KUMA

久真八志(くまやつし) かばん所属。第31回現代短歌評論賞。第58回短歌研究新人賞候補作。 https://twitter.com/okirakunakuma Slideshare→slideshare.net/YatsushiKuma

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久真八志(くまやつし) かばん所属。第31回現代短歌評論賞。第58回短歌研究新人賞候補作。 https://twitter.com/okirakunakuma Slideshare→slideshare.net/YatsushiKuma

マガジン

  • 熊はかわいく人を狩る

    ノンジャンルのエッセイを収録しています。

  • 論理的な熊になりたい

    短歌などの批評など

  • 妻歌夫歌

    夫婦を通して何かを考える。妻または夫をテーマにした短歌の一首評マガジンです。

  • もチーぬとぬチーも

    「もチーぬ」と「ぬチーも」の一コマ漫画

  • 男のままでかわいくなりたい(試し読み無料版)

    おしゃれに全く興味のなかった三十代の男が、「かわいい」を目指して着物を自作し、街に出るまでのエッセイです。全12編。 【無料試し読み版】

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妻の鏡には月がうつっている

    • 自選俳句(2024年5月26日)

      髭堅き父久真八志 1ウルトラの父の髭堅し冬銀河 たんぽぽのにりんいちりん恐山 妻ときて他にはいない兎展 忘れたらそのままになる冬の月 この冬のすべての鍵を閉める音 忘れたき声のよぎりて花の雨 2おじさんの瞼震わし雷来たる 香水の瓶開くときの螺旋かな 木苺垂るる天守物語の階段 春立ちてみなぎる犬の額かな 尾短き犬のみるゆめ芝桜 芽キャベツのような面してふぐりかな 3五月雨やかくりかくりと妻の膝 子らの眼にベイブレードの煌めくや 卑しきひと夏雲垂れ

      • 妻と筋肉【詩型融合作品】

        短歌・俳句・自由詩の融合作品です。 第五回詩歌トライアスロンで候補作に入りました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 妻と筋肉                  久真八志 1. 妻が、鍛えはじめた 冷えた床を ダンベルが転がる シャーベットカラーの金属の音 〈妻と来て他にはいない兎展〉 玄関ドアをひらくとセンサーライトがつぎつぎと点る 廊下の先には妻の 規則正しい息 〈尾を探すけもののようにクリスマス〉 ダンベルを擡(もた)げるたび 妻の

        • 【ツイキャス】現代思想特集「男性学の現在」を読んでいたらパンツの話になった

          現代思想2019年2月号『特集=「男性学」の現在』を読みました。 感想をツイキャスで話したのでまとめておきます。 1:前半 2:後半 3:まとめとおまけ(パンツの話) 【補足】 途中で出てくるアンケートはこちらです。 「うちゅうリブ」はこちらのサークルです。よく顔出してます。 うちゅうリブメンズリブ的なアプローチで、さまざまな話題を語り合う「うちゅうリブ」の公式ブログです!uchu-lib.hatenablog.com

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        妻の鏡には月がうつっている

        • 自選俳句(2024年5月26日)

        • 妻と筋肉【詩型融合作品】

        • 【ツイキャス】現代思想特集「男性学の現在」を読んでいたらパンツの話になった

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        • 熊はかわいく人を狩る
          12本
        • 論理的な熊になりたい
          9本
        • 妻歌夫歌
          5本
        • もチーぬとぬチーも
          5本
        • 男のままでかわいくなりたい(試し読み無料版)
          5本
        • 妻の鏡には月がうつっている
          7本

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          【一首評】今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇のみな美しく 皇后美智子

          今しばし生きなむと思ふ寂光に園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく 皇后美智子 今年の歌会始に出された美智子さんの歌です。題は「光」 私の亡くなったお祖母ちゃんは美智子さんが好きで、よく「美智子さん」と呼んでいました。だからこの呼び方がしっくりきます。私は祖母みたいな皇室好きではないのですが、歌人としての美智子さん、特に歌会始に彼女が出す歌には注目しています。 短歌をやっている人と皇室好きな人には常識かもしれませんが、美智子さんは自分の歌集も出しているほどのガチの歌人です

          【一首評】今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇のみな美しく 皇后美智子

          あなたには(靴下などの干し方に)愛が足らぬと妻はときに言ふ【大松達知】

          あなたには(靴下などの干し方に)愛が足らぬと妻はときに言ふ  大松達知 僕の場合、妻のシャツを洗濯ばさみにはさんで干したら、ハンガーを使うようにやんわり注意されたことがあります。 掲出歌はあたたかいユーモアが魅力です。 「あなたには愛が足らぬ」この発言だけならばすわ夫婦の一大事?ですが、()の内容を補えば実にささいな日常の一コマである。そのギャップが笑いを誘います。 加えて「妻に叱られる(攻められる、ひどい扱いをうける)夫」を夫自身が描くのも、よく用いられる自虐ネタのパタ

          あなたには(靴下などの干し方に)愛が足らぬと妻はときに言ふ【大松達知】

          妻とピアノとミラクルロマンス

          僕はピアノを弾けない。習ったこともない。 小学校のころ、学校行事の一環で学年全員で合奏したことがあった。 90人からの大合奏。普通であれば、大多数の子供はリコーダーを吹くか打楽器を鳴らすぐらいしかできないだろう。 ところがうちの小学校の音楽の先生は熱心な人で、マーチングバンドのクラブを率いてそこそこいい成績を収めていた。 つまりトランペットやらトロンボーンやら合奏映えする楽器の演奏要員は確保できる算段があった。 そこにピアノなどをお稽古で習っている子を含めれば、それなりに厚

