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病気との共同生活

これから書いていく投稿は、1人の少女との記録。メッセージを通して文字だけの往復ではあるが、そこには計り知れない程の想いが詰まっていた。
だからこそ、声を届けよう。声にならない声を届けようと思い、筆を取るに至ったのである。

少女は産まれてすぐに、ある病気と診断を受けた事は前回の投稿、《病気との出会い》で少しだけ触れた。それから現在に至るまで、10年以上も病気と共に生きている事になる。しかも日常生活が制限される程の病気と、である。《病気との出会い》でも書いているが、実際の病名や具体的な事柄については敢えて書いていない。個人の特定もそうだが、騒がしい事に巻き込まれるのは避けたい事でもあるし、筆者も少女を見守りたいとの思いもある。この様な投稿をしているのも、少女個人を知って欲しいからではなく、

『自分みたいな人を救えるんじゃないか』

と言う少女の言葉がきっかけだった。そうして最初の投稿《声無き声を聞け》で掲載した

《病気に負けないコツ》

は誕生する事になる。では何故、少女自身が自ら投稿しないのか。それにも理由がある。病気の治療を行いながらこの様な投稿を書くというのは、物凄いエネルギーを必要とするからである。何を書くか、どう書くか、何を伝えるか、どう伝えるか考え、書かなくてはならない。書いている間、画面に集中し、画面を見なくてはならない。投稿後に反応があった場合に対処しなくてはならない。少女にそれだけの体力、エネルギーは無いと言っていい。

『検査の時も辛くなる頻度増えて、寝るのが怖いんだよね。寝たら明日起きないんじゃないかって思う』

長期間に渡る闘病生活での検査に次ぐ検査。
現在も闘病中である事を考えればその結果が芳しいものではない事は想像に容易いのではないだろうか。それでも続く検査と治療。


『でも寝ないと体力が無いからすぐ疲れる。それだけ進行してるって認識でいいと思うんだよね。自分の体は自分が分かるから1番怖い。』


自分の体だから。自分の事だから自分が1番分かる。そして感じる恐怖。心身壮健で日々を送っている多くの人には分かりにくい感覚なのかも知れない。しかし、今まさに病院で、病室で、ご自宅で病気と闘っている読者が居たとしたら、この感覚は共有出来るのかも知れない。病気であること、今も闘っていること、これから先に待つ未来に向けて、全てを受け入れ

少女は今も病気との共同生活を続けている

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