障がい者の仕事と生きがいを考える

障がいのある人が社会の表舞台に立つ。
それはハードルの高いものなのだろうか?

実は彼ら、私自身も含めて、多くの可能性を秘めた人材なのだと思う。

でも世の中はとても厳しいんだなと感じてしまうことが多い…


障がいについては案外身近な存在だった

今でこそ、精神障害3級の私だが、それまで障がい者雇用のイメージというと身体障がいのある人向けだった。
車椅子だとか…発達障がいの人とかが内職的なことをする、ぼんやりとそんなイメージ。
小学生・中学生の頃は同級生で知的障がいのある子が2人いたし、旦那の姉も重度障がい者なので、案外障がいについては昔から身近な存在だった。

ドキュメンタリー番組だとかで取り上げられると率先して視聴する。
障がい者のひとたちにマイナスの印象という印象は無かった。
むしろ、生まれてきたことに意味はあるだろうし、彼らは生きていくための模索は健常者より人一倍努力していると思っていた。

しかしながら、学生時代は身近に思えていた障がい者のひとたちだけど会社員になると途端にパタリと姿を見なくなったような気がする。
子どもの頃の同級生だった障がい者の子たちも今、どうしているのか気になっている。
どうしたかな、元気かなとふと思い出すことがある。

普通に働くことが出来る、と思い込んでいた自分

私自身は障害者3級の転換性障害であるが、発覚(診断)したのは大人になってから、正規雇用後のこと。

いわゆる繊細さん、HSS型HSEの私は子供の頃から正社員時代、今まで生きづらかったと振り返る。
近年大人の発達障害だとか、アダルトチルドレンとか、社会問題化しているのをニュースやドキュメンタリーで見ることが多い。

私もそのなかの一人だし、健常者と思っていたら実は転換性障害だということが分かって一般就労が一気にハードルの高いものになってしまった。

働くことが生きがいのようなものであったので発覚するまで思い描いていた人生設計も大幅に狂ってしまった。
正社員。家を建てた。子どもがほしい。などと考えていたものが全部ネガティブなものになってしまった。

全ては、普通に働いていたら普通に生きられたのかもしれない。
しかしながらそれは今や難しいものとなったのだと、つくづく実感している。

生きていくための仕事の選択肢

生きていくにはお金が必要だが、生きがいもそれ以上に必要。

出来ることはあるのに障がいの先入観からか、仕事をするのにも書類選考で落とされることがしばしば。ならば、一般雇用ではなく、障がい者雇用を視野に入れて探してみるもののそうそう簡単には見つからない。

私の場合、筆談可や電話考慮などの条件を入れて探す。
が、大体は都心の企業が多いので田舎住みの私にとっては移住するレベル。
逆に地元では工場などの軽作業、就労継続支援の事業所などが多い。

しかしながら一般就労よりはるかに月収は少ないし、就労支援の利用する場所を探したり市役所で利用者証を発行してもらったりケアワーカーさんとのやりとりをしたり、市によっては手続きが厳しいだとか…利用を開始するまでもかなり手間。

どういう場所が自分にとって生きやすい仕事なのか、と考える。
障害年金は2か月に一度で正直1か月換算だと生活など到底できないので、アルバイトや派遣なども探しつつフリーランスとしてフルリモートで事務委託の仕事をしている。
一般就労は到底難しいと痛感したのでとりあえず出来ること(PC作業とか諸々)を仕事にするか、とフリーランスになった。
Webデザインの勉強や同人作家もしながら、その類の仕事探しもしている。

親は理解してくれないし、根性無しだとか、フリーランスで生きていける訳が無いだろう、と批判されている。というか批判しかしない。
応援してくれてもいいじゃないか、と思う。

旦那は辛うじて理解をしつつ応援してくれるが、深層では苦しそう。
本当に申し訳ないと思う…

障がい者としてのロードマップが描けない

よく、フリーランスになる際にロードマップを描くと思う。
しかし私は上手く描けない。難しい。

何をどうしていけばいいのか、イマイチイメージが湧かない。

スキルを上げるとか知識をつけるとか、ポートフォリオを作成するとかは分かるけどもそれ以降の営業だとかが難しく思えてくる。

出来る事として、コミュニティや交流会に参加したりして自分を知ってもらう。自己紹介から筆談なので驚かれることもあるし、理解してくれて順応してくれる人もいるのでそこは通常の就労とは違って寛容だと思う。
私にとっては普通に話しかけてくれること、筆談でやりとりしても嫌な顔されないのはありがたいこと。

ロードマップはなんだか描けないが、自分なりに少しずつ出来ることを増やしながら出来る限りのことをしていくしかないかなぁと日々思う。
何せ出来る事はあるけども未経験から始めたものもあるので実績が少ない。
まだまだ道は長い。

さらに、ちょっと自信を無くしてしまったのだ。
声が出ないことが足かせになって色んな雇用の応募をしてみるものの落ちすぎて余計凹んでる。

障がい者が活躍できる就労って何だろう

転換性障害が発覚して、今までの生きにくさに名前が付いたことで腑に落ちたのもある。
失声になって1年が経過してより一層自分の生き方や働き方に対して悩みを持つようになった。

