見出し画像

恋愛研究最新データ9選~最適なまつ毛の長さ、睡眠不足で関係崩壊、ユーモアでモテるワケ、一人身も悪くないetc.

割引あり

今回はサクッと恋愛分野の最新データをまとめておきましょう。


予告:
来週は言語習得のTIPSでも書こうかと思っております。基本的には科学的な知見と、私が英語と中国語を学んできた経験、およびこちら(清華大学)の留学生から聞いた話しなどをメインでまとめる予定。なにか気になる点などあればコメント、DMでご連絡いただければ幸いでーす。

「最も魅力的なまつ毛の長さ」が判明していた件

「まつげを長くする」ってのはメイクの定番の一つでしょうが、新しいデータでは「まつ毛の長さは目の幅の3分の1くらいが最も魅力的に見えるぞ!」って話になっておりました。

こちらはScientific Reports誌に掲載された研究で、アジア系、黒人、白人の319人の米国人が対象。実験ではDaz3Dソフトウェアを使って色んな民族的背景をもってそうな4つの顔の画像を作成し(アジア人、黒人、インド人、白人)、さらにPhotoshopでまつ毛の長さを11種類に調整したらしい(合計44枚の写真が完成)。で、参加者には「この女性はどのくらい魅力的だと思う?」という質問に7段階で評価してもらったらしい。

Eyelash length attractiveness across ethnicities

その結果、民族によって多少の差はあるものの、まつ毛の長さが目の幅の30~35%くらいの場合に最もその顔の魅力が高いと評価する傾向が高かったんだそうな。

具体的な違いもちょっと見てみると、

  • アジア系、白人、インド人の顔の場合には、まつ毛が目の幅の25%くらいの場合に最も魅力が高かった。一方黒人の場合には40%の場合に最も魅力的とされた

  • 参加者がアジア系の場合には、まつ毛が比較的短め(20%くらい)の顔を魅力的と評価したのに対して、黒人と白人の人たちはまつ毛:目の幅比が40%くらいの顔を魅力的と感じた

  • 一方、まつ毛がない、または長すぎるまつ毛は最も魅力がないと評価された

って感じで、全体的にみれば民族に関係なく、逆U字の傾向を示したらしい。ただ、自身の民族的背景や、アプローチしたい相手に合わせて多少調整するのもありかもなって気もしますな。

Eyelash length attractiveness across ethnicities

研究チーム曰く、

最も魅力的なまつ毛の長さは、視力を最大限に保護し、視界をクリアにするために進化したという見解と一致する。そのため、その最適な長さから逸脱したまつげは、不健康のシグナルとして機能する可能性があるため、魅力的ではないと認識されるのではないか。

とのこと。当然まつ毛の基本的な役割はホコリやごみ、汗などから目を保護するためであり、眼は人間にとってかなり重要なファクターですから、この保護が最大限機能している女性を魅力的とみなすよう人類は進化してきた(そういう人間が残ってきた)のではないか、ってとこですね。

もちろん、肌の色以外の他の顔のファクターにも影響を受ける可能性は十分ありそうですけども、まつ毛の長さを考える際には参考にしてもいいかもなーって感じですね。

睡眠不足で恋愛関係が崩壊する?

「睡眠不足が認知のゆがみを生むぞー」って話は何回かしたことがありますが、新しいデータでは、「睡眠不足だと恋愛関係への見方にも悪影響を及ぼすぞ!」って結論になってました。幸せで満足のいくロマンチックな関係を維持するには睡眠衛生が大きなカギになってくるかもよって話ですね。

これはJournal of Social and Personal Relationships誌に掲載された研究で、大学生や社会人、交際・結婚関係にある多様な人々を対象に3つの研究を行ってます。

それぞれの研究で確認された事実をチェックしてみるとこんな感じになります。

  1. 研究1:恋愛関係にある209人の大学生に過去1か月の睡眠をPSQIで評価してもらい(PSQIは睡眠時間、睡眠障害、日中の眠気等色々カバーしてる質問票)、恋愛関係に対する総合的な満足度と比較。

