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自分がここにいる意味を探しに、ここではないどこかへ。

「自分の感性を殺さないようにしたいよね」

その人は言った。正確な一言一句は覚えていないが、1年近く経った今になってもそのシーンは私の頭の中にたびたび現れる。

公開できずに下書きに眠っていた、去年の夏の旅の記憶。次の誕生日を目前にした今、改めて書いてみる。

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この夏、久しぶりに細かい旅程を決めずに旅をした。一人で。

毎日が慌ただしく過ぎる中で、あっという間に誕生日を迎え、30歳になった。
思っていた以上に何も変わらなかった。三十路直前の私にのしかかってきていた「30歳、何者かにならなければ」という焦りは消えたけれど、長期的な人生プランが描けない不安は相変わらずだ。

いや、人生プランなんてものはとっくの昔に捨てたのか。先の見える道よりも今ここでの経験を得るために私は島に来たのだった。

でも、島で30歳を迎えるとは思っていなかった。

場所を変えれば何かが見つかるとは思ってもいないが、誰かと話すと、自分の中にあるものの輪郭が見えてくることはあると思っている。

「なんとなく気になる」人のつくりだす場には、たいてい何かがある。いや、その「気になる」感覚の中に自分の今を浮き彫りにする何かがあるのか。

そんなわけで、このタイミングで旅をすることにした。たった1泊2日だけれど、2人の会いたい人と泊まる場所、たった1つの行きたい場所を決めた以外はすべて白紙。

非日常の2日を過ごす中で考えたこと。

人はどうやって生きる場所を決めるのか。
私は今なぜここにいるのか。

何のために何を教えるのか。
何のためにどんな学びの場を作るのか。
学ぶ幸せ、学んだ先にある幸せって何か。

こうして今ここにいる意味を見出したい。
それは誰も教えてくれない。
そもそも、そんなものないのかもしれないけれど。

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ここまでが昨夏書いたこと。
このとき明確な答えは得られなかったけれど、この旅で得た問いが、今の自分の答えを作っていると思う。

今年の夏はどこへ行こうか。

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