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人気離散の直近IPO銘柄

 期待に胸膨らませて上場を果たした企業の経営者にとって、IPO後の株価変動は気になるかと思いますが、このところのIPO銘柄は人気離散でその上場後の株価は低迷状態。中には公開価格割れを演じている銘柄もあるようです。

 昨年のIPO銘柄数は96となりましたが、宇宙関連の2銘柄を始め、半導体関連やDX銘柄なども含めて比較的関心が高まったと言えます。しかしながら多くは上場後の株価低迷が顕著で、上場後の高値から3分の1や4分の1の水準まで売られた銘柄もあり、そうした株価低落銘柄にはもし内容が良ければそこに投資チャンスがあると考えられますので、むしろ株価低迷の時期こそ投資チャンスではないかとポジティブに考えていきたいと思います。

 それぞれに評価のされ方が異なるIPO銘柄について投資するには様々な困難がつきまといますが、とりわけ起こりがちなのは予期せぬ業績の変動です。
 上方修正ならともかく下方修正が相次いで起こると投資家が疲弊してしまいますので、業績の変動が激しい、信頼性に欠けるグロース市場銘柄にはなかなか手が出せなくなります。このところのグロース250指数の低迷はまさにこのことが反映されているかと思われます。
 プライム市場を主体に運用している海外投資家や機関投資家にとってはグロース市場は二の次で、この市場のメインプレーヤーは皆様のような個人投資家です。しかしながら、この市場はなかなか資金流入が乏しいため、運用成果が高められずにいるものと拝察致しております。

 少しだけ昨年を振り返って見ますと、96のIPO銘柄のうち初値が公開価格を下回った銘柄は12月の8銘柄を中心に25銘柄となりました。昨年はSBI証券の問題が発生したためIPOの初値が必ず公開株価を上回るとの触れ込みで営業してきたSBI証券が追及されて業務停止命令を発令されてしまうほどの問題を生じたのですから、この点を考慮してこれまでよりも公開株価に対して初値が安くなる銘柄が増えたのではないかと推察しております。皆さんはどのようにお考えでしょうか?
 これによってIPO前に株式を欲しい投資家はかつてほどはいなくなり、より健全化したようにも思われます。

 テーマ銘柄を中心にIPO銘柄は人気を集めるのがこれまでの常なので、昨年も宇宙、半導体、DX、AIなどのテーマに沿ったIPO銘柄が人気化したようですが、今年も基本的にはこうした新たな事業テーマに沿った銘柄の登場で様々に話題を集めるものと期待されます。既に3Dプリンターや創薬プラットフォーム事業の2社が承認されており、今後徐々に関心が高まるものと期待されます。

 人気が離散してきた直近IPOですが、主力銘柄への警戒感が高まるとともに中小型銘柄やIPO銘柄への見直しが始まる可能性が感じられますが皆様はどう見ておられますか。


(炎)


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