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日米欧の経済ステージの違い

 コロナ禍にウクライナ戦争がエネルギー価格や食糧価格を押し上げ欧米では70年ぶりのインフレをもたらした。
 これに対して相次いで政策金利を引き上げたものだから物価の上昇が沈静化するとともにリセッション入りが欧米では予想されています。
 また、中国では少子化で労働力不足が言われ不動産不況が本格化するという中にあります。

 これに対して日本ではかつての世界2位のGDP大国はどこに行ったのか。
 相変わらずのデフレ下で多少の上昇はあっても物価全体の上昇は限定されゼロ金利を維持せざるを得ない中で不況突入の欧米とはなんとなく居心地の良い日本が対照的な位置に立っています。日本だけが唯一金利を上げる必要がない国となっています。


 果たして来年の景気はどうなるのか?
 株式相場をどう見れば良いのか、皆さんの関心は個別企業の動向にあるのかも知れませんが、こうしたマクロ経済を踏まえて来年の世界経済をしっかり見ておく必要がありそうです。

 米国の金利は多少上げピッチが鈍化するとの見通しもあり落ち着いてはきましたがなおも政策金利の上げが見込まれる状況にあり、直近になって上げ止まった感のあるドル円レートはなおも円安基調の中にあるという見方もあれば、来年は欧米でリセッションが起きてそのために金利を下げるとの見方もあってそうなれば為替相場も円高に向かうとの見方もあります。
 そのあたりの前提条件を踏まえて為替相場の行方を見守ることにしましょう。

 また仮に1400兆円も発行している国債の金利が上がれば混乱を生じる可能性がありますが、0.7%から0.8%程度、更には1%程度までなら大丈夫。2%にまで引き上がると大変な状態となると予測できる。
 目下のところコロナで停滞してきた消費が復活する兆しも出ており、バラマキによって高齢者の消費が一気に拡大する方向性が見えてきた。税収の拡大がこれによって期待される。
 また消費だけでなく企業の設備投資にも拡大が期待され、日本経済に好循環が生まれる可能性も出てきた。


 このように原油価格が落ち着いてきた中で為替も落ち着きインフレが沈静化してきた中で消費の回復と国内の設備投資拡大の動きの中で日本経済の復活が期待されるとなれば株式相場にも多少は関心が高まることになるだろう。
 寡占化の下で収益が異常なほど向上した海運各社や半導体業界のような事例が今後様々なセクターで見出せるようになるだろうことは容易に想像できる。

 日本の経済対策は雇用調整助成金や中小企業向け保証枠増といった短期対応型から効果が出るのに半年かかる公共投資や地方交付金の積み増しなど4つの施策で経済を支えることができてきた。今後もこうした施策が仮に世界的な不況が起きても打ち出せる以上は国内において解決できることになる。
 この点は不安感が払拭できるのだが、少子高齢化社会への突入本格化の中で人口は減り続け長期的には衰退の道を歩むことになるのが日本の宿命となる。


 これを打破するのは至難の技だが、施策がない訳でない。
 国民の格差拡大はこれからの若者の意識や努力によって是正される可能性がある。革新的な研究開発型の企業が社会の中心となっていくことで低迷してきた株式市場にとってもは復活発展の道が示されることになるものと期待したい。

 また若い時代からの投資教育の場を醸成して新たな投資家を生み出すことが求められている。


 日米欧の経済的な位置づけの違いを踏まえて今後の投資スタンスを引き続き熟慮していくことにしたい。


(炎)


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