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俳句・句集

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句集や季刊誌の紹介など。
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2023年2月の記事一覧

【告知】3月からの新企画

【告知】3月からの新企画

東京都清瀬市で活動中の俳句会「花林花」。
代表は高澤晶子氏。

先日、その年刊
「年刊花林花2023」
を頂きました。

俳句の勉強を兼ねて
noteで
年刊の各会員の
俳句の一部を紹介
したいと思います。
お楽しみに!

【期間】※予定
2023年3月から適宜、数回。

飯田マユミ句集『沈黙の函』ー光景と共感ー

飯田マユミ句集『沈黙の函』ー光景と共感ー

この句集は
・光景が面白い句
・読むと感覚が蘇る句
が多いと感じた。

そんな
飯田マユミ氏の句集『沈黙の函』
から五句紹介。

リフレインが効いていて、躍動感がある。

納得と共感をした。

こういった作者独特の発見の句は読者としては楽しい。

俳句という短い詩形で、広い空間が表現されている。

やわらかい柿をうっかり踏んだ時の、ぐにゃっとした不快感を巧みな比喩で表現している。

木と人の寿命の

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越智友亮句集『ふつうの未来』-親しみやすさと面白さの両立-

越智友亮句集『ふつうの未来』-親しみやすさと面白さの両立-

越智友亮氏の句集『ふつうの未来』から五句紹介。

噴水の水が落ちた直後の景を詠んでいる点が珍しい。

『体温はたましいの熱』の言い回しが面白い。
梨のみずみずしさやおいしさも感じる。

『Wi-Fiとんでない町』は田舎だと推測できる。
田舎と夏の取り合わせが爽やか。

水槽のぼんやりとした明るさと、夏風邪のぼんやりした体感が重なる。

動かない駅を『残された』とし、『悴みぬ』という擬人法で終わる。

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