多分、身体障がいや発達障がいのひとたちもこんな気持ちなのかな、とぼんやり思いながら色々と考える。

就労とはなんとも難しい問題か。
普通に働くにも、難しい。
健常者と同じような給料がもらえて、健康で働くというのは難しいのだなと一般就労も障がい者雇用の求人、更に就労支援事業所のページを見ていて感じる。
事業所によっては時給100円とかその程度の工賃。
障がい者雇用は最低賃金が保証されてはいるものの、現場によっては障がいの内容によっては理解を得られず、とかもあるだろう。

表舞台で障がい者が活躍するには周囲の理解と、障がい者の可能性を見出していければ一番良い。
ただしそれはやはりというか、身体が思うように動かないとか、メンタルがキツイとか、そういった辛さが分かるのは本人だけだし、周囲が寄り添うにも中々難しいものなのかなとも思う。

特に、見た目では分からない障がいだと余計寄り添い方って分からない。
私自身も日常生活で筆談をするとびっくりされるし、
英語やら中国語で返事をされることもしばしばだし…

就労支援事業所、増えたなと感じる

利用はしていないけども、街なかでははっきりと就労支援事業所が増えたと感じている。
A型、B型、地元で検索しても結構出てくる。

多分業務委託で就労支援事業所の事務をやってるから余計目につくのかもしれない。日々利用者さんと支援員さんとのやり取りを文面で見たり、勤務日報を見たりして「この人今週は調子悪いのかな」とか「今日は元気そうだな良かった」と思いながら、見たことも話したことも無い利用者さんを間接的にかかわりながら事務をしている。
始めて多分5か月くらいになるだろうか、やっぱり利用する人も増えている。
毎月毎月、体験する人、利用を始めた人、去ってく人もいるけど、利用人口は増加傾向。
当然ながら休んだ人の理由とかも見ることがある。
あるある、分かる、というような感じ。当事者だから分かる、その理由。

一般就労、障がい者雇用が難しいひと向けの就労支援事業所。
もはや活躍出来る最後の砦という印象だ。
仕事の内容は様々だが、衣類の分別やタグカット、工芸品制作、弁当やパン作り。どれもいわば裏方的な感じ。
ドキュメンタリーのなかには調理師の卵的な扱いだったり、チョコレート職人だったりと夢のある仕事も存在する。

でも色々調べているとやはり大半は単純作業で、月収は多くて8万くらいだろうか。私が高校生の頃(15年くらい前)のアルバイトくらいの収入だと思う。
物価高やらなんやらの時代でこれはこれで生活も大変だ。
しかり利用者さんだけではなく、事業所側もこんな時代だから運営も大変みたいだ。
なかには赤字続きだったりして閉所するところもあるようで、路頭に迷う利用者さんもいる。
国からの補助があるとはいえ、指導する職員も足りないと、三重苦以上の問題もあるようだ。なんとも厳しい現実。

家族の理解協力は不可欠だけど、それ以上に社会全体が寄り添う必要がある

先天性の障がいの持つ人ももちろんだけど、大人になってから発覚した障がいのある人に対しても、健常者に対しても昨今の社会って厳しいと思う。
徐々に法整備や制度の拡充はされているけども、まだまだ昔ながらの体育会系というか、根性論というか、日本人の悪いところが滲み出てる。
ちょいちょい闇があるものを目にするとしんどいなと感じる。

毒親だとか、ゆるブラック企業とか、完全にブラックとか、家庭という第一コミュニティから会社、学校、地域に至るまで厳しい。
ていうか冷たいと思う。

実際、失声で筆談になってから、
びっくりされたり嫌な顔されたり、
外国人に間違えられたり、
コミュニケーション出来ないのでは?と偏見を持たれてしまったり、
ましてや、「声が出なくても仕事ありますよね?なんでしてないんですか?」と言われてしまったりすることもある。
(そんなことを言うなら仕事紹介してくれよ全く、と思う)

転換性障害に関しても、
過呼吸について心無い言葉を吐かれたり
意識や記憶が飛んでしまうことについて「演技でしょ?」と言われたりする。

そりゃ、見た目は健常者ですから私。
分かってもらえないことのほうが多いです世の中。
ヘルプマークつけてる人がとても目につくようになった。
案外世の中多いもんだと感じた。
私のように見た目では分からない障がいをもってる人も多いんだなと。
当然、先天性の障がいや車いすや白杖を付く人然り、案外世の中は障がい者の人、多いんだなと。

でもそんな世の中だからこそ、家庭を飛び出して社会全体で取り組むべき問題だし、障がい者の働く意義や生きがいを考えなくてはいけないと思う。

まだまだ知らない制度があるけども、
SDGsのなかにもあるように、一人ひとりが取り残されずに生きられる世の中になれば良いなと思うし、私が出来る事で救えることもあるとだろうから何かの助けになりたいと考えてる。

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