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先物主導の値下がりに惑わされるな

~必要なのは相場の落ち着きを待つ投資スタンス~

 円安トレンドを背景にした日経平均の上昇が終焉を迎え、為替相場が円高に向かうとともに株式相場は一気に歴史的な調整の動きに変化してきました。

 今夜予想される米国株の大幅調整を待たずに日本株はクラッシュの展開。

 日経平均は前日比12.4%、4451円安の3万1458.42円となり嬉しい悲鳴を上げているのは大量にプットオプションでも買っていた方のみかと思われます。このところはプットオプション買いと先物売りが背景になってのプロの仕掛け人たちによる株下げとも考えられます。
 こうした下げ相場に対応して少しでも売っておこうとする投資家が売れるうちに売っておこうとするため、オンライン証券のシステムにも支障をきたしたという話も聞こえてきます。つまり持ち株を売りたい投資家が押し寄せてパンク寸前の展開ともなってきたと言えます。

 週末から日曜日にかけ多くの株式コメンテーターは理路整然と今回の調整相場について語っていましたが、日銀の良くない追加利上げに米国の雇用統計の悪化、9月の利下げ観測、おまけにイラン、イスラエルの紛争などが浮上。利上げを受け円相場は専門家の予想する143円まで一気に辿りつき、一時は141.66円までの円高に向う。145円で設定しているトヨタも影響を受けそうな為替相場。円安阻止からむしろ円高阻止しろと言いたくなる今日の相場展開。

 株式相場のここまでのクラッシュは珍しい。
 こうなると日銀の次の利上げは躊躇せざるを得なくなりそう。
 外国人なのか国内機関なのか投資家は円高の動きを見ながら波状で売ってきたようです。先行きの景気後退懸念が台頭し、これまで堅調だった米国株への先行き懸念も加わり、連日の大幅急落。日経平均株価はたった2日間で7000円ほども値を下げてしまいました。
 こうした下げ相場の展開でリターンを上げようとする投機マネーは先物を用いて堂々と売り仕掛けをしたりしますので、投資家各位は惑わされることのないようにして頂きたいのですが、株下げの勢いに思わず付和雷同して投げる行動になってしまいがちです。
 なぜなら相場には上げか下げしかなく、今後更に下がると見なせば売りたくなるので更に下げに拍車をかけてしまいます。また信用取引の追証発生が続き、それがいたちごっこのように毎日続くことになります。


 ところで、売り仕掛けは日経平均が一時4万2000円台に乗せた段階から始まったものと推移されます。多くの専門家が強気の見通しを言い放った途端の株式相場の調整には高値覚えをもたらすことになりますが、ここは冷静な対応が必要となります。

 8月5日現在の安値3万1156.12円は7月高値に比べ26.6%の下落となります。

 映画鑑賞していた投資家が煙が立ち込める状態で火災の発生を知らせるネットの専門家筋の発言で、逃げ惑い非常口に押しかけている状況です。まだ映画は素晴らしい続編がある筈なのですが、ここでは冷静に対応して頂きたいところです。

 日本経済や企業業績がいきなり大きくマイナスになることはない筈で、株価の下落によって日経平均の予想PERは15倍以下に抑えられ、実績PBRも1.3倍を下回り、予想配当利回りは2%を大きく超えてきました。
 株価は先行きの企業業績が悪化するとそれを織り込みにいくためPERなどの指標は一時的には低下することになります。指標面で買い安心感が出てきますと冷静に見て直近の行き過ぎた売りの過熱感が収まりますので短期リバウンド狙いの動きに転じるものと想定されます。

 今回の日銀再利上げのタイミングは早すぎたという指摘が多く、日本株には円高と米国景気後退懸念も働き弱気の声が高まることになりそうですがここまでの悲観視は異常です。


 日本株(半導体銘柄、輸出銘柄主導の日経平均)は10月頃に予定されている25ベーシスポイントの再度の金利上昇と米国株のリセッションによる株安を前提に高値から26%程度の値幅調整を終えました。明日もまた追証発生の投げで3万円を割れるとの見方もできそうですが、既に値幅的には良い水準に達してと言えるかと思われます。
 ここから4か月程度の日柄調整をしながら年末を迎えるというパターンがイメージとしては描けます。全体相場の調整に影響を受け個別銘柄にも大きく調整の動きが見られますが、売りが一巡してきますと大きくリバウンドする展開も想定されます。
 個別銘柄ではそれぞれの企業の位置づけが異なります。好業績で低PER、低PBR内需系の銘柄などを中心に売り一巡後のリバウンド狙いが活発になる可能性もありますが、一方では戻り売りのスタンスも念頭に入れておきたいところかと思われます。


(炎)


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