終わったらすぐ解体されるものもあるだろう。長く使われるものもあるだろう。そう思うと、ある物の「一生」は面白いと思う。

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