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野球からバスケへの転向

 「僕はバスケをします。」

 先日ある中学生からきいたことばです。
 その中学生は小学校から野球をやっていたそうなんですが、高校からはバスケ部に転向するそうです。元々バスケも兼部でやっていたのか、遊びでやってて楽しくなったのか、映画スラムダンクの影響なのか、深い話は聞けてませんが、私は「これは理想的なキャリアの積み方だな」と思いました。


 億の近道読者のみなさんこんにちは。

 学生向けの金融教育の専門家、遠藤です。
 最近の私のマイブームは、キャリア理論の深掘りです。
 特に私が共感をしているキャリア理論にプロティアンキャリア理論というものがあります。未来を洞察して自分を「変化」させていく組織に依存しないキャリア形成論なので、とても現代に合っていると思っています。

 本理論の解説は、ここでは割愛しますが、冒頭に述べた学生さんは学生キャリアの中で、「変化」をすることを選択したというわけです。もちろん、未来の洞察ということはどこまで考えたかわかりませんが、長年続けていた野球に距離を置き、新しい一歩を踏み出す決断をしたことは確かです。野球で鍛えられた体力、判断力は必ずバスケでも生きるでしょう。

 学生は、小学校、中学校、高校、大学・専門学校というステージで、変化のきっかけをつかめます。過去続けてきたことをそのまま続けてもいいですし、変える場合は良いきっかけになります。付き合う友人もどんどん変わるので、それが自分の学生キャリアを変えるきっかけになったりします。
 そういう意味では、子供を名門私立に幼稚舎から入れてしまうと、環境変化という財産が得られない!?という疑問が湧きます。ただ、これについては問いかけだけにとどめ、議論の深掘りはやめておきます。


 野球からバスケに転向という変化。
 私たち大人に置き換えるとどうでしょうか。
 部署移動が頻繁にある会社なら、数年ごとに強制的にキャリアが変わっていきます。ただ、気づいたら同じ環境に10年、20年いる、という人も多いと思います。
 ちなみに私は外資系銀行勤務のときは転勤がないので、8年間ほぼ変わらぬ環境にいました。

 私は、「居心地はいいけど、どう考えても自分の成長は止まっている」と思い、会社を辞める決断をしました。もともと「次に会社を辞める時は起業をするときだ」と決めていたので、FPとして独立することにしました。

 独立後はいろいろ苦労したことがありましたが、銀行にいたら得られない経験値を積めました。


 自ら一歩を踏み出さないとなかなか変わらないのが大人のキャリアです。
 ただ、野放図に転職を繰り返しても大したキャリアは積めないでしょうから、自分がどんな人生を送りたいのかを描き、そのために今やるべきことを決めるのが大切です。

 今後、訪問授業で学校に行く際には
「学生時代は様々なことにチャレンジした方がいい。その勇気と行動力が大人になってから自身のキャリア形成に役立つから」
と学生たちには伝えようと思います。


 億の近道のコラムなので、お金の話もしておきます。


 プロティアンキャリア理論では、お金もキャリアを形成する大事な柱の中に含まれています。

 たとえば、メーカー勤めの人が、「50歳までに3億円を貯めるために、投資の勉強と実践をしまくる。その後、個人トレーダーとして独立する。」というキャリアプランを描くのもありです。これはお金が主役のプランになります。
 投資の勉強をしっかりするために、仕事は残業を減らし、効率化する必要があります。業務効率化は会社にとってもありがたいことのはずです。
 原資を貯めるために給与を上げるために頑張る必要がありますから、仕事のパフォーマンスも良くなりそうです。
 ただ、組織内のポジションなどに心をもっていかれないようにし、自身が着実に「個人トレーダーの道」を進んでいるのであれば良しとする、自己マネジメントが必要になります。

 案外、道の過程でどこかの金融機関のトレーダーとして採用されて、思っていたのと違う道に進むこともあるかもしれません。それはそれで、行動の結果ですし、自身の心が安らぐなら良いと思います。少なくとも、悶々としならがら何も行動せず、ただ務めを終えることを待つ人生より、エキサイティングではないでしょうか。


「環境を変えるために転職したいけど、貯金も少ないので、万が一すぐにクビになったら怖いので、一歩を踏み出せない」という人はいると思います。

 お金が原因で勇気が出ないなら、まずは億の近道を進みましょう。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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