音楽:「羊文学 LIVE 2024 "Ⅲ"」ライブレポート
先日4/21(日)に開催された、3ピース"ロック"バンド「羊文学」の自己最大規模となる、横浜アリーナの単独LIVEを鑑賞してきました!
そこで、
レビューというほど立派な内容ではないですが、いち音楽(超)好き、そして「音楽産業」のこれからを、「外部」からですが勝手に分析を行っている(現在「内部」の人になろうと★求職中!是非ご連絡をmm★)人間として、今回のLIVEで感じた事柄を文章にしてみようと思います。
なお、セットリストや具体的な演出内容そしてMC内容などは、いわゆる「ネタバレ」になる可能性があるので極力控えるよう努めます(今年11月に映像・音源作品リリースが決定しているようです。楽しみですね♪)。
しかしながら、全く触れないということは少し難しいので、「一切情報を入れたくない」という方はスルーしていただけると幸いです_(._.)_
さて、ゴチャゴチャ駄文をつらつら書いてしまう前に、
「LIVEの内容」
について結論を申しますと、
★私の知る限り過去最高のパフォーマンスであり、正に歴史の生き証人となれた★
と思っています。
もう一点、これは常々思っているし、実際にクレームを直接・間接的に運営?の方へ、個人的にメッセージをお伝えしているのですが(なのでもしかしたら運営の方は私を「クレーマー」として認知しているかも…)、
「LIVEの運営全般、特に物販」
について申し上げると、今回も今までと変わらず、
★ストレスがかなり高かった★
です(個人的に、ということは強調します)。
読んでくださる皆様の多くは羊文学のファンもしくはある程度好感を持っている方々だと思うので、LIVE(音楽)そのものについての、よかった点について、先に書きたいと思います。
「LIVEの内容」について良かったと思う点は、
①音響が素晴らしくとても耳心地が良かったし体の芯でも音を感じて心震えた
②アリーナという規模で今までの羊文学のスタイルを崩すことない最大限に効果的なステージ演出であった
③羊文学の今までの、そしてこれからのキャリアにとって、間違いなく「金字塔」もしくは「マイルストーン」となる、オンステージのメンバーとはもちろん観客との心の暖かい繋がりを感じさせる情感溢れるLIVEであった
とザックリこのようなことを思いました。
①について、私は羊文学のLIVEを、ライブハウス、ホール、そして今回のアリーナとキャパの異なる箱で鑑賞した経験があり、その上での感想として、今回のアリーナの音響が(席が良かったからかは一先ず置いておいて)、一番バランスが良く、耳からもそして体からも、心地よく音が響きました。
また、全体を通して感じたのは、今まで聴いてきたライブと比べると、意図してかしてないかはわからないですが、曲のテンポが割と遅い、そしてヴォーカル&ギターの塩塚モエカさんの歌声がリズムに対して少し、本当に少しレイドバック気味(インテンポ(リズムぴったし)より少しメロディー(歌声)が遅れている)だったような気がしました。しかし、それが妙に心地よく、いいオジサンが使うのはちょっと恥ずかしいですが「エモい」と感じました。
そう言った意味で、今までの延長という意味でも、今までと異なっているという意味でも、私の知る限り、過去最高のLIVEパフォーマンスであったと感じました。
②について、今までのキャパでは無かった巨大スクリーンを駆使した演出が、羊文学のステージ演出としては新鮮であり、また映し出される映像も美しく、私はセンター席の割と前の席で、相対的にステージ上のメンバーの動きがけっこう肉眼でも見えていたと思うのですが、それでもやはり、アップで映し出されるメンバーの表情・仕草、リアルタイム合成で映し出される幻想的な映像やMVの拡張ムービーには思わずウットリとしました。
③について、今回の横浜アリーナが羊文学史上、過去最大キャパでの単独ライブである、つまりは「この次のキャパは?」というといわゆる「スタジアム(野球球場とか)」になるわけで、スタジアム級のアーティスト、そのなかでも「"ロック"バンド」となると、実現しているバンドは本当にひと握りもいない、という事実を踏まえると、この先、アリーナ公演は何度もするだろうけれども、その「初めて」の「生」の目撃者となれたことは、いち羊文学ファンとしても感無量であり、それは私だけでなく少なくとも私の周囲の観客(おそらくそのあたりの席はファンクラブ先行チケットの席だと思うので、彼女彼らも相当な羊文学ファンのはず)からも私の感じたのと同じような感情が伝わってきたし、オンステージの塩塚モエカさんもそれを感じ取ったからか、
