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2/5 【森氏の発言・会見】

【要点】

・東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の森喜朗会長が、「女性蔑視」ととらえかねない発言をして、批判を巻き起こしている。これに対し昨晩森会長は謝罪し、発言を撤回した。

上記の記事にもあるが、森氏の発言は以下のようである。

 森氏は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性というのは競争意識が強い。誰か一人発言すると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それでみんな発言される」などと述べた。
 さらに「女性を増やしていく場合は発言の時間もある程度、規制か何かしておかないとなかなか終わらないで困るといった話もあります」などと語った。
 森氏の話は約40分間に及んだ。森氏の発言に疑問を呈する声はなく、何度か笑い声もあがった。ある理事は「誰か止めた方がいいのではないかという空気もあったが、森さんの影響力を考えたら難しかった」と漏らした。会議の模様は取材申請をしたメディアのみユーチューブでライブ視聴でき、会議後の取材対応は用意されていなかった。

これに対し、国内外のメディアをはじめとして、ネット・SNSでは”炎上”した。菅首相も「スポーツ分野でも女性参画が極めて重要なのは揺るぎない」と答えるにとどめたということだ。

【感想】

この発言・事案は非常に多くの問題を抱えていると思います。森会長がトップとしてあるまじき発言をしたことは言うまででもないですが、これらの発言の中での問題点(=森会長の無意識にある通念的思考)を2点あげようと思います。

①女性蔑視的考え方
・「女性のいる会議は時間がかかる」「女性は競争意識が高い」「発言を規制しなければならない」など、「女性」という大きな主語をマイナスな意味でとらえている点。その発言で出てこない「男性」についてどのように考えているのかはわからないが、「女性」に対して劣等意識を持っていることは明白である。

②「議論が長くなる」という言葉のとらえ方
「議論が長くなる」ことの何がいけないのか?もちろん、無駄に長くなることは良くないが、オリンピックという4年に1度の祭典を開催するには豊かな議論が必要になるだろう。森会長の発言のとらえようでは、オリンピックを予定調和的なもので終わらせようとしているのではないかとも考えられる。
そもそも会議は議論があってこそだ。その議論が長くなることに対し否定的な見方をすることは、会議の意義を見誤っているのではないか?これらの会議も税金で行われている以上、十分な議論を行いよりよいオリンピックにすることを目指すべきである。

①の方はメディアでも大きくとらえられているが、②の論点も重要だと思う。会議で多様性なメンバーから多様な意見を聞き入れながら議論することが重要だ。そのような意味での会議の意義を、リーダーである森会長が否定したことは、日本の旧体制における「同調圧力」的な悪さが出ていると思われる。

#日経COMEMO #NIKKEI

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