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運命というものが存在するならば

先日、人生で初めての内見で訪れたマンションは、事故物件だった。
立地、設備、賃料と様々な観点からみてもとても優良、もうここに決めようかと思っていたのは前日のこと。

内見当日、ふとマンション名をググったところ、大島てるさんのサイトがヒット。
そのマンションの1室で、死体遺棄事件があったとのこと。
この情報を手に入れた上で、とりあえずは内見に向かった。
住む住まないは別にしても、マンションを訪ねるだけでも、何かよからぬことの発端にならなければいいが…
と、不穏な内見が始まった。

結論から言えば外観・内観と申し分なく、総合的にもとても気に入った。
ちなみにこのマンション内にはいくつか空いている部屋があったわけだが、どの部屋が事件の現場だったのか、不動産屋に尋ねてみても、それだけは頑なに教えてくれなかった。
またこれは、本事件についての知識を得てしまったからなのかもしれないが、このマンション、そして周辺地域が心なしか暗く映ったのだ。
何故なのかは全く分からないが、人気をあまり感じない。
陰鬱とした雰囲気を感じた。
内見後にさらに、周辺地域を詳しく調べてみたところ、近辺にいくつもの事故物件が存在していることが発覚してしまったのだが、何らか関係があるのだろうか。
まあそれはともかくとして、初内見で事故物件を引き当てていくやつなんているのか…?
そう思って「初内見 事故物件」なんて検索してみたりもしたが、同様の体験をしている人を、見つけることはできなかった。

そして驚くべきことに、偶然はこれだけではなかった。
元々連れていく予定はなかった母にも急遽、内見に付き添ってもらったのだが、母と事件被害者の名前が同じだったのである。
中々不気味な様相を呈している本物件について、周りの人間は当たり前のように

「そんなとこ住むのやめとけ」

なんて言うわけだが、もし住んでみてなにか起きたら出ればよい、人生で1回くらいはこんな経験をしてみるのもおもしろい、などとも思う私である。
しかしながらふと考える、既になにかに誘われこの物件に引き寄せられているのではないか、とも。
とは言え、内見前に本事件の情報に辿り着いていることに関しては、吉と言えるのかもしれない。
何年も前の事件、告知義務などについてのルールも変遷し、緩くなっている現在。
私から尋ねなければ、仲介の不動産屋・大家などから、これらの情報を教わることはなかっただろう。
不吉な経験と捉えることも出来よう。
ただ

「何かが自分を守ってくれたのではないか?」

そうも感じられる不思議な経験に、感謝している。

私の記事が、何らかの形で貴方のお役に立てたら幸いです。 もしサポート頂けましたら更に幸いです🥲