千早茜「マリエ」感想～等身大か、等身大ではないかはあなた次第～

今や3組に1組が離婚し、2020年国勢調査における男女の生涯未婚率（50歳時未婚率）は、男性28.3%、女性17.8％の時代。

離婚って失敗なのか？
結婚って何？
恋愛と結婚って別物？

本書で描かれる、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語を読めば共感？それともしっくりこない？
意見が分かれそうな一冊だったかな。

＜簡単あらすじ＞
夫から「恋愛がしたい」と切り出され離婚した桐原まりえ40歳。
ひょんなことで出会った七つ年下の由井君といい感じになりながらも、結婚相談所にも登録する。
自分が人生に求める幸せとは何なのかという問いにまりえが出した答えとは...。

💐💐

私も3組に1組が離婚の経験者ですが、離婚が失敗だとは思ってないかな。
本書の主人公と同じく、むしろ幸せの選択だったと思っている。

仕事もある、1人の時間の使い方も知っている。やることは無数にある。別に寂しくない。そして、寂しがっていると思われるのが嫌。（本文より）

まさに！それーーー！
私が思っていることを言語がしてくれてる。

なんで寂しいって決めつけるのでしょか？
私の母もまりえの母のように、

「あなたになにかあったときに頼れる人がいないのは心配よ、孤独死なんてさせるために産んだんじゃないんだからね」（本文より）

今でも言われます。
パートナーがいても家族がいても先のことはわからないし、私の幸も不幸も、私が決める。

「そもそも、わたしは他者に求めるより、自分で自分を満たすほうが性に合っているんだろう」（本文より）

ますます、まりえはわたしじゃん。

まりえに共感しまくりだったが、年下の男性が現れた辺りから...やっぱり私とは違うな。

あっさりと欲望に呑み込まれるまりえが、やっぱり違ってね。
恋愛に対する価値観がやっぱ違う。

私もまりえ同様に、決定権とお金を持ち合わせた大人だからわかる部分が多かったが、帯に『等身大の主人公で「今」を書く』とある..。

まりえの余裕な態度やシャレオツな生活スタイル、離婚してすぐに都合よく年下のイケメン男と出会え、結婚相談者でも男性から気に入られて...。

いやいや！等身大じゃねぇーよ！と、なりもするはず。

捉え方がひとつでない、そこも私は好きだった💛

このままドラマにしてもいいような、都会的なモダンさと雰囲気で、千早さんならではの料理と香水というプラスアルファも加わり、読みながら色と匂いが想像でき好き(⋈◍＞◡＜◍)。✧♡

また、さまざまな人の結婚についての価値観の違いが読みどころでもあった。

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