奥沢ミト
◾️それぞれの春について 締め切りに追われるように国道が整えられる 春の音楽 突風が新たな匂いを街に運ぶ 僕らはずっと春を待ってた 春 急がない旅もいいものですね 18きっぷを握りしめる 春風に背中を押され僕たちは すべてが詰まった街を飛び立つ 桜散る クリープハイプを聴きながら あの春のこと 思い出す夜
東京は色んな音があるけれど 私、蛙の声が恋しい
私、あの日々が堪らなく恋しい ピースで映る集合写真
あの夜に聞いた話がいつまでも 私の背中、追いかけて来る
あの世でも君が好きだよ 長い首、空白の顔、変わらぬ仕草
マイナーなコンテンツを好きでいることと、センスが良いことを履き違えずに生きて行きたい 自戒
マンホールを開けてみたい、マリオの1-2みたいになっててほしい
◾️すべてが輝いてみえた日々 6人でキングサイズを分け合ってミニミニサイズを作り出した日 きっぷ片手にどこまでも行ける気がした 車窓から青が溢れる 青春なんて、と思っていた 青春だった、と思い返す 春風に背中を押され僕たちは すべてが詰まった街を飛び立つ 私、あの日々が堪らなく恋しい ピースで映る集合写真とか
6人でキングサイズを分け合って ミニミニサイズを作り出した日
たとえ幾つになっても僕たちは 旅に出れば主人公になれる
ストーブで寒さを凌ぐ僕たちに訪れた、春を告げる嵐
スマホ裏、同じお店のステッカー 旅先で蘇る日々の喧騒 箱根路を走る青年が年下になってから人生はゆるやかな下り坂 窓の外、翼があれば飛べるのに 2日後枯れる一輪の花 こんなにも辛い世界を生きていくのか 錠剤を流し込む日々 金曜日 今日1日は負けないよ 敵の名は鬱、いざ尋常に
春風に背中を押され僕たちは すべてが詰まった街を飛び立つ
桜散る クリープハイプを聴きながら あの春のこと 思い出す夜
◾️田舎生まれ東京暮らし 同じ店同じ味でも私はね国道沿いの吉野家がいい 音のない空間なんて東京にあるのだろうか、 隣人の咳 風水で縛らないでよ家の中くらい外ではちゃんとするからさ 逆方向の電車に乗った 定期に縛られないことを証明したくて 水溜まりがビル街照らす 東京が1番輝くのは雨上がり
今日はお休み〜