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歌集『標準時』(佐クマサトシ氏)を読む。
歌集『標準時』を(佐クマサトシ氏)を読みました。
概要
淡々とした短歌集でありながら、現実にあるおかしみやズレを描きだしていると思いました。
五首選
自分が着た服を機械に洗わせて先月のこと考えている
洗濯機が動く音を聞き、洗濯の終わりを待ちながら考え事をする場面は日常にあります。
コインランドリーの待ち時間のイメージでした。
悪い魔女の出てくる絵本が置いてある待合室でお茶をもらった
魔女とお茶は近い取り合わせですが、間に日常的な場面が入ることで、内容の距離を遠くする工夫があると思いました。
自分でも思っていないことを言う それはスポーツにひどく似ている
この場合のスポーツは「ルールのある運動」の意味合いかと読みました。
駆けていく猫はわたしの認識の外に向かって駆けていくのだ
日常の出来事に「認識」という哲学や心理学的な用語が使われる事で、猫が駆けているだけの景が意味深になります。
本日の放送は終了しました。私はまだ、考え事をしています
「放送」は社会的な役割で「考え事」は個人の内側の出来事だと思います。
その取り合わせによる内容のズレが
独特の空気を生んでいると思います。
リンク
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