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ゲームのように楽しい勉強とは(3)

さて、ゲームのように楽しい勉強について考える、第三回です。前回は競争、達成感、身体の熟達について考えてみました。次は社交についてです。

対戦相手との社交

まずはゲームの場合を考えてみましょう。皆さんは感想戦というのをご存じですか?感想戦とはゲームの後にそのゲームを振り返る時間のことです。テレビで放送される将棋の試合の後に流れるあれがそうです。ボードゲームやカードゲームが好きな人の中には、将棋に限らず、ゲームの後に感想戦をすることがあります。誰のどの行動がよかった、ここはこうすればよかったと、ゲームに勝てた理由、負けた理由などを振り返るのです。

もちろんゲームは遊びなのでそれ以外にも、ここが面白かった、という話もたくさん感想戦で話します。面白いゲームであればあるほど、感想戦は盛り上がります。そのようなゲームの中で感じた楽しさの共有、ゲームの勝ち負けの分析…というと言葉は固いですが、分析と言ってもコツの共有のようなものですが、それをすることで、ゲームの楽しさが増すと共に、次にゲームをするときのヒントになるのです。

一方で、ゲームの後に全く感想戦がなかったらどうでしょうか。想像してみてください。初めてあった人と知らないゲームで遊んで負けたとします。あなたは惨敗で勝てるコツがわからない。そのままそのゲームの第二回戦がはじまり、また惨敗でやはりコツがわからない。そのゲームの面白さの共有もない。「さあ、もう一度やろう」と言われたときにまたそのゲームをプレイしたいと思うでしょうか。下手するとその人と遊ぶのもちょっと嫌な気分になることもあるかもしれません。

勉強に置き換えた場合もそうです。テストが終わった後に、あの問題が難しかった、あの問題はこうすれば解けた、自分も同じ場所で同じ考えをして間違えたなどテストの話を楽しく話せる仲間があれば、気持ちの共有にもなりますし、一緒に頑張ろうという気持ちにもなれるかもしれません。

ひとりでじっと勉強するのではなく、一緒に話ながら勉強できる環境、これがゲームのように楽しめる要素の一つです。

運による意外性

ゲームの場合、運による意外性が面白さの一つになることがあります。特に子供と大人が遊ぶときのようにゲームの実力に差がある場合は、運の要素が多いほど子供が楽しめる傾向にあります。運によって勝敗が決まるゲームの中で代表的なものはすごろくでしょう。勉強の話とは少しはなれますが、子供とゲームを遊ぶ場合は、はじめはすごろくのような運要素の強いゲームを遊ぶことをお勧めします。

さて、話を戻して、運の要素をとりいれた勉強というのはどのようなものでしょうか。運の要素、つまり偶然性です。学校の勉強は国語の時間は国語の勉強をする、算数の時間は算数をするというように、その時間で学ぶことが決まっています。

では偶然性の高い勉強とはなんでしょうか。例えば野外を歩いて目につくもの、疑問に思ったものをその場ですぐ学習に繋げるような勉強です。なぜ雲ができるのか、なぜ雲はしろいのか、なぜ雷は音が鳴るのかなどなど。世の中、たくさん不思議があります。

外を歩いたり、家の中を見渡ししたりして偶然に見つけたものや謎について深く考えたり、調べたりする、これが運の要素、意外性の楽しさをとり入れた勉強の形のひとつです。

散歩していて疑問に思ったことを親子で考えて、仮説をたててみるのは楽しい時間です。そして今はインターネットがあるので、インターネットでその答えを調べてもいいでしょう。Youtubeにはそれについて説明した動画が見つかるかもしれません。「夏はなぜ暑いのか」という子供の疑問に対して、身振り手振り、そして紙に地球の絵を描いて地軸の傾きなどの話をしましたがなかなか伝わりませんでした。しかしネットで動画を探してみせるとなんとなくイメージはつかめたようでした。なぜ雷が鳴るのかについても動画を使って説明しました。動画を見ればすべてがわかるわけではないですが、特に肉眼で確認できないことについては動画は理解を助けるのに役立つと言えます。

次は課題設定、解決について考えてきましょう。


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