    その結果、過去1ヶ月間に睡眠不足を経験したと報告した参加者は、恋愛関係に対する評価が低い傾向が見られた

  2. 研究2:シカゴのカップル134組を対象に、睡眠の質、怒り、関係の質の時間的変化を縦断的に評価した(先月と今月を比較)。

    その結果、睡眠の質の変化は全体的な怒りの感情の変化と関連しており、睡眠の質の悪化は怒りの感情の増大を予測した。 また、怒りの変化が、睡眠の質の変化と関係の質の変化との関連を媒介することが示された。つまり、「睡眠悪化⇒怒りブースト⇒関係の質の評価低下」という流れ

  3. 研究3:恋愛関係にある大学生218人を対象に人為的に怒り、苦悩、苦しみ、喜び等を誘発し、睡眠、恋愛関係の評価の関係に及ぼす影響を分析。

    その結果、睡眠の質は、すべての条件において、3つの情動状態(怒り、苦痛、喜び)すべてに有意な効果を示した。つまり、睡眠不足の条件下では、より多くの怒り、苦痛、より少ない喜びを誘発した。そして特に怒りのブーストは恋愛関係に対するネガティブな認識につながりやすかった

だったそう。要するに、睡眠時間や質が低下すると、イライラしたり怒りっぽくなる結果、パートナーとの関係における親密さ、愛情、満足感、信頼感、情熱、コミットメントなどの感情が低下し、ひいては関係の質の低下につながる、って感じですね。


Tired, angry, and unhappy with us: Poor sleep quality predicts increased anger and worsened perceptions of relationship quality

まあ睡眠の評価は自己申告だし、もっと慢性的な睡眠不足の場合にどうなるかとかは謎ですけど、より一般的な人間関係の質に及ぼす関係に関するデータなどを踏まえれば、やはり恋愛関係のためにも睡眠不足は百害あって一利なしなのかなーって気がしました。


女性はみんな「リスクを冒す男性が好き!」なのか?

リスクテイキングは「男らしさ」と結び付けられることが多く、実際女性はリスクの高い行動をとる男性に惹かれる傾向があるってデータも少なくありません。ただ、すべての女性がリスクをとる男性を魅力的に感じるわけでもないのもまた事実であり、新たな研究ではこの違いを探ってくれてて面白かったです。

こちらはEvolutionary Psychological Science誌に掲載された研究で、47か国から集めた1,304人の女性が対象。みんなには居住国、年齢、交際状況、性的指向、世帯収入、健康状態などを教えてもらったうえで、ロッククライミングやアウトドア・アドベンチャーなど、リスキーな活動に取り組む男性のビネットを提示。そんで、その男性を短期的および長期的なパートナーとしてどの程度魅力的だと感じるかを5段階で評価してもらったんだそうな。

その結果、リスクテイキングな男性を好む女性には特定の特徴が確認されまして、

  • 自分の健康状態が良いと答えた異性愛者の女性は、特に短期的な関係において、リスクを多く冒す男性により惹かれる傾向があった

  • また、平均寿命が長い国の異性愛者の女性は、短期的なパートナとして、高いリスクを冒す男性により魅力を感じがちだった

だったそう。両者の共通点として、研究チームは「妊娠するかどうかをコントロールできるという余裕」に基因してるんじゃないの?みたいに考察してました。要するに、自分が健康で医療へのアクセスが十分ならば避妊具を使ったり、中絶を行ったりで妊娠の可能性を操作できるという認識が生まれ、これがリスクを冒す男性に対する見方に違いをもたらすのではないか、と。

Preference for Male Risk Takers Varies with Relationship Context and Health Status but not COVID Risk

また、本研究で得られたその他の知見としては、

  • 富、所得、不平等に関する変数はリスクテイカーの男性に対する魅力に影響しなかった

  • Covid-19感染リスクもまた影響しなかった

  • バイセクシャルな女性は、ヘテロセクシャルな女性に比べて短期・長期的なパートナーとしてリスクテイカーの男性をこのむ傾向が強かった

  • また、自身がリスクを感じる活動に取り組むことに楽しさを感じる女性ほど、リスクテイカーの男性を好みがち、という傾向も見られた

って感じ。ザックリ言えば個人の健康状態、社会的な条件、性的指向など複雑な相互作用によってリスクをとる男性に対する魅力が変わってくるのかも、ってわけですな。なんでこの研究から言えることは、当然ですが、少なくとも「すべての女性がリスクを積極的にとる男性に惹かれるわけではない!」ってのは殿方は頭においておくとよいかもしれないですね。

ユーモアでモテる!は間違いないけどその理由ってどこにあるんだろう?

