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「The Shower」と、鏡

 藤井風くんが、Instagramのストーリーでくれた「もし自分がキュートに見えるのなら、あなたがキュートだから。自分はただの鏡」という内容のメッセージ。「自分のしたことは、自分に返ってくる」ということを聞いたことはあったけど、この話を耳にするときは、たいてい良くないことが自分に起こった時。風くんの表現に、うれしくなった。
 「鏡」で思ったことがある。
 星野源くんの「The Shower」という、好きな曲がある。歌詞が印象的で、鏡を見て私はいつまでもこのままでいるのか不安に思ったり、本当の私を誰も知らないと思ったりしている内容。多感な年代に感じたような敏感な心情が歌われていて、いいなと思う。この歌詞の中で、鏡がでてくる。
 「わたし」が鏡をじっと眺めて、「かがみのなかのきみは どのわたし」と問いかける。ここで出てくる鏡は、ありのままの今の私の姿をうつすもの。
 中学生くらいの時、自分だけの世界にいて、自分は一体何者なのか、他人からどんな風に見えているのか気になって、部屋で鏡を見ていた自分を思い出す。私は写真にうつったり鏡を見るのが苦手だ。でも、鏡にうつる自分は気になる存在ではある。笑った時はどんな風になって、怒ったり泣きそうになったときは、こんな風になって、と一人で確認していた。じっと見つめると、最初は顔を見ていたのが、どうして自分は今こんなことをしているのだろう、何を見ているんだろう、とぼんやりしてくる。
 次に「てのひらみつめるのは どのわたし」と歌詞は続く。鏡で確認していた自分の姿と、自分の体を見て、同じ「わたし」のものと自分で確認しているようだ。
 この曲のタイトルは鏡にちなんだものでも、しっくりくるなあと思いつつ、曲を聴いている。


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