見出し画像

【エッセイ】さいかい丼に魅了されて 2023

どうもシンスケです!

今日は仕事が休みでした。おまけに、平日で嫁や子供達も出払っており自宅には誰もいません。そこで私は、以前から密かに計画を立てていた「あること」を実行したのです。

          ✢

 11月上旬、とある昼下がりの午後。仕事の休憩中にデスクの上におもむろに置かれていたのは、さいかい丼フェアのパンフレット。

西海市では毎年10月1日〜11月30日に「さいかい丼フェア」というものが開催されております。


色んなお店のこだわりぬいたオリジナルの海鮮丼が掲載されております。
それを手に取り、今年は何処のお店の海鮮丼を食べようかな?と楽しみにページをパラパラとめくっていました。
しかし、そこで私の目に留まったのは、とれたて新鮮な「海鮮丼」では無く、モリモリとフルーツが盛られた「スイーツ丼」でした。

SOYという言葉に謎の安心感があります(笑)

なるほど、

西海市にあるフレージュ近藤さんから販売されている「SOYカステラ丼」・・・。



おいおい!めちゃくちゃ旨そうじゃねーか!!





すると、何処からともなく声が聞こえてきます。


(大豆のカステラ丼?どんな味がするのでしょうか!?)

(甘さ控えめだからヘルシーでバクバク食えるんじゃないのかしら!?)

(1日10杯限定らしいです。あなた、限定という言葉が大好きよね!?)


私の中の最大派閥である甘党の皆さんが耳元でまくし立てます。

ゴクリ・・・

しかし、野党も黙っていません。

(子供達に内緒でこんな美味しそうなものを食べようとしているの!?)

(38歳のおじさんが一人どのツラさげてケーキ屋さんに入るのかしら!?)

(そもそもあなた、今トレーニング中よね!?)


そうです。反対勢力であるダイエッ党の皆さんです。


両者一歩も譲りません。段々ヒートアップしていく議論は場外乱闘にまで発展しました。
しかし、最後に勝負を決定づけたのは、甘党である糖質さんの一撃です。
彼の助走をつけて放たれたラリアットは、ダイエット党の皆さんをドミノ倒しのように蹴散らしました。その後のたたみ掛けるようなムーンサルトプレスはまさに圧巻です。

(いや、最後は力技かい・・・)

カンカンカーン


私は誓った。
今度の休日に絶対、この「SOYカステラ丼」を食べよう!


タイトル
『愛のままにわがままに、僕は「SOYカステラ丼」を食べるんだ 秋 〜ざけんなよ〜』


※そうです「〜ざけんなよ〜」はキッズ・ウォーから拝借しております。


しかし・・・

家族に内緒でただただ欲望のまま食べるだけならば後ろめたい気持ちがあります。

(夕飯前のテーブルにお菓子を取り分けて大事そうに一つ一つ食べる子供達を見ながら)

心の声「今日お父さんは、あんな美味いものを一人ワイルドに食べたんだよ」

(子供達が食べ残した夕飯の野菜炒めを箸でかき集め、米をかっ食う嫁を尻目に)

心の声「今日俺は、あんな美味いものをお前の顔を想いながら何ふり構わず食べたんだ」

(お椀にエサが無くなり、都合がいい時にだけ甘えて来る猫を撫でながら)

心の声「今日俺は、お前がたま~に嫁の機嫌がいい時にだけ食べれるチュールみたいな御馳走をたらふく食べたんだ」


・・・これは良くない。何か良い方法は無いものか・・・

私は考えました。

そうだ!
ここは1日の計画をしっかりと立て目標達成のご褒美として美味しく頂こう!
そうすれば、この後ろめたい罪悪感も払拭されるというものだ。

そこで私は最近サボりぎみになっていた3つの目標を立てる事にしました。

①5キロのウォーキングをする
②1時間の筋トレをする
③noteに1記事書く

です。

          ✢

 迎えた当日の朝。嫁が慌ただしく子供達と一緒に玄関を出ていく中、私は鼻の穴を広げながら笑顔で見送ります。

バタン

さぁ始まりました!まずは5キロのウォーキングです。以前は5キロのランニングをやっていたのですが、中々習慣にする事が容易ではありませんでした。
そこでウォーキングに切り替えた所、割と気持ち良く継続する事が出来ています。今は大好きな音楽やラジオをボーっと聞くのに丁度良いです。

しかし、今日はひと味違います。

今なら大好物のニンジンを目の前に吊るされ、死にものぐるいで走る馬の気持ちが分かります!

普段より腕の振り幅は、もちろん倍の倍です。

次っ!

自宅に到着するなりスマホを握りたい気持ちをぐっと堪えて、ダンベルを握ります。最近は20キロのダンベルを扱う事にも慣れてきました。
私の筋トレの目標はベンチプレス100キロを挙げる事です。(今年の目標に掲げていましたが、まだちょっと無理そうです 涙)

1回2回3回・・・7回大体この辺りで挫けそうになります。駄目だっ、クッソ・・・。腕がプルプル震えだしてもう体力も限界に近づきます。

(挫けるな俺!この後、プロテインよりも甘くで美味しいものが食べれるぞ!!)