ユーモアがあるほうが魅力的に見える!ってのは間違いないところ。ただ、その理由ははっきりとはわかっていなくて、知性、温かさ、社会性、ストレス軽減など様々な説があったりします。

ってところで最近の研究では、「ユーモアのどの要素がモテにつながってるの?」を調べてます。早速この研究がどんな結論だったかといいますと、

  • ユーモアは創造的な問題解決能力の指標と認識されるがゆえにモテる!

みたいな感じです。まあこれまでの研究でもこの説はかなり有力でしたけど、今回は6つの独立した実験によってかなり説得力を持って補強してくれたってところですな。

こちらはPersonality and Social Psychology Bulletin誌に掲載された研究で、それぞれの実験からわかったことを簡単にまとめると、

  • ユーモアのあるシナリオを読んだ参加者は、ユーモアのないシナリオを読んだ参加者よりも、想像した相手をより創造的であると評価した(男女ともに)。さらに、参加者はどちらのシナリオにおいても同じように「楽しかった」と評価しており、この効果が単に楽しさの違いによるものではないことが確認されている

  • ユーモアの「方向性」も重要であり、「自分がユーモアでデート中に相手を笑わせた」というケースではなく、「相手が自分を笑わせた」と説明された場合にのみ創造的だと評価された。この効果も男女差はなし

  • ーモアが創造性の評価に及ぼす効果は短期的な交際、長期的な交際、結婚しているなどの条件で違いは見られなかった。ただし、創造的な「問題解決」との関連は長期的な交際の条件で顕著に確認された

  • 初デートと長期的な交際の両方のシナリオにおいて、ユーモアが創造性、及び問題解決能力の指標と関連した

  • マッチングアプリのプロフィールにおいても、ユーモアを感じさせるプロフィールは創造性をより強く想起させ、デートをしてみたいと思わせる効果が強かった

だったそう。まとめれば、ユーモアは創造性及び問題解決能力の指標として機能し、その結果パートナーとしての魅力が跳ね上がるぞ!しかもその効果は交際のどのタイミングにも当てはまるぞ!ってとこですな。しかもこれは男女問わず同様であるってのもなかなか面白いところじゃないかと。

Funny Date, Creative Mate? Unpacking the Effect of Humor on Romantic Attraction

ただ、「ユーモア」といってもお笑い芸人のようなスキルは必要なく、日常生活の中で見つけた些細なところに面白みを見つけるなど、2人のなかだけで笑いを共有できればそれでOK。カフェの看板の模様が飼ってる猫の縞に似てるとかその程度でも十分ユーモアとして機能したりしますしね。詳しくは以下の記事なども参考になるかと思います。

また、以下の書籍も読みやすくておすすめです。

ユーモアって長期の恋愛でも効くの?

せっかくなんで、もう一つくらい最近のユーモアのデータを紹介してみましょう。

今度はPychological Science誌に掲載された研究で、「ユーモアって既に長い関係にあるカップルでも有効なの?」というところを調べてます。これまでのほとんどの研究では、「出会い」「求愛」の場面でのユーモアの有効性が評価されてたけど、既に確立された関係においてもユーモアはポジティブな効果を発揮してくれるんだろうか?って疑問を取り扱ってくれたわけですね。既に長い関係にあるとなれば、「ユーモア⇒魅力的!」だけではなく「魅力的⇒ユーモラス!」って認識になる可能性もありますから、なかなか気になる内容じゃないでしょうか(もちろんユーモアが全く効かない可能性も考えられる)。

