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特別企画:MAVIC1000SSCパーツ群紹介

以前記したロードレーサー、VOGUEの譜系③で記した
GITANE VOGUEフレームとの出会い

そしてこれから、完成の暁には
VOGUE関係者の方々のところへお邪魔する足として
一丁組んでみようかと思い
静か~にパーツ集めを始動させました。
今回のコンセプトは
モデルイヤーは1986年。私が小学校6年生の頃を基準とします。
たしか1986年って
ラピュタとかが封切りされてた頃位だったよなぁ…(遠い目…

以下のHPの記事中盤の辺りに、今回組むフレームと同一のマシンに
寄りかかっている市川選手の写真がありますので
是非見てみて下さい。

この頃、市川選手は1986年に
MAVIC GITANEのアマチュアとして所属していたんですね。

そして、フレームを入手したんだったら
次はコンポの部品集め…
やはり出来る限りはオリジナルと言うか
その時代背景に忠実な1台にしたい!
と思うのが人情です…

すると当然、GITANE VOGUEのフレームに貼られたステッカーにある様に
コンポは必然的に、MAVIC 1000 SSCでしょうね。

これで組むコンポが7400デュラエースだったら、怒られますね…

そして、基準とする資料はコレ

サイクルスポーツ誌1988年1月号P52「TOP RIDER'S MACHINE」より

このMAVIC1000SSCをメインコンポとする、市川選手の練習用マシンは
時系列が約2年ほどズレておりますが
(この頃は既にヒタチ・マーク・ロッシンに所属していました)
数少ない資料の中で、当たらずとも遠からずと言ったところでしょうから
今回はこれを基準にして、まずは組む事としたいと思います。
そして完成後も少しずつ修正し、フルオリジナルに近い形を目指して
行きたいと思います。
だって、いきなりフルコンプリートにしてしまったら
面白くないと思いません!?
この車体を完成させたら、これで色んな関係者の方のところに訪問し
見てもらい、指摘もされつつ、当時の思い出を語ってもらったりとか
記憶を呼び起こして貰ったりとかして
VOGUE秘話を引き出す為の
抽斗(ひきだし)たる存在になって貰えればと言ったところが
この車体を組む目的であるのです。

そして今回のお話は、ここからが本題です。
このMAVIC1000SSCのコンポ群
いきなり車体に組み付けてしまうのは
私の認識では、そのベールに包まれた存在故に
非常に勿体ないので
今回組付ける前に一度、パーツごとの紹介をしてみたいと思います。
つまりは情報が少ない故に、今後の参考となる様な紹介が
出来ればと言った事が、この話の目的です。
…と言っても、ニーズは非常に低いのは承知しています(笑

そしてとりあえずまずは、集めてみました。

チェーンホイールは多分、1000SSCでは無いと思いますが
とりあえず何とか集めてみました。
ちなみにBBは、既にフレームを預けている
葉山自轉車市場さんに用意してもらっています。

シマノとかだと、コンポの部品毎に型番(7400等)が付きますが
このMAVIC1000SSC、コンポのセットの名称は「1000」と付きますが
実はコンポの部品毎の型番はまちまちで、これが悩みの種だったりします。
このリンクの当時のカタログを見ると

MAVIC1000シリーズの中でも
・SPECIAL SERVICE COURSE:1000(シリーズの基軸モデル?)
を始めとして

・PROFESSIONEL(フランス語綴り?):1010(最上級グレード?)
ブラケットのフードの色が茶色なので、先のリンクで紹介の
サイクルスポーツ誌記事中写真の、市川選手が腰を掛けたマシンのコンポは
多分これなのかも知れませんね。

・ROUTE:1012、1013(ランドナー等のツーリング用?orダウングレード版?)
いずれも1000、1010と違い
ヘッドの部品点数が少ないですよね。輪行などで分解を前提とする
構造のタイプなのでしょうか。
後、Rディレーラーの色がシルバーですよね。
MAVIC801の型番のRディレーラーが、形が酷似してシルバー色の
ディレーラーみたいですね。

とカテゴライズされている様ですね。誰かフランス語訳をお願い致します(笑

そしてシマノみたいに
部品毎に全部型番の1000って付いてれば
私の様な無知な者でも比較的安心して
手を出せるところですが
今回集める作業に当たっては「これって本当に1000SSC?」と
疑うところから始めなければいけないので、神経をすり減らしたりします(笑

そして早速、まずはブレーキから。
ブレーキAssy自体の名称は
小さいですが貼付されているシールに記載された
SUPER PRO 430の様ですね。

これって、キャリパーとレバーにそれぞれ「MAVIC」って記されてますけど
分かる方は分かると思いますが…
ちょっと今回、まだ組付けないので袋から出していませんが
ゴムのフードの上に、何かマークがある様な…
また、フードの造形自体も、何か既視感が…

え!?分かりませんか?
それでは、キャリパーを見てみましょう。

これも既視感と言うか、何かどっかで見た事がある様な…
裏面ですね。これではまだあまり良く判りませんが…

これ、Modoloやんけ!!!

