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2/9 【孤独対策】

【要点】

・コロナ下で孤独に悩まされる人が多くなっている。若者の自殺や高齢者の孤独死などが増加しており、政府はこれらの対策に取り組もうとしている。

「菅義偉首相は4日の衆院予算委員会で「社会的孤立を防ぐために関係省庁が連携する体制を検討していきたい」と述べ、省庁横断による連絡会議の設置を検討する方針を明らかにした。」(引用は上記の記事から)すでに自民党の若手有志では社会的孤立を防ぐための勉強会が開かれている模様だ。

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(引用は上記の記事から)

上記のグラフからわかる通り、昨年11年ぶりに自殺者数は増加した。その原因としてコロナ禍で3密回避のために人と会うことが少なくなり、孤独や孤独感を感じることが多くなったためである。また、経済困窮や長期間の解雇などの経済的要因も大きいようだ。

英国では、孤独対策が進んでおり、日本もそれを参考にするつもりだ。英国は18年に対孤独戦略を掲げ、「若者や失業者、軍人といった特に孤独を感じやすい層をグループ分けし、地方自治体やボランティアなどと連携して、孤独に陥らないよう支援体制を整えている。」(以上引用)

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【感想】

・記事にもあったが、孤独対策の難しい点は「孤独の在り方に多様性がある」「孤独状態を認識しにくい」という点が考えられる。前者の指摘にたいしては首相も認識しており、以下のような記述がある。

首相も衆院予算委で「家で過ごす時間は増えたが、家族と心を通わすことができず居場所がない」「大学入学後もオンライン授業が続いて友人やコミュニティーから隔離されている」などの例を挙げ「いろんな孤独がある」と説明した。

そのため、孤独の類型別にそのアプローチの仕方が変わってくるはずだ。例えば大学生の「孤独」となると、ただ「友達と会えない・自由な活動を行えない」という意味合いになるし、中年層の「孤独」だと「家族がいない・心通わす仲間がいない」という意味合いになってくる。両者の「孤独」ではアプローチが違うのは容易にわかるだろう。

・それから、孤独対策はコロナのせいで急務となったのかについても考えるべきである。確かに、コロナ禍は「孤独にならざるを得ない」状況をつくった。しかし、仮にコロナ禍が落ち着いた後、いやコロナ禍が始まる前でも社会的孤独を感じた人がいるかもしれない。そのような孤独が常態化している人々に社会がどう目を向けるべきかも考えるべきではないだろうか。

「孤独が常態化している人々」は、「各々の社会」から離れた・離された人である。そのため、ただ国や自治体が孤独対策に必死になるだけでなく、その「各々の社会」で誰も孤独にならないような対策を進める必要がある。そしてそれはコロナ禍で「孤独にならざるを得ない」状況を皆が経験したいまだからこそできることなのかもしれない。

日本は同調圧力が強い国としても有名である。そんな国においては「孤独」が生まれやすい状況になりかねない。社会秩序の面からも変えていく必要がある。

皆さんも、周りに孤独に悩んでいると思われる人がいたら、ぜひ少しでも声をかけてみましょう。

#日経COMEMO #NIKKEI

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