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生徒の意見を聴けば聴くほど生徒は減っていく

よく大手企業は「お客様の意見をお聞かせください」というキャンペーンをしていますよね。

確かに大事なことなのかもしれませんが,それをやっていい場合とやらないほうがいい場合があります。

何も考えずに,何でもかんでも意見を聴いていると,最終的に自分のビジネスは破綻するのがオチです。


僕自身,生徒の意見を聴いていた時期もあるのですが,今考えて,それが正解だったと思うことがないんですね。
それどころか,多くの意見を言っていた生徒は,今いないのです。

これけっこう不思議な現象じゃないですか?
こちらに意見を言って,自分の快適な環境に近づいたのに,自分から去っていくのです。

このあたりのことも,本を読んで勉強しているとわかってきましたし,じゃあ「どういう人の意見なら聴いてもいいのか」というのもわかってきました。

とくに僕のように個人で教室を開いている方は知っておいたほうがいい内容だと思いますので,興味がある方はぜひご購読ください。

なぜ生徒の意見を聴いてはいけないか

(1)生徒は建前を言う

例えば「これどう思う?」とか「こんなクラスがあったら来る?」というようなことを生徒に聞いたとしてます。

生徒は,その場では「絶対に行きます」みたいなことを言います。

これもあるあるなのですが,こういう生徒ほど95%くらい来ませんw

ようするに先生を前に「行きません」とは言いにくいので,その場ではこちらの意見を肯定するようなことを言ってきます。

経営者はそこに気付かなくてはいけません。

(2)生徒は自分ファーストで考える

昔言われたことがあるのは「チケットよりもこれくらいの値段で受け放題とかにすれば」とか「家族で入る人に家族割みたいなものないんですか」みたいなことです。

実際これはやってみました。

フリーパスは今でも続いていますが,正直,フリーパスはないほうが売上は上がると思います。

家族割にかんしては,やってもそれでこちらの売上が上がることがなかったのでやめました。

だいたいこういうことを言う生徒は,自分が得したいがために「意見」としてこういうことを言います。

建前としては「安いほうが生徒も集まるし」みたいなことも言ってくるのですが,まあこれもちょっと勉強したら必ずしも正しいわけではないんですよね。

これを言ってた人も今はうちにはいません。

(3)生徒は意見を聴いてもらった「恩」を返せない

おもしろいことに,生徒の意見を聴けば聴くほど,その生徒はいなくなっていきます。

これはなぜかというと「自分は意見を聴いてもらったけど,自分はそのお返しができない」という状態に耐えられないからです。

「返報生の原理」というものがありまして,基本的に人間は何かをやってもらったらお返しするような心理が働きます。

だからこちらが意見を聴いてしまうと,生徒にはそれと見合ったものを「お返し」しないといけないという心理が働きます。

でも,そんなお返しできないんですよね。
お金を払うわけもいかないし,贈り物とかもおかしいし。

「お返しをしないといけないと感じているけどできない」という状況に耐えられなくなって,その場から去ることが実は多いのです。

(4)意見を聴いて欲しい生徒は自分が変わるという考えが弱い

例えば飲食店とかに行ったときでも,何か気分が悪いことが起きても,僕はその店にクレームをつけることはありません。

そんなことをしても改善する確率のほうが少ないからです。
だったら自分からその店に近づかなければよいだけの話。

だからクレームをつける人の心理って僕にはよくわからないのですが「私は今の状態から変わるつもりはないけど,お前は私の価値観に合うように変われよ」ってことだと思うんですよ。

ようするに「成長する気がない」ということです。

飲食店とかならまだわかりますが,習い事の教室にそういうことを言うって,けっこう矛盾している気がします。

自分が学び,成長するために来ているのに「先生のほうが私たち生徒に合わせるべき」みたいな考えが根本にあるのでしょう。
このようにお客様感覚で来ている人が何かしらいろいろ言ってきますね。

どういう人の意見なら聴くべきか

では生徒の意見は絶対に聴かないほうがいいのでしょうか?
生徒が正しいことを言うということはないのでしょうか?

もちろんそういうわけではありませんが,意見を聴いたほうがいい人というのは実はすでに明らかになっています。

ここでは「クリエイターの作品をもっとも正確に評価できるのは誰か」というデータをもとに考察していきたいと思います。

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