このシューに記されたロゴは、あのModoloではありませんか(笑
つまり、MAVICはブレーキに関して、Modoloから供給を受けていたんですね…
イメージ的には、ダイアコンペとかヨシガイ辺りからOEM供給されていた
サンツアー的な立ち位置なのでしょうか…ちなみにこのシュー、多分コルク製なのでしょうか。
確かコルクは、地中海沿岸で盛んに栽培されているとか、中学の世界地理の授業で習った記憶が…
するとヨーロッパの部品メーカーで採り入れられるのは、自然なのでしょうか。
製造から40年位経過したコルクシューの制動力ってどの位なんでしょうね…
流石にブレーキシューは重要部品なので、これは我が家のコレクションホール行きですね(笑

実は私、Modoloバージョンも持っているんです…
本当に偶々ですが、安価に入手出来たんでストックしてあったんです…

Modoloですと「MASTER PRO」って言います。
これってつまり、OEMってヤツですね。
ロゴ以外は全く一緒です。
ちなみにフードは発泡ウレタンみたいなゴム製です。
市場に出ている物は中古ですと結構劣化している個体が多いので
これは中々貴重だと思います。(これは未使用品を入手)
「Modolo」のロゴがあります。
コレ、ワイヤーを上から出すタイプですが
小加工が必要だと思いますが
ブラケット中の穴を使って、エアロ化出来ると思います。
ただし、ハンドルバーに穴あけ加工が必要になります。

ちなみにModolo繋がりで、ついでに紹介です。

Modolo KronosのWレバーです。コレ一応カーボン製みたいですね。
綾織カーボンではありませんが、樹脂にカーボンを混ぜていると言ったところなのでしょうか?
ここにも「Modolo」の浮き文字刻印がありますね。

そしてお次はステムです。ステム長は100㎜です。

これは1000SSCにカテゴライズされているモデルなのかは不明です。
でも、前出リンクのカタログを見ると
このタイプのステムなんですよね。
MADE IN FRANCEの刻印があります。
菱形マークの「MAVIC」の刻印がありますね。

ちなみに以前にも紹介した
市川選手がGITANE VOGUEで練習していた写真を見ると

そして再度、サイクルスポーツ誌バックナンバー 1986年12月号P52
「日本人初のプロロード選手 市川雅敏、強さの秘密を探る」を紐解くと…
これを見ると使用しているのは
次に紹介するステムではなくやはりこちらのステムが濃厚なのかなと…
本当はこちらの方でマシンの紹介があれば良かったのですが
この他に数枚、スナップ写真がある程度で、資料としては情報の内容が薄いのです。

こちらのステムはネット情報では
MAVIC1000にカテゴライズされている記述がありますね。
マイナーチェンジしたと言う事でしょうか…
型番はMAVIC365の様です。この個体の長さは90㎜。

7400デュラエースとかチネリ1Rを彷彿とさせる様なステムのデザインですね。
この頃(1986年頃)はエアロブームの残滓が残っていた頃位だったと思います。

そしてお次は、ディレーラーです。

元箱入り、でした。ENSEMBLE1000と箱に記載されていますね。
ただし発泡スチロールはもうすぐ40年になりますから
かなりボソボソです。ちなみに入手後中からディレーラーを取り出す際に
少し割ってしまいました…
この箱自体にもまた、歴史的価値がありますよね。なので接着剤で補修しました。

リアディレーラー、MAVIC851
未使用品です。

パンタグラフやプーリーガイドのデザインが直線的であるのと
肉抜きの丸穴を始めとした、円形とのデザインバランスの調和が秀逸ですね。
この頃シマノやサンツアーのRディレーラーは
角が取れた丸みを帯びたデザインの流れでしたが
それらの中で、孤高とも言えるこの真逆な直線的デザインとアルマイトの配色を見ると
逆に新鮮さを感じ、故に強烈な記憶として残っていました。
この、シマノや今は無きサンツアーの製造国である日本で
あえて「舶来」(もう死語ですよね…)部品を使うと言うその姿勢に
漢気を感じたりします。
この辺りは分解可能な別体の部品になっています。
亡くさない様に注意しないと…

そして続いては、Fディレーラー。
バンドタイプもありますが
直付けタイプの型番は、MAVIC862みたいですね。

お次は、ボスフリータイプのハブ
FR共に32Hで、型番は説明書に記載のMAVIC500なのでしょうね。

丁数の多いフリーのギアを使うのなら、こちらの方がいいと
葉山自轉車市場さんから教わりました。
どうもサンツアーのボスフリーが流用出来るみたいですね。

こちらが説明書

英語でさえ分からないのに、フランス語なんて尚更…
この「MAVIC」の刻印がたまりません…
MAVICはリムの会社、と言った固定観念があったので
こう見ると本当に新鮮ですね。

そしてハンドル。395㎜です。
これもMAVIC1000に当たるのかは不明です。

そして、チェーンホイール。
これもMAVIC1000に当たるのかは不明です。
多分これは違うかも知れませんね。

53×42Tですね。
クランク長は172.5でした。

そして前回亡くしかけた(笑
ヘッド、MAVIC312です。

工具付きですね。
とうも312の型番は、ITA(イタリアン)規格を示すみたいですね。
右手からロックナット、ワッシャー、アジャスタブルレース、リテーナーとボールレース
ボールレース、シール付きリテーナー、クラウンレース、の構成ですね。
ロックナット
ワッシャー
アジャスタブルレース
リテーナーとボールレース
ボールレース
その裏面
シール付きリテーナー
クラウンレース
その裏面

最後は、有名なWレバー
Simplex SLJのOEMです。違いはSimplexの刻印の有無。
カンパコンポの愛用者も、Wレバーだけはコレと言ったユーザーも
多かったみたいですね。

ちょっと駆け足気味での紹介でしたが
今後新たな判明事項があれば、こちらで随時更新する予定です。

今回の記事作成に当たり
下記のブログを参考とさせて頂きました。
豆柴さんの自転車乗り物日記

この場を借りて、御礼を申し上げたいと思います。
おしまい。

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