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旬杯ストーリー 「結」
恋の始まりはあっという間だった。
LINEの交換をした所で僕の車のバッテリーが上がって居る事に気付いた。
僕等は大笑いをしてJAFを呼び、道の駅に車を置かせて貰った。
彼女の車を久し振りに運転しながらとめどもなく会話が弾み続けた。
夕暮れも過ぎ一番星が輝いていた。
僕は彼女の手を握りながら目を見つめ
「月が綺麗ですね」そう伝えた。
彼女はニヤッとして
「もう離さないで下さいね」そう言った。
こうして僕等の愛ある日々が幕を開けた。
僕等が離れる事はもう二度と無い。
-[完]-
別れ際、僕は彼女にLINEを聞こうとした。
その時彼女は耳まで真っ赤になりながら
「ねぇ、学校でいつも私の事見てるでしょ」
そう言ってニヤリと笑った。
僕は驚いてどう返事するのがマストかパニック状態となっていたら
「だって、私も見てるから、君のこと」
……僕は呆気にとられつつ咄嗟に
「好きです。3年間、入学式の一目惚れからずっと好きです!」
そう口走って居た。
僕はそんな自分に驚いて居たら、更に驚いた事に
「私も入学式の日からずっと見てた。
だから、こちらこそこれからよろしくね」
彼女はそう言って今迄で最高の笑顔を魅せた。
今でもあの日の事を想い出す。
10年経って苗字も重なり僕等は今もあの日と同じに幸せだ。
あの日を僕等は記念日にしていて毎年恒例であの海辺へ通っている。
今迄一度も天気が崩れたりしないのは奇跡に違い無い。
-[完]-
手紙は届かぬままお盆の時期に突入した。
不貞腐れながら僕は扇風機に八つ当たりをして「あぁ〜!!!」と、叫んでいた。
そんな折に玄関のチャイムがなった。
今日は家に誰も居ない。
僕はだりぃ~と言いながら階段を降りた。
すると玄関には少し髪の伸びた彼女が居た。
「手紙、書くより会いたかったから会いに来た」
彼女は相変わらずの無駄の無い言葉数で、でもにこやかにはにかんで言った。
そして口早に
「ねぇ、大学何処受ける?一緒の所行こうょ。
てかさ、高校卒業したら一緒に暮らそ?
私さ、離れて分かったけど君が居ないと駄目。」
彼女は気付けば僕の言いたい事を全て言ってしまっていた。
僕は思わず苦笑しながら
「全部言っちゃうんだもんな。
俺、同じ事思ってたょ。同じ大学へ行こう。
それに一緒に暮らそう?ずっと2人でこれからは生きて行こうよ。」
僕等の幼い日々は大人の階段を登って行く。
大切な人を守れる様に、護る為に。
-[完]-
お蔭様で幸せな結末へABC全てのストーリーを持って行けたと想います。
今夜は眠れなくて、一気に描かせていただきました。
お読み下さり有難う御座います。
感謝です。
知花ちひろ
宜しければサポートお願い致します。 頂きましたサポート費は今後の作品製作費として大切にさせて頂きます。