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『現代俳句女流百人』を読む-鈴木真砂女-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

今回は鈴木真砂女氏。

新涼や尾にも塩ふる焼肴

鈴木真砂女

小料理屋を営んでいただけあって、美味しそうな料理の句。

空地より風を貰ひて夏のれん

鈴木真砂女

「風を貰う」や「夏のれん」の爽やかさ。風を感じる句。

ひらひらと海女潜り消ゆ雲の峰

鈴木真砂女

結句に海の事が来るかと思いきや、
「雲の峰」で意外性があった。
景も良い。

ふるさとの鯛かも知れず瞳の冴えて

鈴木真砂女

郷愁を、鯛の目から感じる面白さ。
小料理屋の為に仕入れた鯛だろうか。

鯛の目を瞳とした点に、作者の鯛への感情移入を感じた。

生涯

生涯がドラマチック。

『現代俳句女流百人』の本文を引用する。

鈴木真砂女がどのような人生を歩んできたかは、その作品がおおよそを語っている。 安房鴨川の旅館の娘として生まれ、一度は他家に嫁すが、離婚して実家に戻る。
そして、姉の急逝にともないその夫と再婚し旅館の女将となる。
やがて、冒頭の句のごとき道ならぬ恋の相手と巡り会い、 家業も夫も捨てて東京へ出、銀座に小料理店を営むようになる。

有名な句

羅や人悲します恋をして

鈴木真砂女

この句が有名で、歳時記の季語「うすもの」の説明で例句としてよく使われている。

まとめ

食べ物関係の句ばかり紹介してしまった。

昼ドラを思わせるドラマチックな句も多くあるので、ご興味があれば是非全句集などを参考になさってください。
関連書籍が軒並み高価なので、図書館かまとめサイトの参照もおすすめします。

リンク

Amazon

鈴木真砂女全集 ※高価


Wikipedia


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