奥沢未都

旅と日常

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夏が好き、こんなに心を動かされる季節、他にはないから

    • メジャーなコンテンツが必ずしも良い物とは限らないのと同様に マイナーなコンテンツを好きでいることと、センスが良いことは同義ではないということを忘れずに生きていきたい

      • ポストが消えた街

        その日、街からポストが消えた コンビニの前にあった赤いポストだ 最初に気付いたのはアルバイトだった 出勤時に違和感を覚えた いつも見ている光景だったが、その日はどこかバランスが悪く感じたのだ その違和感の正体がポストだと気づいた時、街では別の人間がその消失に気づいた 郵便配達員だ その道20年のベテランだった 確かにいつもこのポストを通っていた 数こそ多くないものの、コンビニのついでに投函する人がいるのか、毎日一定量の郵便が入っている そのポストが忽然と姿を消したのだ

        • ランドスケープで狂わせて 

          クローゼットの中で縄の縛り方を調べていた時のことだ。 ふとある言葉が 「もし、お前が確かに辛い状況にあって、全てを終わりにしてしまいたいと思ったら、最後に連絡してくれよ。止めはしないさ。ただ、俺の代わりに頼みがあるんだ」 ある春の日、そんな事を思い出した 携帯の連絡先には「シバタ」の文字があった そんな約束覚えているわけないと思いつつ、発信ボタンを押した 3回ほど発信音が鳴った後、柴田が電話に出た 「久しぶりだな、とりあえず今から行くからそれまで待ってろよ」 そ

        夏が好き、こんなに心を動かされる季節、他にはないから

        • メジャーなコンテンツが必ずしも良い物とは限らないのと同様に マイナーなコンテンツを好きでいることと、センスが良いことは同義ではないということを忘れずに生きていきたい

        • ポストが消えた街

        • ランドスケープで狂わせて 

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        記事

          東京は色んな音で溢れてて 私は蛙の声が恋しい

          東京は色んな音で溢れてて 私は蛙の声が恋しい

          形ある物の終わりが怖いから 私は今日も花を買えない

          形ある物の終わりが怖いから 私は今日も花を買えない

          神津島にて、世田谷からは見えない星を見た

          東京都の離島、神津島。年始に星空を見に行った。きっかけは、辻村深月の「この夏の星を見る」という小説。コロナウイルス禍の高校生たちが、リモートで各地域を繋いで星空観察をする話。小説の中で離島の高校が登場し、いつか離島で星空を見たいと思っていた。 神津島は、国際ダークスカイ協会(何ともイカした名前だ)という、世界的な組織より星空保護区として認定された島だ。 神津島へは、竹芝港からフェリーで向かった。夜の10時に出発して、到着するのは翌朝9時頃。船の中は思っていたより揺れたが、人

          神津島にて、世田谷からは見えない星を見た

          きっぷ片手にどこまでも行ける気がした 車窓から青が溢れる

          きっぷ片手にどこまでも行ける気がした 車窓から青が溢れる

          私を知らない私に宛てた備忘録

          私を知らない私へ 記憶を失った時に、真っ先に読むべきメモを書きました。 住所とか、家族構成とか、どこの会社に勤めているとかは、きっと優しい誰かが教えてくれるだろうから ここには私がどんな人間だとか、好きな場所とか、音楽とか、そういったことを残しておきます。気が向いたら読んでください。 <私を知らない私に宛てた備忘録> 私は、人と関わるのが好きだ。 人からの誘いは、必ず一度は受けることを心掛けている。初対面の人とも何かきっかけがあれば積極的に会話をするし、学生時代の友人と

          私を知らない私に宛てた備忘録

          晴れた日は「風になる」を流してピクニックをしたいし、旅先では「ルージュの伝言」を聴きながら電車に揺られたい

          晴れた日は「風になる」を流してピクニックをしたいし、旅先では「ルージュの伝言」を聴きながら電車に揺られたい

          夜中に「クロノスタシス」を聴きながら散歩するとか、夏の夕方に「若者のすべて」を聴くとか、そういうことを一回はやってみてほしい

          夜中に「クロノスタシス」を聴きながら散歩するとか、夏の夕方に「若者のすべて」を聴くとか、そういうことを一回はやってみてほしい

          銀色のシンクの上で私には心を開かない生卵

          銀色のシンクの上で私には心を開かない生卵

          【歌集】色付く日々

          上京して1年が経った 色づく日々に思いを馳せて詠んだ歌 ◾️あの日見た空 私、あの日々が堪らなく恋しい ピースで映る集合写真 七色の虹のどこかに君は居て、 青の半輪を僕は見ていた きっぷ片手にどこまでも行ける気がした  車窓から青が溢れる ◾️東京、曇りのち雨 風水で縛らないでよ家の中くらい 外ではちゃんとするから 逆方向の電車に乗った定期に縛られないこと 証明したくて 銀色のシンクの上で私には心を開かない生卵

          【歌集】色付く日々

          七色の虹のどこかに君は居て  青の半輪を僕は見ている

          七色の虹のどこかに君は居て  青の半輪を僕は見ている

          私、あの日々が堪らなく恋しい ピースで映る集合写真

          私、あの日々が堪らなく恋しい ピースで映る集合写真

          風水で縛らないでよ家の中くらい 外ではちゃんとするから

          風水で縛らないでよ家の中くらい 外ではちゃんとするから