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PTAはなぜなくせないのか。

完全ワンオペ限界ワーママのおけいです。
1年間、PTA会長をやってみて、いろいろ思うことがありました。

その中で
共働き家庭が多くを占めるこの令和において

なんでPTAというものは無くならないのか
丸っと外部委託しづらいのか


という点を、考えたいと思います。

ただこれは私がいたPTAそして小学校、自治体に
限ることなので
他の学校だと全く当てはまらないと思います。

そして私のスタンスは
働きながら子育てするのマジでしんどいから
PTAの仕事を減らせるものなら減らしたいという感じです。

会長をやるまでは、PTAなんてなくてもいいんじゃね?
と思っていましたし
基本、なくていいものはなくせばいい と今も思っています。

その点ご了承くださいまし~。


PTAというものがなくならない、
というかなくせない理由を考えてみました。

  • ①学校イベントや行事でいろんなことやってる

  • ②学校と保護者だけの話じゃない

  • ③活動したい人にとっての唯一の場


①学校イベントや行事でいろんなことやってる


これはイメージ湧きやすいですよね。
うちの学校の場合、

・登下校の見守り
・運動会での受付、パトロール
・式典のお花類 
・地域のお祭りへの手伝いや出店

などなどをPTAから出していました。
他にもいっぱいあります。
人が動くもの、お金が動くもの、多種多様ですが
あ!これもPTAがやってんの?

と、PTA会長になって初めて知ることも多く
まぁこれを一気になくすってなったら
最初は学校側の負担がすごいだろうなぁという感想でした。

やはり公立の学校の場合、本当に学校が使えるお金って少ないのです。
また使うにもいろんな手順を踏む必要があり
安易に学校側に担当を変更するというのも難しい。

でも、そう言ってても始まらない!と思い
私が会長になった年に
運動会のパトロールだけ外部委託を実現しました。
(会員さんから集めた、PTA会費から捻出しました)

過去には見守り活動も外部委託が検討されたようですが
こちらは予算と折り合いがつかず実現しなかったようです。

すべての業務を外部委託するのはさすがに予算が足りません。
うちの学校のPTA加入率は75%くらいでしたが
(同自治体内の学校と比べてもいいほうです)
それでも今ある業務をすべて外部委託は難しかったです。

じゃあ外部委託で運用できるものだけ残して
あとはやらないってことにしたら?
そもそも業務を減らしたらいいじゃん!

そう!私も初めはそう思ってたのです!

しかし次の②の壁があるのです。


②学校と保護者だけの話じゃない


これなんですよねぇ~、ほんとこれにつきます。
一番の問題点はこれなんですよ!

私の会長時代の状況としては

PTA会長(私)
業務を減らして、役員負担を減らす。
外部委託できることは外部委託する。
だって、役員の負担を減らさないと役員のなり手がいなくなるし
役員がいなくなればPTAが消滅する。
そうすると、きっと周りにめっちゃ迷惑が掛かって
最終的に子どもに影響でるじゃん!


PTA役員・委員の皆さん

会長の思いにほぼほぼ賛成!!!
負担が減るのは大賛成。
でも負担を減らしたことで
それが子どもに影響が出ないようにしたい!

学校(PTA担当である教頭先生)
働き方改革で、教職員の負担を減らしたい。
PTAが改革しているのは賛成。
ただ、こっちの負担が増えることは難しいから
外部に発注してくれるのは(内容によっては)賛成。
PTAがなくなることだけは避けたい!!!

と、だいたい全員が同じ目的地
【PTA役員・教職員の負担軽減を行う。
 でもPTAを消滅させないために頑張る。】

に向かっていました。

教頭先生が話が分かる方で
前任の方まではPTAから学校への事務連絡は
紙の文章のみ許可(会長のみ電話連絡OK)
という、超アナログだったものを

メールもOKにしてくれて
ずっと許可されなかった、PTAのHP開設も許可してくれたのです。

※信じられないですが、前任の教頭先生までは
 昭和時代をずっとひきづっていて、
 それに誰も文句を言わなかった(言えなかった?)のです。


そんな感じで、PTAと学校双方が
負担軽減のための業務の削減や外部委託に向かって
話し合いをし、歩み寄って活動していました。

ですが、これをよく思わない人たちもいます。

そう、自治会の重鎮たち!!!!!


