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ともだち

私にはふたり息子がいて、ふたりともあまり人見知りをしない。
特に長男は、全然しない。気がする。
馴れ馴れしすぎてちょっとあわあわしてしまうことも珍しくない。

はじめて会った名前も知らない子も「ともだち」と呼ぶ。
普段単語はほとんど英語なのにそこは日本語なのもちょっと不思議。

「ともだち」にはあまり年齢は関係なくて、学校の上級生や、旅先でかまってくれた青年は「おっきいのともだち」だ。
カタコトなのがまた笑いを誘う。
私の妹を「ママのともだち」と言ったりするから、あんまりよくわかってないのかも。

でも私は彼が、出かけた先で出会って言葉を交わしたり一緒に遊んだりした、きっともう会うことは叶わぬ人たちのことを「新しいのともだちねぇ」「さっきともだちと遊んで楽しかったね!」と話すのが好きだったりする。

***

私の住む、というかバンコクにあるコンドミニアムの多くはジムやプールなどの共用施設があって、出不精には大変有難い。
休日どこにも行きたくないけど子供がかわいそうかなぁという時などに重宝します。
長男なんかは放課後ひとりで泳ぎに行くこともある。
それでよく、「プールでともだちと遊んだよ!」などと言う。
知らない人が尋ねて来てお菓子やケーキを頂いたこともあって、私の知らない彼の交友関係があるのだなぁと変に感心してみたり。

息子ふたりを連れてプールへ行ったとある休日。
プールの入口に、畳んだ車椅子が置いてあった。
それを見て長男が「ぼくのともだちいるよ!」と言って駆けていった。

はて、このコンドに車椅子の子なんていただろうか?
そう思いながらプールサイドへ行くと、たまに見かける、足の悪いおばあちゃんがメバーン(お手伝い)さんに支えられながらゆーっくりゆーっくりプールの中を歩いていた。
リハビリの一環なのだろうか。傍では旦那さんらしき男性が見守っている。
三人に向かって「Hello!」と手を振り挨拶する長男。
「ぼくのともだち!前ね一緒に遊んだよ!」と教えてくれた。

多分高齢のご夫婦が彼と一緒に遊ぶことは困難なので、プールという空間を共有したことを、ひとことふたこと言葉を交わしたことを「遊んだ」って言ってるんだろうな。
なんて考えながら、ふふふと笑ってしまった。
無邪気ねぇ。

こういう時いつも、このままあんまり成長しないで欲しいなと思ってしまう。
親のエゴですけども。
幼かった私にはなかったこの感覚を、なんとなくでもいいから失わないでいて欲しいなぁ。なんて。
きっとこれからもたくさんともだちができる彼が少し、羨ましかったりもする。
彼の目にうつる世界はどんななんだろう。


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