ってことで、研究チームはシンガポールの108組のカップル(平均交際期間は18.27カ月)を対象にこんな実験をしてくれております。

  1. 日誌形式で、7日間連続で毎日パートナーや2人の関係性について評価してもらう

  2. 特に、人間関係におけるユーモア、関係満足度、コミットメントを評価する

  3. 合計1,227件のデータセットを分析し、ユーモアと関係の質の日ベースでの変動をチェックする

ってことで、横断的な傾向のほか、ラグ効果も同時に比べてくれたわけですね。すると、結果はこんな感じになりましたー。

  • ユーモアが高いと感じた日には、満足度、自分およびパートナーのコミットメントのレベルが高いと認識されていた

  • ある日の関係の質がポジティブであった場合、翌日にユーモアが使われるケースが多かった

  • また、ユーモアと関係の質の間に男女は見られなかった

ってことで、関係により満足し、コミットしている日は、その当日も翌日もパートナーにより強いユーモアを感じ、逆に満足度やコミットメントが低い日には、当日も翌日もユーモア(を感じる機会)が少なかったらしい。ただ、逆の場合、つまりユーモアをより多く使った場合には、満足度だけは引き上げるものの、コミットメントには影響しないみたい。

まーデータを全体的にみれば、ある程度長期間付き合ってカップル間でのユーモアの主な役割は「2人の関係に対する継続的な関心を表現し、測定する」ことにあるんじゃないかなーって印象ですねー。まあやはり、少なくともユーモアの役割はただ相手を楽しませる、ってところにとどまるものではない、ってことで。

「独身」のパワー

若い時の「一人身」の経験がその後の人生の満足度や収入にどんな影響を及ぼすんだろう?という研究が面白かったです。若い時は人脈を広げたり、教育、キャリアに時間を注ぐべきであり、恋愛にかまけてる場合ではない!みたいな主張もありますが、実際のところ長期的に見たらどんな影響が出るんだろう?ってとこですね。

こちらは1984年から2019年までのドイツ社会経済パネルの36年間のデータを使った研究で、親元を離れた後の結婚、離婚等の前後の変化を所得、生活満足度等の観点から評価してます。

その結果何が分かったかというと、

  • 男性の場合、親元を離れてから長年独身であった人に比べて、すぐに結婚した人は、その後離婚した時の生活満足度の低下が著しかった。また、結婚前に独身で会った期間が長かった男性ほど離婚時の生活満足度の低下が小さかった

  • 収入に関しては、独身期間が長かった女性・男性の方が、年間労働収入が多かった。男性の場合、恋人のいる期間が長かった人は、離婚の翌年と2年後に収入が増加するという謎の現象が確認された

のようになります。要するに、家を出た後、パートナーを作らず一人で暮らす時間を設けておくと、その後の人生に差が生まれるかもしれないよってことですね。


The link between singlehood in young adulthood and effects of romantic separation

研究チーム曰く、

独身にもいい面がある。この結果は、独身時代に問題やストレスにうまく対処するためのスキルや資源を蓄積していた可能性を示唆している

とのこと。もちろんこの結果を見て「若いころは恋人を作るべきではない!」とはなりませんけど、恋人を作らないことで得られる成長やメリットもあるんじゃないかなーとか思いましたね。

美男美女のメリット

「美貌格差: 生まれつき不平等の経済学」なんて本でも示されている通り、身体的な魅力がモテ以外でも様々な恩恵をもたらすのは間違いないところ。「見た目がすべてではない」と思いたいところですけど、実際には見た目は大きなインパクトをもたらしてくるわけです。

とはいっても身体的魅力は年を重ねることによって変化するわけで、長期的に見た時にその後も有利に働くのかどうかは謎。新たな研究ではここら辺のギャップを埋めてくれておりました。

これはアメリカの2万人以上のデータを使ったオスロ大学の研究で、みんなが12~19歳だったころの身体的魅力とその後10~20年間の社会経済的な地位との関連性を分析したんだそう。その結果何が分かったかというと、

