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私は何者か、62



いくつだったとしても、何者だったとしても、考えねばなるまい。

何故、生きているのかということ。


そして、そんな割っても割り切れない、平方根のような世界で考える。

考えよ、私。

死とはなんぞ。

さっきまで、彼の腕枕にうつら、うつら。


死とはなんぞ。誰か見たものはいるのか。

さっきまで、彼の鼓動にうつら、うつら。


いつものように、彼の胸で独り言つ。

考えよう。

機知と、理想と。


      春の夜の 夢ばかりなる手枕に かひなくたたん 名こそ惜しけれ


周防内侍さま。いま風に言うなら、すげーウィット。


春の夜の、


私は何者か。




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