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滝口悠生「高架線」感想~珍妙な和式ユニットバスの謎を探せ!?

ヒロシ...ではなくオリーブです。
西武池袋線で風呂トイレつき、駅から5分で家賃三万円。
🔥マーク物件とですかー!安すぎて怖いとです...。

オリーブです。
で、その賃貸物件ですが、和式のユニットバスとは珍妙すぎで、
「貞子」か「ぼきわんが、来る」が出てきそうで怖いとです(ll゚Д゚)怖ァ・・

オリーブです。
その契約はなんですか?
友だち少ないので、次の入居者を自分で探すのは無理とです。

オリーブです。
映画観なくても本書を読めば「蒲田行進曲」を観たつもりになれるとは、
銀ちゃんもヤスもびっくりとです。(←めっちゃ詳しく面白く語られてます)

ヒロシです...ではなく、新井田千一です。
で、はじまる物語。
語り部の一人称から紡ぐ物語。

<簡単あらすじ>風呂トイレつき、駅から徒歩5分で家賃3万円。古アパート「かたばみ荘」では、出るときに次の入居者を自分で探してくることになっていた。部屋を引き継いだ住人がある日失踪して……。人々の記憶と語りで綴られていく16年間の物語。



いわくつき?「かたばみ荘」にゆかりのある語り部7人で、
リレー方式で物語をつなげていきます。

淡々と、時には笑いを交えた語り部の話を不思議と聞きたくなる。
人には人の人生のペースがありますよね。
そのペースが面白いのよ。
長いこと連絡をとっていない同級生の話を聞いているようでね。

失踪した住人を捜す物語かと思いきや、それは序盤で見つかるという意表を突く展開から...震災を経て、読み手も「かたばみ荘」解体までを見届ける。

そして謎が解けるのだー!
安すぎる家賃に、退去するとき次の入居者を自分で探す不思議な契約に、
なによりも珍妙な和式ユニットバスの謎がね。

ミステリーとしても最後に楽しめ、
昭和を感じさせるノスタルジックさが哀愁を誘い、
語り部以外の登場人物たちのその後が気になるのは、
物語全体に不思議な味を纏っているからなのかな...。

そう、味わい深い人たちだから。

そして...つまらない人生を彩るのは、わたしが、あなたがいるからと教えてもくれるのです。

#読書の秋2022 #高架線


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