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収益モデルを見る

1.電車賃、ガス料金、電気料金、通信費、保険料、サブスク
2.服飾費、食費、日用品費、美容費、医療費、

 今挙げた1と2の違いは何だと思いますか。

 そうです。
 1は家庭の固定費に分類されやすいもの、2は変動費に分類されやすいものです。光熱費は季節で大分変わるから変動費のような気がしますが、年単位で見れば固定費と考えていいでしょう。


 今回は、家計簿の話をしたいわけではありません。

 私は、億近では子供向けの金融教育論を提供しているので、今回も金融教育の話です。今回は、将来の仕事、すなわち「何をして稼ぐか」の話です。


 自分の仕事選びにおいて、企業の収益構造を理解する力は役立ちます。

 上記のうち、1に分類される業界は「定期的に収入が入ってくる」ビジネスモデルを確立しています。線路を敷いたり、ガス管、電線、電波塔を設置するには大変な初期投資が必要です。ただ、その初期投資を行えば、あとは定期的に収入が入ってきます。
 新参者が大手からシェアを奪うのが難しいことは、新電力や楽天モバイルの動きを見ていても理解できます。
 結局、巨大なインフラ設備を抱えている企業が業界の中心にいます。新参者は、大手の懐に入るか、側道を走る程度がせいぜいです。

 NTT、KDDI、ソフトバンクは、好(高)配当銘柄です。安定的に配当が出ているということは、雇用も安定していることが想定されます。

 固定収入が入ってくるビジネスモデルを確立すると、企業経営は安定化します。もちろんお客さんを繋ぎ止めるために企業努力は大切です。


 一方、2に挙げた家計の変動費を構成する業種は大変です。
 お客さんが移ろいやすいからです。
 顧客は気分で洗剤やシャンプーを変えますし、食品もどんどん新しいものが出てきます。
 ただ、P&GやJ&Jのようにブランドをしっかり作り上げている企業は固定客を掴み、収益が安定しています。

 美容師さんなんかは、「来月もこのお客さんちゃんと来てくれるかな」という心配をいつもしていないといけないわけです。しかも、自分が担当できるお客さんの数には限界があり、無尽蔵にお客さんは増やせません。しかし、1人1人のお客さんを大切にする人は売れっ子なので安定収入を得ています。

 医療業界は、患者が増えることを祈るのも不謹慎ですから、「健康診断」「人間ドック」をドル箱としてうまく経営している病院はたくさんあります。


 株式投資をする際には、その企業の収益モデルを見る必要があります。
 伸びそうか、やばそうか。
 その視点がそのまま自分の仕事選びに生きてきます。

 伸びてそうな企業でも労働集約型だと限界が来てしまったり、システム開発をしている企業でも、簡単に大手に模倣されてしまったり、どの企業も大変です。

 株式投資を学ぶことで、固定客をガッチリ掴む会社を見つけることは、自身の将来の仕事を見つける際にも参考になります。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


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