          妻とピアノとミラクルロマンス

          やたら重いガラス扉を妻のために開ける

          やたら重いガラス扉を妻のために開ける

          一番の友が夫であることの物陰のない道を帰りぬ【雪舟えま】

          一番の友が夫であることの物陰のない道を帰りぬ 雪舟えま これと全く同じことを妻に言われたことがあります。 そして、悲しくなったことをよく覚えています。 僕がデータベースとして使っている「闇鍋」には9万首弱の短歌が収録されていますが、妻もしくは夫を「友」と表現する歌はこの一首しかありません。(ちなみに妻もしくは夫の出てくる歌は合わせて1千首弱といったところ) 「友達夫婦」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。 友達のような関係の夫婦という意味で、ポジティブな意味では程よ

          一番の友が夫であることの物陰のない道を帰りぬ【雪舟えま】

          2018年♡がたくさんついた記事まとめ

          ※同数の場合は閲覧数が少ない方の順位を上にしています。 1位 たらこパスタのきざみ海苔と初音ミク2位 妻の鏡には月がうつっている3位 ジャンボパフェを食う男4位 アドバルーンを妻と5位 倉橋ヨエコで峠を越える6位 妻のパンツを干すとき悩む エッセイ(文章)とエッセイ漫画が交互にランクインしました。 読んでくださったみなさんありがとうございました。 来年もよろしくお願いします!

          2018年♡がたくさんついた記事まとめ

          「解釈戦略」というキーワードについて考えていたら短歌結社もありかなと思えてきた

          『「短歌結社の再定義」 を読み論じる会』に行ってきました。 これは歌人の中島裕介さんが現代短歌評論賞に応募された評論の読書会です。作品はこちらで公開されています。 「短歌結社の再定義 ――解釈共同体としての短歌結社」 以下引用は全てこちらからとなります。 会の内容はあとでまとめて発表する予定とのことでしたので、気になる方はそちらを読んでいただくとして。 出席した私の感想というか、考えたことを備忘録的に書き留めておきます。 場所は新宿ルノアール区役所横通り店の貸会議室。

          「解釈戦略」というキーワードについて考えていたら短歌結社もありかなと思えてきた

          妻ばかり蚊にさされる

          妻ばかり蚊にさされる

          縄跳びを教へんと子等を集め来て最も高く跳びをり妻が【奥村晃作】

          今回はほっこりする感じの歌を紹介します。 縄跳びを教へんと子等を集め来て最も高く跳びをり妻が 奥村晃作 歴史的仮名遣いなので慣れない方には読みづらいかもしれませんが、内容を理解するのは難しくないと思います。あえて書き下せば「妻が縄跳びを教えようと子供たちを集めて、いざ始めてみると一番高く跳んでいたのは妻だった」となるでしょう。 しかし書かれているエピソードだけでない、主体(夫)の気持ちが文章から伝わってくるのがこの歌のよいところ。一連のエピソードを見たときの夫の小さな驚き

          縄跳びを教へんと子等を集め来て最も高く跳びをり妻が【奥村晃作】

          苦瓜よわが撲つ妻よ茶ぶ台の何も語らぬでこぼこのすぢ【和里田幸男】

          苦瓜よわが撲つ妻よ茶ぶ台の何も語らぬでこぼこのすぢ  和里田幸男 妻への暴力を短歌にするのはかなり難しく、テクニックが要求されます。 というのは、作品としての評価をするうえで多かれ少なかれその作品がもつ倫理的な価値を読者は見積もっているからです。倫理的に良くないことを作品(作者)が肯定していると感じられるものは、低評価をくだされるリスクを負います。 昔ならいざ知らず、現代では妻への暴力はいかなる理由があっても許されない。僕もそう思っています。それにもかかわらず、少なくとも

          苦瓜よわが撲つ妻よ茶ぶ台の何も語らぬでこぼこのすぢ【和里田幸男】

          夫はたぶん知らないだろう抱きかかえるように拭きます便器というは【前田康子】

          夫はたぶん知らないだろう抱きかかえるように拭きます便器というは  前田康子「黄あやめの頃」 妻の「私は使わないけど好きにしたらいいよ」の後押しを受けてウォシュレットを導入した我が家では、便器の掃除は僕の担当です。別に便器掃除自体は好きではないのですが仕方ありません。待望のウォシュレットなので愛着がなくはないのですが…… 特に便器の奥、裏側を雑巾で拭こうとすると手を伸ばして、まさに抱えるような体勢になります。便器の中が顔に近づいてしまうんです。頭にこびりついた衛生観念のせい

          夫はたぶん知らないだろう抱きかかえるように拭きます便器というは【前田康子】

          お酒を飲めば誰でも気分転換になると思わないで下さい~避けるべきは女性なのか

          「お酒を飲めば誰でも気分転換になると思わないで下さい。  そういうことが苦手な方もいるのをお忘れなく」 (小笠原綸子「SHIROBAKO」第16話) 先日こちらの記事が話題になっていました。 ウォール街、「#MeToo」時代の新ルール-とにかく女性を避けよhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-03/PJ5GIH6JTSEL01 この記事の内容がどれぐらい真実かはともかく、「セクハラと言われるリスクを冒さないた

          お酒を飲めば誰でも気分転換になると思わないで下さい~避けるべきは女性なのか