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エッセイ㊽ 『鍬(くわ)を手にした俺』

どうも、シンスケです!

九州地方を絶讃通過中の台風10号。この辺一帯も、いつ停電になるかと心配しながらの執筆でございます。

「台風一過」という言葉があります。最近まで「台風一家」と本気で思って過ごしていましたが、改めて意味を調べてみると納得。

それはさておき、台風一過後には楽しみにしている事があります。

それは家庭菜園です。

新居には、猫の額ほどの広さではございますが、畑があります。引っ越した当初は、畑に草がボーボー生い茂り、土もカッチカチでした。

この乾燥しきったカッサカサのオジサンの踵のような硬い土を、どうしたらいいもんか?と試行錯誤しました。

まず始めに、草むしりから行いました。鼻先を蚊に刺されてトナカイの鼻になりながらも、半日かけてむしり終えました。梅雨前のまだ涼しさも残るような気候だった為、作業は容易いものです。

次に、この硬い土を掘り返してみようと思います。しかし、何も農機具なんて持ち合わせていません。とっさに、玄関先にあった100均の花柄が描かれた可愛いスコップを手に取り、硬い土に挑みます。

※エンカウント

(おんどりゃーーーーーーーーーっ)

シンスケの こうげき !
ミス!

硬い土に ダメージを あたえられない!

ボキッ!

ぐふっ

バタッ

(・・・へんじがない。 ただの しかばねのようだ)

これでは魔王にヒノキの棒で立ち向かうようなものです。スコップの柄ごと折れてしまいました。

「しまったなぁ。どうしよう」

美味しい野菜を育てるには、まずは「土づくり」からと書かれていました。夏前には、土を掘り起こして秋を迎えたいと考えています。そこで近所のホームセンターに行ってみる事にしました。

普段踏み入れる事のない農業コーナーに入ってみます。

草刈り機や、何に使うのか用途不明のデッカイ杭などがある中、鍬を発見致しました。

値段を見ると5,980円。

「結構なお値段で」と思う傍、同時に「まさか自分が人生で鍬を買うなんて」と不思議な感情に陥りながら、レジに持っていきました。

畑に戻ると「天空の剣」でも手にしたかのように、意気揚々と早速リベンジ。

※エンカウント

(おんどりゃーーーーーーーーーっ)

シンスケの こうげき !

(ズバババババッ)

かいしんのいちげき!

硬い土に 999のダメージ!

硬い土をたおした。

(おっと、硬い土が何かを落としていったようだ。)

シンスケは『柔らかい土』を手に入れた。

秋先の楽しみが一つ増えました。

ーーーおわり

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