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沖方丁「骨灰」感想~見えないお客さんが『怖いですねえ、恐ろしいですねえ』~

・『怖いですねえ、恐ろしいですねえ』体験談。

ショルダーポーチがシートルベルとに絡まってるのに強引に降りようとし首がーー!やべぇ...死ぬところだった(꒪⌑꒪.)‎!!!
『怖いですねえ、恐ろしいですねえ』
(※肩に掛けたまま運転してはダメダメーわたし。)

その昔、泳いで瘦せようとジムの水泳教室に入会。
教室では、まずは潜る練習から。
やべぇー...体脂肪のせいか?ちゃんと息が吐けなかったから?
二本の脚がVの字に開脚されプールに浮かぶスケキヨ状態に: ;((°ө°));:ヒェ…
『怖いですねえ、恐ろしいですねえ』

これは私が体験した、しょもない『怖いですねえ、恐ろしいですねえ』話でしたが、本書はしょうもなくないYO!

本当怖かった(;Д;)ギャー!
ホラー苦手なのに読んじゃったYO!
でも面白かったんだもーん。

・簡単あらすじ

大手デベロッパーに勤務する松永光弘は、自社の高層ビルの建設現場の地下現場で、『火が出た』『いるだけで病気になる』『人骨が出た』というツイートの真偽を確かめるために地下へと調査に入る。異常な乾燥と、嫌な臭い――人が骨まで灰になる臭い――を感じながら調査を進めると、図面に記されていない、巨大な穴のある謎の祭祀場にたどり着く。穴の中には男が鎖でつながれていた。

・感想

祟りじゃー!話といえば、地方の地縁にまつわる話(←八つ墓村とか犬神家の一族とか)を思い浮かべるが、本書の面白いところは!大都会の東京が舞台。

東京の地下に図面に記されてない祭祀場を見つけた主人公の松永。
そこに男が鎖でつながれていた。
なぜ男はいるのか?
拉致されているのか?
とにかく助けなければ、助けて地上に戻ると男とはぐれてしまう。
男はどこへ?

そして地下の祭祀場はなんだったのかがタイトルの骨灰につながる。

骨灰とはなにか?(ネタバレじゃないと思う...)

大都会東京は火事で知られた都市。

二百五十年間で大火災が百回以上起きているんですから。
東京の土はどこも、骨まで焼かれた者の骸が混じっているといっても過言ではないでしょう(本文より)


怨霊になった霊を鎮めるために祭祀場がつくられたのね。

人柱として鎮める男を逃がしてしまった主人公の松永に、地上に戻ってから奇妙なことばかりが起こるようになる。

インターホンの呼び出しボタンが何度も押され、松永家を不安に陥れる。
そして廊下には白い足跡がひとつ。

娘は、父を「いってらっしゃい」と見送り、ついでに「みえないおきゃくさんも、いってらっしゃい!」と送り出す。
娘ちゃん、無邪気なだけに怖さ倍増: ;((°ө°));:ヒェ…

白い足跡をつける「みえないおきゃくさん」がやってきてから、松永家は、ボヤ騒ぎ、壁紙には不気味なシミ、娘も身重の妻も体調を崩すのに、夫は祟りなんてあるわけがない!根拠のない大丈夫だ、大丈夫と家族を自身を落ち着かせようとする。

大丈夫じゃありませんからー!(読者代表olive)
祟られてるよ。
あんた、亡くなったお父さんの幽霊?と会話してるじゃん。
冷静になってー。

主人公の松永が冷静にいようとすればするほど、読み手の私はダメダメ!なにやってるのよー熱くなる。


主人公の松永と読み手の私との思いが乖離していくほどハラハラドキドキ緊張感も高まり、パニックに陥らせ、恐怖に陥らせ、振り向くと見えないお客さんがいるんじゃないと陥らされる。

上手いよー、この心理描写が絶妙で沖方マジックに陥るのであった。

そして、松永家に平穏の日々が戻るのかも乞うご期待を~

・映像化するなら誰を主人公に?


「天地明察」以来の沖方作品でしたが、ホラーもいけちゃうね。
映像が目に浮かぶ作品で面白かったでーす。

映像化するなら、主人公の松永には、山田裕貴なんてどうだろう?(←「どうする家康」本多忠勝役の人ね)


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