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飯田マユミ句集『沈黙の函』ー光景と共感ー

この句集は
・光景が面白い句
・読むと感覚が蘇る句
が多いと感じた。

そんな
飯田マユミ氏の句集『沈黙の函』
から五句紹介。


ふらここの風蹴飛ばして蹴飛ばして
40ページ


リフレインが効いていて、躍動感がある。

梟の振り向くときの真顔なる
58ページ


納得と共感をした。

こういった作者独特の発見の句は読者としては楽しい。

何処までも空どこからも青葉風
88ページ


俳句という短い詩形で、広い空間が表現されている。

熟柿踏む罪を問はれてゐる如く
98ページ


やわらかい柿をうっかり踏んだ時の、ぐにゃっとした不快感を巧みな比喩で表現している。

樹齢千年寿命百年雲の峰
163ページ


木と人の寿命の対比が面白い。

なおかつ地上にある木と人から、空の雲の峰に視点が移動する。


季語の使い方に無理が無く、楽しく拝読した句集だった。

最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!