「大きい会場でどうなるのか心配だったけれど、お客さんがみんないつものように温かいから、大きいけれど、いつもと変わんないね!」
という旨の発言をしていました。
上記のような意味合いで、正に今回のアリーナLIVEは、間違いなく羊文学というロックバンドにおける一つの到達点であると言えたと思います。
次に、「LIVEの運営全般、特に物販」に対する不満を書きたいと思うのですが、内容がクレーマー的と嫌なお気持ちにさせてしまうかもしれないですし、これはあくまでも音楽業界「外部」の素人の極々個人的な戯言である自覚はあるので、ご批判もあろうと思いますが、
「羊文学を応援したい!だったら運営はお金儲けなきゃ!なのに何やってんのさ!!」
という老婆心というか、悪意のない余計なおせっかいとして読んでいただけると幸いです。
毎度のことなのですが、グッズが売り切れるのが販売開始から早過ぎです。
12時にグッズ販売を開始してその後2時間足らずで、Xから「SoldOut」の情報が続々、私が現地に着いた15時ごろには3割くらいの商品が既に売り切れていました。幸い、私が購入しようとしていた商品は売り切れていなかったので、そう言った意味で私は嫌な思いをすることは無かったのですが、もし購入予定(しかもかなり欲しい)が売り切れていたら、かなりわだかまりのある気持ちでLIVE鑑賞をしていたでしょう。
実際のところ、そういった人は少なからずいたのではないでしょうか?
羊文学は、(あえて詳細は述べませんが)正真正銘の真の"ロック"バンドです。そう言った意味で、音楽に直接的には関係のないグッズは売れなくても良いのかもしれません。しかし、実情、同じく3ピースバンドの「ヤバT」こと「ヤバイTシャツ屋さん」は、そのバンド名自体で皮肉っているように、音楽イベント興行において、グッズ販売の売上というものはとても重要である、と聞いています。
レベル1のLIVEやる→グッズ売れる→レベル2のLIVEやれる→人がもっと集まる→グッズ売れる→レベル3のLIVEやれる・・・
というような間接的ですがこのようなサイクルによって、グッズ販売が確実にオンステージのメンバーはもちろん、そのLIVEを支えるバックステージの何百という人の懐を潤わせ、それが膨らんでゆき、より良い楽曲制作環境およびLIVE演出に繋がるというのは「チーム・サカナクション」と明記してプロダクトを制作しているサカナクションの山口一郎さんも言及している事実です。
詳細な事情の知らない外部の無関係な人間がとやかく言うのは、余計なことであると認識はしているものの、羊文学を応援するファンとしては、
「そこ、もうちょっと頑張ろうよ・・・」
と、どうしても思ってしまいます。
この点は、確実に今後改善すべき問題点だと断言します。
(実際、不満を言い出すともっともっとあるのですが、書き出すとキリがないのでここまでにしときますね…)
あ、あと、そもそものLIVE会場の運営がスムーズではなく、案内(多分バイトさん)の人にちょっとものをたずねても、知らぬ存ぜぬで、確認しますと待たされた挙句、結局分からない、みたいなことが毎回あります(たとえば開場前に「どこで待機していれば良いですか?」など)。
物販の人も丁寧な接客説明がされていないのか、ちょっとした質問をしても「確認してきます」とかなり待たされます。
今回も発生したのですが、私は豆腐メンタルなくせに(だからとも言える)見た目が割と怖いらしいので、物販の案内をしてくれた若い女性がシドロモドロで震えながら応対していて、自分が言うのもアレですが、かわいそうになってしまいました…。
運営はスタッフに対してもっと綿密なブリーフィングをする責任があり、現状、その責任は果たされていないと言わざるを得ません。
と、まあこういった感想を持ちました汗
最後に、「この後」という視点で、羊文学というバンドについて少し考えてみます。
ドラムスのフクダヒロアさんが仰っていた(ただでさえ短いMC時間なのに、その間もほとんど発言することがないので、彼が「喋る」となると会場が沸く笑。でも実は一番トークが上手い笑)のですが、
