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死、生。


向き合いたくないことに、「苦手なこと」がまず挙げられるけれど、「常に考えても気分が重くなるだけなこと」もある。
私は後者を、死や生だと思っている。

私自身は気分が重くなることもないし、よく考えている。戦争に関わらず、大きなことではなく、小さくそばにあるものとして。私の表現の大切なテーマとして。

死が怖いという感覚は多くの人が持っていると思う。後々、自覚していくから尚更。

先月展示の際に提出した写真のコメントに、生き続けている時間の方が怖いということを書いていた。正直なところ、勢いのまま書いて言葉に対する自覚が薄くなっていた。

死に人間は十分向き合っていると思う。
お葬式だってテレビでだって、人間が亡くなる事実を身をもって理解しているから。

死は、点のよう。
黒く小さな点。

生は、線のよう。
白く細い線。

いつだって過去になる死の怖さは、本当は私たち体験できないと思っている。他人の死には関わってしまうから、震えそうになるけれど、生きているから。

自分が書いたあの文章の意味を、なんとなくわかってきたように思う。

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