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歌集『Midnight Sun』(佐藤涼子氏)を読む。

歌集『Midnight Sun』(佐藤涼子氏)を拝読しました。



概要

生活、震災詠、相聞などのテーマで、
工夫のある短歌が多々収録されている印象です。


五首選

※紹介する短歌の選もかなり悩みました。

水色のバスがゆっくり通り過ぎ予報通りの雨が降り出す

4ページ

バスの動きと雨雲の動きが連動しているようで、面白いと思います。

滴る光浴びれば嘘は金色で今夜はグレープフルーツムーンだ

10ページ

「嘘」がひとつまみのスパイスのように効いている一首です。

ドーナツで丸く切り取る夏の空この先ずっと寄り道でいい

14ページ

景が良くて爽やかなだけではなく、結句に含みや内容の奥行きを感じます。

読む暇はないと分かっている日でも御守りとして持つ本がある

50ページ

本が物である点を「御守りとして持つ」事と結びつけた、発見と工夫が巧いと思います。

「サラブレッドに乗りませんか」とアナウンス流れる春の夕べのバスに

67ページ

バスに乗っている時に、サラブレッドに乗りませんかの宣伝アナウンスが流れる。
日常のふとした出来事を見逃さない姿勢と、内容の構造を面白く感じました。


リンク

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Midnight Sun (新鋭短歌シリーズ33) https://amzn.asia/d/d36Qmeq

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