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どうせ2日で終わる日記【3日目】

まさか3日も続くとは思ってもいなかった。
今日を「日記3日目記念の日」として国民の祝日にする法案が可決されます(総理大臣)。
次は一週間続いたら国民の祝日にしようと思います(総理大臣)。

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閑話休題、今日の日記。

今日人生で初めて神保町の古本屋通りに行った。
以前から気になってはいたのだが中々赴くことが出来ずにいたが、今回やっと訪れることが出来た。

半蔵門線の神保町駅の出口を出ると、すぐ目の前に本屋が構えていた。

「お~、さっそく古本屋のお出迎えか!流石古書の町と呼ばれる(知らない)だけあるな」

そう言いたくなったが突然隣にいる人間が一人のくせにそんなことを言いだしたら怖いのでやめておいた。
なお、一応言っておくと僕が最初に目にした本屋は古本屋ではなく普通の本屋だったため、なおさら口に出さなくてよかったと思っている。

横断歩道を渡ると目の前の通りには――対岸からは見えなかったのだが――古書店の看板がまさに「整列」していた。
普段これだけの古書店を見る機会がないため、その圧倒的な情報量に高揚を超え恐怖し出していた。
神保町のサイトを見るとこの通りだけでなくあちこちに古本屋が点在、というか散在しているようだった。
本当だったらこれを一軒一軒じっくり見て回りたいところだったのだが、すでにここに来る前にそれなりに歩いたことで体力を消耗しており、またこの後も予定があったため目の前の通りを一通り見ることだけに注力することにした。

店はどれも古本、しかもブックオフで扱うような比較的新しい本も混じったような品揃えではなく、殆どが年季の入った貴重な本という雰囲気を醸し出していた。
本好きならわかってくれるだろうが、こうした古くてハードカバーの本がぎっしり並んでいる様は非常に心が惹かれるものだ。
一つ一つに込められた圧倒的な情報量と日焼けた拍子に積み重なった歴史が胸を躍らせる。これら一つ一つにこれを書き上げた力溢れる筆者が存在し、これらに基づいて後世で新たな本が生まれてくると思うとワクワクが止まらない。

これは甘い罠だ、と僕は確信した。

コミックマーケットなどの即売会に行くと想定よりも早めに予算が尽きてしまう。それと同じ現象が今古本屋で起ころうとしている。
これだけの希書がこれほどの価格で買い取ることができる。

それは喜ばしくもあり、恐ろしくもある。

僕の財布は果たしてこの後友人と行く焼き肉まで耐えるのだろうか。
バイトの給料が入るまでちゃんとした生活を送る分だけのお金を取っておくことが出来るだろうか。
僕はそんな一抹の不安を胸に、早速一軒目の古本屋で本を買った。

仕方がない。
これは前から欲しかったんだ。
定価が5500円のところ800円だぞ!?!??!買うだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

……まあ、衝動買い、という言葉は否定することが出来ないが、前々から欲しかったのは本当だ。
古い本ではあるのだが、以前からお世話になっている学芸員さんのデスクにこれが置いてあって、欲しいと思っていたのだ。

それにさらに付け加えて言うのなら、今回買ったのはこれ一点のみだ。
勿論欲しいものは無限にあった。非売品でオークションなどでたまにしか出品されず、また出品されても二万円は超えるであろう書籍が7000円で売っていたのだから、それを何とか堪えて買わなかったことは褒めて欲しい。
いや、褒められるべきではないのだろう。この時のために貯金をしていなかった僕を誰か叱ってくれ。


まあ、そんなわけで色々店舗を二時間くらい見てまわり、涙をのんだこともあったがいい本が買えてホクホクした、という話。
神保町のあの通り一つだけでも、どうやら扱う本の種類が書店によって異なる、棲み分けているようで、理系の書籍ばかり扱う本屋と歴史などの資料ばかり扱う本屋が並んでいたりと、非常に飽きない並びとなっていた。
あの独特の空気感はクセになりそうだ。

今度はちゃんとお金を用意して思う存分散在したい。
図鑑系は勿論欲しいのだが、それ以外にも画集などの美術系の書籍も充実していたりと、欲しいものを挙げたらきりがなくなりそうだった。
途中の書店の二階の一角にイートインスペースのようなコーナーがあり、そこでコーヒーを飲みながら読書が出来るようになっていた。
こんな時期だから難しいかもしれないが、是非コロナがある程度落ち着いたらあそこでゆっくりとコーヒーを飲みながら読書に耽りたいものだ。

神保町の古書店通り、最高。

それでは

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