  • 10代の時に魅力的と評価されていた人ほど、大人になったときに学歴、職業、収入の面で高い結果を獲得していた

  • この傾向は両親の社会経済的地位、認知機能、性格特性、健康状態等を調整しても維持された

  • そして10代の時の魅力度は、両親と比較した時の教育水準、収入の高さも予測できた

  • 身体的魅力の効果は、男女ともに確認できたが、特に男性の方が強い影響が確認された

ということで、やはり外見は将来の「成功」に大きなインパクトをもたらすのではないか、と。


Physical attractiveness and intergenerational social mobility

もちろんこれはアメリカ人しか含まれてない!って批判もありましょうが、基本的にはこの手の研究を見る限り日本などでも当てはまる可能性は高め。「完全平等!」を目指すよりも多少の不平等は受け入れて自分の持ってる武器でどう戦うかを考えるべきだよなーとか改めて感じましたね。

外見にお金を投下しまくる人

もう一つ外見に関する面白い研究を紹介してみましょう。ただし今度は「嫉妬と外見」に関するお話です。

こちらはEvolutionary Psychology誌に掲載された研究で、女子大生189人が対象。みんなには様々な角度から嫉妬の特性に関するアンケートに回答してもらったうえで、外見の向上を目的として製品やサービスへの関心、利用状況を教えてもらったんだそう。そんで、両者の関係性を比較したところ、

  • 嫉妬の強さは、美容整形に対する関心、実際の支出、ダイエットサプリの使用、無料日焼けサロン会員権の獲得などを予測した

  • ただし、嫉妬の感情は一般的にリスクをとりやすいのではなく、外見の向上に特異的に関連していた

だったそうです。要するに、「嫉妬」の感情が外見を向上させるための努力や金銭的な投資に独自の役割を果たしているのでは?ということですね。

ただ現代の進化心理学の考え方では嫉妬は「大切な人間関係を失うかもしれないという危機感」が中心と考えられており、適度な嫉妬は人間関係に良好な効果をもたらすって報告もあるんで、「嫉妬=害悪」と考えるのもナンセンス。嫉妬の感情の操作は特に難しい部類ですし、なかなか難儀ですなぁ。。。

避妊用ピルvsうつの最新データ

避妊用ピルとうつ症状の関連についてはこれまで結果がまちまちだったわけですが(基本的には両者に明確な関連を示すエビデンスはない)、新たに大規模なデータが発表されておりました。

こちらはNHANESの2005~2012年のデータに含まれた6239人の女性の情報を使った研究。調査では、分析に含まれた女性を、避妊用ピルを①現在使用している、②以前使用していた、③使用したことがないに分けて、Patient Health Questionnaireを用いて評価されたうつ症状と比較しております。

で、年齢、人種、収入、配偶者の有無、喫煙、肥満度、慢性的健康状態(糖尿病、がん、心血管疾患等)の交絡因子を調整した結果、こんなことがわかりました。

  • 現在避妊用ピルを使用している女性は、使用したことがない女性(10%)および使用を中止した女性(11.4%)に比べ、大うつ病の有病率が低かった(4.6%)

  • しかし、交絡因子を調整した結果、現在ピルを使用している人と一度も使用したことがない人のうつ病有病率に有意差はなかった。さらに、元使用者と未使用者の間にも有意差は認められなかった

要するに、確かに外枠だけ見れば避妊用ピルの使用はうつ病の報告率の低下と関連しているものの、両者の関係はそんな単純じゃなさそうだよねーって感じらしい。

研究チーム曰く、

我々は、ピルの服用が望まない妊娠に対する不安を取り除き、経口避妊薬使用者のメンタルヘルスを改善するのに役立っているという事実が関連している可能性があると考えています

とのこと。個人的には生存者バイアスの可能性や、ピルの種類(複合とプロゲステロンのみなど)の区別がなされてなかったりといった点が気になったりして、やっぱり現段階では「避妊用ピルでうつリスク軽減!」みたいなことは断言できないよなーと感じたりしました。

ただ、少なくとも「ピルを飲むとうつになるから飲まない!」みたいな一般的な誤解についてはもっと十分な情報を届けてあげたいよなーとか思いますよねぇ。

ここから先は

0字

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?