学校と自治会というのはかなり密接な関係にあります。

公立の学校は自治体の活動拠点でもあり
防犯活動、地域交流の場としても使われています。

よって、校区内の自治会と小学校・中学校・高校は
定期的な会議が行われて、意見交換を行っています。

複数の自治会が集まってイベントやったり
地域の運動会を行ったりしていて
そこに学校の教職員やPTA役員はお手伝いに出ているのです。

だから学校やPTAが負担軽減のために
そういった活動から手を引くと、自治会側は困るんですね。

でもそんなの気にせず、やめちゃえば?
という意見もあるんですが
そんなに簡単ではありません。

学校としては自治会に嫌われるようなことはしたくないです。
そりゃそうです、学校の周りの地域の人たちだし
教職員の皆さんは仕事としてやっているので
好き嫌いで物事を決められません。

じゃあPTAだけでもやめるか?というと
ちょっとここも難しい。

自治会皆さんは決して敵ではなくて
子どもたちの成長を共に見守ってくれる
心強い味方でもあるのです。

毎朝の見守りボランティアもやってくれていて
子ども向けのお祭りなど様々なことをしてくれています。

そもそも自治会の中にPTA役員もいるし
私もいち自治会員として、清掃活動などを行っています。

なので、決して敵ではありません。
小学校の保護者は
保護者であり、PTA役員であり、自治会員でもあるのです。

仮に登下校の見守り活動をやめたとします。
PTAは楽になりますが
自治会の立場からすると、

自分たちは見守りボランティアしているけど
その子どもの保護者は誰もやらないし非協力的だ。
学校も何かしてくれるわけでもないし、
こんなに頑張っても報われないなら
見守りボランティアも、子ども向けのイベントもやめようか。

ということになってしまうのです。

そうすると本来一番大切である子どもたちに影響が出ます。

よってPTA役員の負担を減らすには
学校だけではなく、周りの自治会の理解も得る必要があり
ハードルが高いのです。


③活動したい人にとっての唯一の場


自分の子どもが毎日通う学校はいい環境であってほしいと
親なら誰しもが思うと思います。

ただそれを具体的な行動に起こせる人はほとんどいません。

そもそも学校の環境がどうなっているのか
問題点があるのかないのかさえ分からない保護者の方が
多いのではないでしょうか。

(私も子どもの学校生活にさほど興味がないので
 学校に関する情報はPTAをやるまでほぼ「0」でした)

でも、この行動を移せる人というのは
どの学校にも何人かはいます。

そしてその活動拠点の一つとなるのがPTAです。

そんな頼もしい人たちでも、たった一人で声を上げたら
下手したらモンスターペアレント扱いです。

でもPTAなら、議題に上げて役員で話し合い
学校側に正式に嘆願が出来て
うまくいけばそれを実現できます。

現時点で保護者の立場でそれを迅速にできる組織は
PTAくらいではないでしょうか。

##
私と同じタイミングで立候補で役員になった方がいました。
その方は毎年新入生の親に課せられる

「既製品では売られていない、手縫いではできない(ミシン必須)、
 学校独自の大きな布の学事用品」

を廃止するように学校に訴えたいと
PTAの議題に上げ、役員で話し合い、学校に正式に依頼をしました。

他の学校の現状、ミシンの普及率、共働き家庭の増加率
その布製品の代用案(市販品の利用)など
データから示して説明しました。

すると、翌年の新入生からその布製品の作成が
なくなったのです!!!!!

上の子がいる新入生の保護者からものすごく感謝されました。
(上の子の入学の際に、とても苦労したから)
##



最後に


だらだらと書き進めましたが(3000字超えてしまった、、、)
ここに書ききれないこともたくさんあります。

他にもいろんな壁があって
私は会長をやった1年間で2度過労で倒れました。。。
病気にもなったし、本当に大変でした。

でもよくメディアでも取り上げれられるPTAが
自分の見えている範囲だけじゃない
そんな単純な話じゃないというのも
もっとたくさんの人に知ってほしいと思います。

公立の小学校において、保護者はお客さんではありません。

「私達」の範囲は人によって違いますが
なるべく、その範囲が広くなるように
これからも子育てしていきたいと思った1年間の会長任期でした。

↑ 
私達の範囲の話は
「きみのお金は誰のため(著者:田内学)」の
とても大好きな文章です。


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