『スカイフック』あとがき

 2018年10月、大腸がんの為、2週間ほど入院していました。その間に書いたのがこの『スカイフック』です。さすがに病院にパソコンを持ち込む訳にはいかないので、折り畳みのキーボードを使って携帯に入力し、退院後編集して仕上げました。

 その後、何処かの新人賞に出しましたが、箸にも棒にもかかりませんでした。その時も思いましたが、この作品は解説が必要だなと思いました。

 今回、4月5日からnotoを始めて、この作品も18回に分けて投稿しました。それなりにビューをして頂きましたが、書き手としての力不足も在り、若干の不満が残りました。補足を入れることによって、モヤモヤを解消したいと思います。これを読んで、また初めから、この作品に目を通して頂けるとありがたいです。

 題名『スカイフック』について

 空中に線が張ってあり、そこにフックが掛けられているので、絶対に下には落ちないという意味であり、大型爆撃機B29を象徴しています。作品の中では、墜落する場面の一か所しか出てきません。

 しかし、この「スカイフック」は、この作品の大きなテーマです。私達の常識と思っていることが、実は架空のものであり、そこに吊り下げられて安全と思っていることが、不安定な状態にあるということです。

 本土爆撃の不安な様子、元教師の兵隊が熟練ではなしに理論で砲撃して成功する話、市民がアメリカ兵の遺体をぞんざいに扱う描写などに入れ込んでいます。全編を通じてこのテーマが織り込まれるようにしています。

 投稿にこの作品を選んだのも、現在の状況がまさに「スカイフック」であるからです。

 著者名・サブタイトルについて

 この作品を書くきっかけは、近い将来に機械が人間より勝る文章を書くことが出来ると予感したからです。画面での文章が主流になるにつれて、文章は、読むから見るに変わってしまった。見る文章は、深みのない薄い文章です。このままでは、すぐに機械に追いつかれてしまいます。

 そこで、機械の限界は何処まで来るのであろうかと予想して書きました。最初、プログラム名をそのまま作者名にしようとしました。それでは、書き手としてどうしても不満が残るので、結局野暮は覚悟で私の名前を入れることにしました。

 『スカイフック』だけでは、目に留まらないと思い、サブタイトルは当初「文章生成テキスト」と入れました。一話目は、それでも通用するのですが、段々と話が日本のことになると、違和感が出てきましたので、ずばり「AIが書いた小説」にしました。最後までそれで行きましたけれども実際は私が書いているので、ニセモノ感が漂って、個人的には好きではありません。

内容について

 前提として機会が書いた小説としているので、題材にフィクションを入れていません。機械なので、事実をありのままに入れています。一部を省き人物名も実名です。そのままでは、面白くないので、私が脚色を入れています。

 機械が書いているように見えて、実は人間が手を加えている。この感じが出せればなと思います。

何本も、複線を入れています。読むごとに、新しい発見があるはずです。自分だけの『スカイフック』を楽しんでください。

 今後の創作活動に役に立てたいと思いますので、ご意見、感想など何でもいいので聞かせてください。宜しくお願いします。

サポート宜しくお願いします。