ファイトォ、イッパァーーーツ!(はい、ここで世代がバレました)

ご褒美を与えられたら、頑張れるのが人間です。

もう無理。限界。からのあと1回が筋肉増加に繋がる事を知っているので、モチベーションも上がるというものです。

次っ!

最後は「noteに1記事書く」です。

ここ最近はアイデアが思いつかず、中々面白い文章を書けずにいました。でも、今日は違います。
まさに今起きているこのノンフィクションを余すことなくお届けする事が出来そうです!

noteに書かれている皆さんの記事を読んでいると、知的な言葉や面白い表現など思わずうなるような文章が沢山あります。私にはまだまだ秀逸な文章は書くことが出来ません。
しかし、何気ない日常をクスッと笑ってもらえて、気が付けば最後まで読み終わっていたという文章が書けたら最高だなと思っています。

(はっ、いけない。気持ちよく語っている内にもうお昼になっている)

午後に続く

          ✢

 昼飯を食べ終え、心地よい疲労感と久しぶりの充実感。それに満足したのか、私としたことが呑気に昼寝などをしていました。
バッチリと準備をしていたアラームを止めて目覚めた後、ご褒美であるケーキ屋さんへと車を走らせました。

ケーキ屋さんに到着するなり、私は心躍らせながらお店の扉を開きます。すると店員さんが出迎えてくれました。
「目標達成出来たんだね!おめでとう♪」
そう聞こえたような気がしましたが、もちろん私の勘違いです。

「いらっしゃいませ♪」気持ちのいいあいさつで出迎えて来てくれます。

バターや砂糖が焼かれたとても良い香りがする店内に入ると、早速待ち焦がれていたお目当てのアレとのご対面です!

ガラスのショーケースに陳列されたらアレは、想像していたよりもボリュームがあり、パンフレットの写真で見るよりも遥かに色鮮やかでした。

私は思わずショーケースに飾られたトランペットに目を輝かせている少年のように見つめます。

そして店員さんに言いました

「SOYカステラ丼を1つ下さい」

そう言うと店員さんは笑顔で応えてくれました。

「ありがとうございます。ご家族にでしょうか?スプーンは何個必要ですか?保冷剤おつけしときますね」 

この後この量を一人で食べるんだぜ〜、ワイルドだろ〜?なんて言える訳もなく「はい、ありがとうございます」と袋を手にしてお店を後にしたのです。

       
          ✢

 ご褒美を手にした私は、せっかくの御馳走なのだからお気に入りのロケーションで食べようと近所の公園に行きました。ここはオートキャンプ場にもなっている風光明媚な景勝地です。

早速、車を停車させるなりお待たせ致しました。皆さんにもアレをお見せしたいのです♪

はい、ドン!

とてもいい眺めです!
丼ぶり一杯に所狭しと溢れています
伝わり辛いですが、結構ボリュームがあります


旨そう〜



まず始めはカステラ部分にクリームを少し付けてパクリ。

『うっま(笑)』

思わず声を出してしまいました。こんなしっとりフワフワなカステラは初めて食べました。確かにこの台湾風カステラは甘過ぎず、おまけにキュウイの酸味との相性が抜群にいい!

次にカステラの下を覗いてみると

Oh my god!

下にはなんと豆乳プリンが敷き詰められているではないですか。それをスプーンで無限にあるかの様にすくいながら食べていると、今度は甘さが欲しくなってきました。

まったく、わがままワンパク野郎です。

はいお待たせ♪みんな大好きマカロン登場♪♪

ここまでの一連の流れが、まるで落語でも聴いてるかの様な分かり易い展開。私の方が恥ずかしくなりました(笑)
そうなんです。このスイーツ丼を作った人は全くもっての策士なのです!

ここ迄で一通り食べ終わりました。普通なら丼ぶり一杯は流石に味に飽きてしまいます。

しかし、ここで秘密兵器が登場します。袋の中にひっそりと入っていたのはなんと蜂蜜です。

店員さん!一体、何回楽しませてくれるんですか!!怒りすらこみあげてきます♪

私の情緒は丼ぶり一杯に溢れ出しそうです。

そして、その蜂蜜を絡めながら対岸の向こう側に位置するフレージュ近藤さんにむかって感謝の正拳突きを決めました。

おやっ?
冗談を織り交ぜている内に、あっと言う間に完食していました。

いや~本当に美味しかった!

そして最後はコーヒーを飲みながら、心地よい午後の陽気にのんびりと過ごしたのでした。

大満足!!!


ーーー終わり

あとがき

ここまでの長文を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。楽しく読んで貰えたのならば本望です。
私は今回偶然にも「スイーツ丼」に目を奪われてしまいましたが、まだまだ西海市には色んな海鮮丼があります!


笑いあり涙あり、結局このノンフィクションで何を伝えたかったかと言うと

『さいかい丼フェア』

やっています!








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?