「これから、東京ガーデンシアター、そして東京ドームと大きく…」と「スタジアム(野球場など)」を目指すことを示唆したのですが、本気かリップサービスかは不明ですが、私は個人的にですが、しかしはっきりと、
「スタジアムは今のままでは無理だ」
と思います。
そもそもなのですが、「曲が売れる」「LIVE会場が大きい(集客できる)」ということは、直接的にイコール「価値のあるアーティスト・良い楽曲だ」ではない、ということを我々は認識しなくてはいけません。
路上アーティストでも、なんなら私の場合は9歳の息子の歌うドラえもんの歌でさえも、「人の心を震わす・支えとなる・許しを得る」という意味において、どんなに曲が売れて集客していて評価されているアーティストよりもずっとずーっと価値のある曲であり存在です。
「勉強ができる」と「頭がいい」ということは必ずしも必要十分条件を満たしていないことと似ています。
そういった意味で、今の羊文学にスタジアム級の会場でLIVEをすることが出来るのか?その前に、そんな必要性があるのか?と考えたときに、無理だし必要性もないと私は思っています。
そう思う理由を書き出すと、あまりにも文章が長くなってしまうので、もし需要がありそうであれば(よければハートとかコメントしてくださると嬉しいです)、また別の機会に、詳しく書いてみたいと思います。
いずれにせよ、今回のLIVEは間違いなく羊文学という"ロック"バンドのオンステージに限ると3人だけの表現(会場で知ったのですがLIVEタイトルの「Ⅲ」は「スリー」と読むのではなく「さん」と日本語で読むのが正しいそうです汗)としての一つの到達点であったことは間違いなく、今後、どのような楽曲を生み出し、LIVEでパフォーマンスしてくれるのか、ますます楽しみで今からワクワクしています!
あー、ごめんなさい、メンバーの3人のうちの一人のベースの河西ゆりかさんについて書き損じたので、最後に少し書かせてください汗
私はありとあらゆる楽器の中で「ベース」という楽器の音色・役割・プレイスタイルが最も好きであると自認しています。
なので、どんな音楽を聴くときも(ベースが居るなら)ベースを追いかけるのが好きなのですが、羊文学の音楽性は「オルタナティブ・ロック」と分類されることがあることからもわかるように、ギターの美しい轟音が特徴の一つです。また、ザクザク轟音を刻む系の田渕ひさ子さん(元ナンバーガールのギタリスト)とはちょっと異なり、「空間系」と呼ばれるような、一言で言えば「残音で包み込むような」轟音が美しくまた幻想的であることが特徴だと思っています。そういったギターの音作りの特性から、通常であれば音と音の隙間を埋めてアンサンブルに厚みを出すというベースの役割の一つの比重が必然的に低い、というか厳密にいうとちゃんとその役割を果たしているのだけれど、ベースもギターの音色に合わせるようにオーバードライブ(轟音)気味なので、これはとても良い意味で、ギターとベースが2つで1つの楽器のような音作りおよびアンサンブルとなっているので、音源でも(少なくとも私の視聴環境では)そうですし、LIVE会場で聴いてもそうですが、ベースの音と認識することが、私には少し難しいのですが、今回のアリーナLIVEでは、ベースの音がしっかりくっきり聴こえた、という点は、今まで私が聴いてきた羊文学のLIVEの音としては、かなりの高得点要素でした。
また、河西ゆりかさんも決してトークが上手いというわけではなく、モエカさんよりまし(←失礼汗)という程度だったのですが、今回は、というか場数を踏むに連れ、徐々にトークが上手くなって、今回なんかは立派に観客を煽ってたりしていて(まだまだ未熟ですが、このままでいていて欲しい気持ちも…)、「立派になったねえ…」などと親戚のオジサンみたいな気持ちになりました笑
とりあえず以上にしたいと思うのですが、
「これはどうだった」とか
「私はこう感じた」
みたいなことがあればコメントしていただけると嬉しいですし、極力コメントをお返しするよう努めます。
なお、
私のプロフィールを見ていただけるとわかっていただけると思うのですが、私は「ハートブレイク」しているので笑、批判的なコメントはお控えいただけると幸いです...。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>