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米雇用統計と労働生産性

 7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25.5万人と予想の18万人を上回る強い数字となった。6月分は29.2万人、5月分は2.4万人に上方修正され2ヶ月で1.8万人の増加となった。

 失業率は4.9%と予想の4.8%を上回ったが、労働参加率は62.8%と前月から0.1%上昇した。パートタイマーを含むU6失業率は9.7%と前月の9.6%から上昇した。

 時間当たり平均賃金は25.69$となり前月比0.3%、前年比2.6%上昇した。

 今回の米雇用統計は総じて強い結果となった。

 数字を受けて12月の利上げの織込み度はFEDWATCHによると34%から46%に上昇した。2年債利回りは前日の0.647%から0.7261%に、10年債利回りは1.502%から1.5902%に上昇した。

 利上げの可能性がやや高まったが、ダウは191ドル上昇した。

 今回の雇用統計は良い数字となり2ヶ月連続で改善した。

 3ヶ月平均の非農業部門雇用者数も前月の15万人台から19万人となりペースは回復した。ただ12月までの利上げ織込み度は上昇したとはいえまだ50%を割っており市場は今年中の利上げには関しては懐疑的状態が続いている。

 9日に発表された米第2四半期非農業部門労働生産性は-0.5%と予想の+0.4%を下回り、第2四半期米単位労働コストは2%と予想の1.8%上回った。

 弱い数字で米経済成長に対する懸念から米長期金利が低下し(10年債は1.585→1.5488%)ドル売りの流れとなった。

 米労働生産性は3四半期連続で落ち込み、イエレンFRB議長は、この指標を注目しているようで、8月のジャクソンホールでのイエレン発言が注目される。

 この数字を受けてドル売りとなり雇用統計後のドル高をほぼ帳消しにしてしまった。やはりドルの方向性は8月のジャクソンホールでの会合まで一進一退となりそうだ。

 米国株堅調だったこと、日銀のETF買い入れ増額などは日本株にとっては買い支え材料になり16500円を維持した。円高にもかかわらず日本株は小動きになっている。

 米国株が堅調で、日経平均が堅調であればドル円も100円台を目指すというよりは下値はサポートされ100.50~103のレンジで推移するのではないかと思われる。

(YEN蔵)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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